蒼井優 J:COMスペシャルフォト・インタビュー

「男はつらいよ」シリーズでおなじみの山田洋次監督が手掛ける喜劇映画『家族はつらいよ』の続編が登場。今回は高齢者の免許返納、無縁社会などをテーマに、平田家を襲う珍騒動が描かれる。蒼井は前作に続いて、妻夫木聡演じる平田家の次男の嫁・憲子役で出演。少しずつ平田家の一員として馴染んできたキャラクターへの思いや演じる上で心掛けていること。そして、4本目の参加となる“山田組”で学んだことなどを語ってもらった。

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ハチミツとクローバー

©2006「ハチミツとクローバー」
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花とアリス

©2004 Rockwell Eyes・H&A Project

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5月18日(木) 18:30~21:00

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「あのメンバーと一緒に“冒険”ができるんだと思ってワクワクしました」

――続編の話を聞いた時の感想は?

「続編なのかどうかは分からなかったんですけど、山田さんがまたこのチーム、キャストでやりたいとおっしゃっていたんです。でも、期待して待っていて何もなかったら悲しいので(笑)。あまり考えないよう、できたらいいなぐらいに思っていたんです。だから、続編のお話をいただいた時は、またあのメンバーと一緒に“冒険”ができるんだと思ってワクワクしました。もう一度呼んでいただけてうれしかったですし、みんなで、山田さんの演出に応えられるよう頑張りたいなと。山田組の現場は自分が頑張るというより、みんなで頑張るという感じなんです」

――改めて、憲子を演じてみていかがでしたか?

「とにかく憲子を演じている時は楽しいですね。心が優しくて、すごくいい人なんです(笑)。うちの両親も、私があんな風に育てばよかったって思ってるだろうなっていうような女性。いつか私が子供を産むことがあったら憲子のような娘がいいなって。両親の離婚など、いろんなことを経験してきた人なので人間としてとても強いですし、誰よりも人の痛みが分かる。人の滑稽さも受け入れることができる器の大きさもあるんです。だから、一生演じていたいくらい大好き。自分もできた人間になったような感じになれるので気持ちがいいですね。もしかしたら、これまでやってきたどの役よりも演じているという感覚が強いかもしれません。憲子は、普段の私とは全然違うキャラクターなので、共演者の皆さんから『嘘つき』って言われています(笑)。悪役や陰のある役を演じるほうが楽しいとおっしゃる俳優さんが多いですけど、私は善人を演じている時が楽しい。でも、他の監督からは、そういうキャラを求められない(笑)。なので、私の中にある“善人欲”を全部憲子に注ぎながら演じています」

――憲子を演じる上で心掛けている点は?

「できる人間だからといって、聖人君主みたいにはならないよう気をつけています。人間臭さのようなものをしっかりと表現できたらいいなと。後は『平田家』の家族会議のシーン。憲子は後ろのほうでボヤけて映っているんですけど、どういう気持ちでその場にいるのか。平田家の実の娘ではなく嫁という立場なので、思っていることを表情に出しすぎると嘘っぽい感じがして。出すぎず、引っ込みすぎない、そのバランスが大事かなと思っています」

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「家族はつらいよ2」公開記念特番

©2017「家族はつらいよ2」製作委員会

「家族はつらいよ2」
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岸辺の旅

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「監督が求めているものを理解しながら臨機応変に演じることを大切にしている」

――山田監督の演出で印象に残っていることはありますか?

「憲子が涙を流すシーンがあるんですけど、その収録の前日に山田さんが私のところにきてくださって『明日はすごく大切なシーンです。ホロッと泣いてください』っておっしゃったんです。思わず出たっていう涙を求められているんだろうなって思ったんですけど、あのひと言はプレッシャーでした。泣くシーンがあっても、他の監督さんだと涙が必要かどうかではなく、心が泣いているかどうかだとおっしゃるケースが多いんです。でも、山田さんの場合は『涙をくれ』ということなので。しかも、山田作品には、それプラス“品”も求められるんです。ただ、泣けばいいという話でもないところが難しい。ある程度俯瞰の目も持っていないといけない。その主観と客観のバランスは、ほかの監督さんから求められることと違うところですね。役者として面白いと感じる部分でもありつつ、気持ちの作り方が変わってくるのでアプローチが大変。細かい表現みたいなものが必要とされる時もあれば、一切排除する場合もある。今、山田さんが求めているものは何なのか。現場では、それを理解しながら臨機応変に演じることを大切にしています」

――山田作品の出演は、今作で4本目。“山田節”と言われる独特のセリフの言い回しはなじんできましたか?

「『おとうと』という作品で初めて参加した時に『セリフのひと文字、ひと文字に感情を込めてください』と言われたんです。単語じゃないんですよ。それは、すごく衝撃的でした。作品を重ねるごとに、大切に言わないといけないセリフやサラっと言ったほうがいい言葉というものが分かってきたような気がしますけど、それが正解なのかどうか毎回ビクビクしています(笑)」

――『おとうと』の時は立ち方の違いに戸惑ったという話を聞きましたが…。

「地球の中心、核の部分とつながっていることを意識しながら立つところから始めなさいって言われたんです。力士と一緒だと。その時は『なるほど』って言いましたけど、どういうことなんだろうって(笑)。岩井俊二監督からは『フラフラたちなさい』って言われていたんです。人は常に体重移動しているから、真っすぐ立つ人はいないと。体重移動しながら、相手の目を見ずにセリフを言うという演出を受けていたので、『おとうと』の時に体重移動してはいけないと言われた時にびっくりしました。今では、真っすぐ立つという意味も少しは分かってきましたけど、難しさは変わらないですね」

「家族だから許せないこと、家族だから許してしまうことも出てきたりする」

――今回は高齢者の免許返納をはじめ、家族だからこそ言い出せないことが盛り込まれたストーリーになっています。

「身近にいるからこそ言いにくいことってあると思います。私自身も兄には何でも言えるけど、両親には…ということもありますし(笑)。家族だから許せないこと、家族だから許してしまうことも出てきたりして。家族って、不思議なコミュニティですよね」

――前作では、蒼井さんのアイデアが物語に反映された部分がありましたね。

「実は今回も私が山田さんにお話したエピソードが入っています(笑)。ずいぶん前に聞いた話なので、友達だったか知り合いの誰かが経験したことだったのか記憶が定かではないんですけど、棺桶に銀杏を入れるというシーンですね。お葬式の時って面白いことが起こりますよねという話をしたんですけど、それが山田さんの中で印象的だったみたいです」

――“原案・蒼井優”というクレジットを入れてもいいぐらいの活躍ですね。

「山田さんからいただいたお手紙に『僕は入れるべきだと思うので、入れてもいいですか』って書かれてあったんです。恐れ多くて、丁重にお断りしました。私は人から聞いた銀杏の話をしただけですから(笑)」

――憲子も『平田家』の嫁として馴染んできた感じがするので、シリーズ第3弾への期待が高まります。

「平田家の皆さんの憲子に対する距離感が変わってきましたよね。半分家族に入った感じがして。橋爪(功)さんが演じるお義父さんから『憲子!』と呼ばれてうれしかったです(笑)。ちょっとは認められたのかなって。撮影の合間は、共演者の方たちと本当の家族のように話をしていて、平田家のリフォームについて盛り上がっていました。高齢になってきた両親が階段でつまずいたり、降りるときに手すりを使うことが多くなってきたので、そろそろ二階建てはマズいんじゃないかとか。このアイデアはパート3で使えるなって言いながら、いつも家族会議を開いています(笑)。みんなで平田家の存在を楽しんでいる感じがいいですよね。これが、シリーズものならではの面白さなのかなと思っています」

撮影:渡部孝弘
取材・文:小池貴之

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映画『家族はつらいよ2』

抽選で2,500名様 劇場公開前に見られる!

おうちで試写会

応募締切 5月16日(火) 10:00

詳しくはコチラ

5月27日(土)全国ロードショー

story

熟年離婚の危機を乗り越えた「平田家」に新たな問題が勃発。周造(橋爪功)が運転する車の傷が目立ち始めたため、家族は高齢者の危険運転を心配する。周造に免許を返上させようとするが、嫌な役回りを兄妹夫婦でなすりつけ合ってばかり。そんな家族の態度に腹を立てた周造は「死ぬまで運転を続ける」と言って家族を困らせる。

原作・監督:山田洋次
脚本:山田洋次/平松恵美子
出演:橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、
藤山扇治郎、オクダサトシ、有薗芳記、広岡由里子、近藤公園、北山雅康、徳永ゆうき、小林稔侍、風吹ジュン、中村鷹之資、
丸山歩夢、劇団ひとり、笑福亭鶴瓶(特別出演)
制作・配給:松竹株式会社

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