五郎丸歩 スペシャルインタビュー

――――それはひとつの事件だった。
過去、7回の出場でわずか1勝の日本代表が、優勝候補の南アフリカ代表を撃破し、
予選プールで3勝したことは、世界中のラグビーファンの度肝を抜いた。
そして日本国内でもラグビーが一夜にしてメジャースポーツになった。
その中でも最も注目を浴びたのが、
日本代表の1試合最多となる24得点を挙げた五郎丸歩だった。
帰国後、練習を再開した五郎丸を訪ね、トップリーグを目前に控えた今の心境に迫った。

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チャレンジ精神を忘れずに、全力を尽くして頑張るだけ

――過酷な練習を重ねて挑んだワールドカップでした。激しい戦いを終えた今の率直な感想を教えてください。

「今はホッとしているというのが正直な気持ちです。目標にしていたベスト8に入れなかったことに関しては悔しさが残りますが、それ以外の部分では満足しています」

――日本では空前のラグビーブームが起こりましたね。

「ラグビーという競技を初めて意識した人や、初めて試合を見たという人も多かったようですが、連日の報道もあり、今ではすっかり認知されたように思いますね。ワールドカップでは非常に良い刺激をもらったので、それに負けないような試合を、これから始まる国内リーグでも続けていきたいと思います」

――知名度が上がったラグビーを一過性のブームで終わらさないために、選手は何をしていくのが大事だと考えていますか?

「我々選手にできるのは、最大限のパフォーマンスをグラウンドで出し続けることです。特に日本代表の選手は、プライドを持ち続け、グラウンドでは両チームの中でも1、2を争うパフォーマンスをするぐらいの気持ちでプレーすることが大事だと思います」

――ワールドカップが終わり、これからの五郎丸選手の主戦場は、国内最高峰のリーグであるトップリーグに移ります。

「今季は試合数が少ないので(※)、各プールの上位4チームによるプレーオフトーナメントに進むためには、取りこぼしが許されない。また、日程が詰まっているので一度ケガをすると復帰するのも難しい。かなり過酷な戦いになると思います」
(※2015-2016シーズンは、ワールドカップが開催された関係で、例年よりも短期決戦になる)

――今季の目標は?

「去年逃してしまったので、3冠(得点王、ベストキッカー賞、ベストフィフティーン)を狙いたいですね。チームとしては、トップリーグでチャンピオンを目指していきたいです」

――最も意識するチームはどこですか?

「いつも苦戦を強いられているパナソニックです。いい選手がそろっている上に、ディフェンスが崩れない。日本選手権ではうちが優勝しましたが(日本選手権での直接対決はなし)、真のチャンピオンは間違いなくパナソニックだと思っています」

――そのパナソニックに対し、五郎丸選手の所属するヤマハ発動機はどう戦っていきますか?

「チャレンジ精神を忘れずに、全力を尽くして頑張るだけです。そのためには、昨シーズン以上に、“セットプレー”(スクラム、ラインアウト、ペナルティキックなど)で相手を圧倒することが大事だと思います。また、ケガをしないギリギリのところまで、自らを追い込んで戦っていきたいです」

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ひとつの試合に懸ける思いには学生ならではの魅力がある

――トップリーグだけでなく、12~1月にかけては、学生ラグビーも佳境を迎えます。過去、五郎丸選手自身も活躍した学生ラグビーの見どころを教えてください。

「トップリーグはシーズン制のため、積み上げた経験がものをいう。対して高校・大学ラグビーは、ひとつの試合がチームの一員として戦う最後になるケースが多いと思います。例えば高校は3年など、時間が限られていますよね。それだけに、ひとつの試合に懸ける思いには、学生ならではの魅力があると思います」

――国内はもちろん、海外のラグビーを見るのもオススメだそうですね。

「多チャンネル放送で、今はスーパーラグビーやシックスネーションズといった世界最高峰のラグビーが見られる時代。その迫力を楽しむも良し。海外のトップクラスの選手を見ると、一見派手なプレーをしているようですが、上に行くほど基礎の塊というか、普通のことをしっかりとこなしている。高校生には、一流の選手たちがどれだけ基本を大事にしているか、という点も見て学んでほしいですね」

――また、4年後には、ラグビー界最大のイベント・ラグビーワールドカップが日本にやって来ます。2019年大会に向けての思いは何かありますか?

「その答えを出すのは、もう少し時間がかかります。日本を代表して戦うということは、それだけ大きなものを背負うということ。そう簡単に結論を出せるものではない。今私がやるべきことは、その結論を出すことではなく、トップリーグでしっかりプレーをしてラグビーの素晴らしさを一人でも多くの人に知ってもらうことだと思っています」

――それでは最後に、新しいラグビーファンに向けて、ラグビーの魅力を伝えてください。

「すべての選手が、自己犠牲の精神を持ってプレーしていること。チームのために無心で体を張り続けている選手たちの姿をぜひ見てください」

撮影:厚地健太郎
取材・文:真鍋雅彦

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