時事問題を独自の切り口で笑いに変える爆笑問題。
一年の総決算ともいえる彼らの漫才を収めた
DVD「漫才 爆笑問題のツーショット」が今年もリリース。
今なお冴え渡る漫才を見せてくれる二人に、
裏話から見どころまで、全てを語ってもらった。
――毎年、旬の時事ネタを数多く織り込んでいますが、今年、ネタ作りで苦労した点は?
例年、何人かの放送作家さんと一緒に、太田さんの家でネタ作りをしていて、いつも通りの流れで進められたので、今年“特に”というのはなかったですかね。ただ、今年は大塚家具の株主総会前にネタを作っていて、株主総会の内容に合わせて、ネタの内容を変えないといけなかったので、少しハラハラしました(笑)。
年々スマホとか、3Dとか、先端技術的なニュースが増えてきてるので、世の中で進んでいるものを取り上げようとすると、どうしてもそういうものに偏りがちになるんですよね。
年に1回だと、そうなっちゃいますよね。だから、政治ネタを少し増やそうとか、あるあるネタを入れようとか、全体のバランス調整は苦労しますね。
――ネタ作りの期間中は、特に世の中の動向に敏感になる感覚はありますか?
そうですね。ただ、僕らは2ヵ月に1回の「タイタンライブ」で時事ネタをあつかっているので、そういう意味では、いつも敏感かもしれませんね。
そうだね。時事ネタは、ライブと雑誌の連載で結構作ってるからね。DVDの方は、それ以外の“最近こういう傾向にある”という社会風俗をメインにしている感覚がありますね。
――手応えがあったネタは?
「いろんなハラスメント」というネタですかね。今、世の中でセクハラ、パラハラ以外でも、いろんなものがあって、そこをネタにできたのが、僕的には気に入ってます。それから、「ゆとり社員」は想像していたよりも手応えがありましたね。
俺は「3Dプリンター」かな。3Dプリンターでもう一個3Dプリンターを作っちゃおうみたいな。あれは、自分で好きなネタですね。本当は、最終的に地球を作るところまで考えてたんだよね。
(笑)。でも、伝わりづらいという理由で、もう少し“手前”までにしたんですよね。お金を作るとかもあったよね。でも、ただの偽札づくりになるからやめようって。
人類への警鐘ですよ。
いやいや、そんな大仰なもんじゃないだろ! あと、太田さんが大暴れする「セルフタイマー」のネタは、いつも見に来てくれているハライチの岩井(勇気)が「すごく好きだ」って言ってましたね。
あれは、自分が一番楽しんでやってたからね。
――「いろんなハラスメント」のネタにちなんで、今、お二人が感じているハラスメントは?
俺はもう、ここ十数年“タマハラ”を受けてますから。
“チビハラ”もね。俺は……、何だろうなぁ……。“ハラスメントハラスメント”だね。今は、何でもハラスメントになっちゃうからね、“ハラハラ”ですよ(笑)。
――「○○カフェ」のネタにちなんで、お二人があったらうれしいと思うカフェは?
何かな……?
“コーヒーカフェ”。
普通のカフェだよ! 普通のカフェ! それは!
“紅茶カフェ”。
だから、それはカフェで良いんだよ! 猫カフェは普通だからなぁ……。
“人カフェ”。
人カフェって何だよ! だいたい、人カフェだろ。僕がリアルに行きたいなって思うのは“80年代カフェ”かな。80年代の曲が流れてて、モニタには「ザ・ベストテン」の映像。で、キョンキョンがいる(笑)。
働いてんの?
働いてる(笑)。本当にいたら引く(笑)!
――「お任せ商品」のネタにちなんで、お二人が“お任せ”で選んでもらいたいものは?
あんまり洋服とかをお任せでという感覚がないんだよね。あるとしたら、“お任せお菓子”。お菓子が大好きで、自分でも選ぶんだけど、世の中には本当にたくさんお菓子があるから、自分が知らないおいしいスイーツとか、絶対あるんですよ。それは大乃国さんとか、的場浩司さんとかに、スイーツをいくつかをお任せで選んでもらいたいですね。
僕は、“お任せお新香”ですかね。
お任せの意味が分からない(笑)。
漬け物ですよね。
それは、好きな食べ物だろ! しかも、スイーツに対抗して(笑)。
――「4DX」や「泣ける映画」のネタもありましたが、最近見た映画で印象的だったのは?
関根(勤)さんの『騒音』。豪華キャストに囲まれながら、関根さんが大好きなことばっかりやってるんですよね。それで、タモリさんも出演しているんですけど、それがまだ「笑っていいとも!」が放送されてる頃で、「いいとも!」の楽屋で撮影しているところを横で見てたんですよ(笑)。それも印象的ですね。
俺は『0.5ミリ』かな。主演の安藤サクラさんの存在感がすごくて、柄本明さんとか、草笛光子さんとか、超大物を相手にしながら、全部持ってっていたので、「すごいな、この人」と思いましたね。
――では、最後にDVDの見どころを!
皆さんが知っていたり、共感できるネタがたくさん入っていますので、家で友達同士で楽しみながら見ていただけたらうれしいですね。
我々も歳なんでね、そろそろ死期も迫って……。
何なんだよ! それは!
そういうドキドキ感も……。
そこまでの年齢じゃないから(笑)。
この作品が遺作になっても良いくらい、魂を注ぎました。この時代に、こんなチンケな漫才師がいたんだなというのを、記憶の片隅に……。
何なんだよ! 嘘じゃねぇかよ!
記憶にとどめていただくためにも、ぜひ見てください(笑)。
撮影:中川有紀子
取材・文:小林 聖
人気お笑いコンビ・爆笑問題が、その年度を漫才で総括する毎年恒例の人気シリーズ。結成以来、独自の視点で「政治」「芸能」「スポーツ」など、さまざまなジャンルの話題を斬ってきた彼ら。今回も「大塚家具」「浪速のエリカ様」「サプライズ動画」「○○ハラスメント」など、旬の話題をノンストップで切り刻む!
©2015 Contents League