広瀬すず スペシャルインタビュー

"畳の上の格闘技"とも呼ばれる「競技かるた」に
すべてを注ぐ高校生たちの瑞々しい青春を描いた人気コミック「ちはやふる」。
少女コミックでありながら男子にも人気の高い青春コミックが、いよいよ実写映画化される。
まっすぐに競技かるたに情熱を燃やす主人公・綾瀬千早を演じるのは、
話題作への出演が相次いでいる広瀬すず。
"スポ根"さながらの撮影の日々を、はじけるような笑顔で広瀬は振り返った。

もし1人だったら、楽しめなかったと思います。

――今回の映画は人気コミックが原作ですが、原作を最初に読まれたときの感想はいかがでしたか?

「まず『あれ、千早役、私で大丈夫かな?』と思いました(笑)。すごく熱い部分があるところは似ているんですが、千早って、見た目は美人だしスタイルも良いし(笑)。でも、千早の世界観がとても可愛らしくて。そういうところに、親近感を覚えました。その後、アニメを観て、それから映画の台本を読んだんですが、原作、アニメ、映画のそれぞれで感じた世界観が少し違うような気がしました、監督とも、そういう部分をよくお話しました。映画は、原作を超えるものを作ろうって」

――どんなところが違っていると感じましたか?

「例えば、人との触れ合いのあたたかさや、人と人との繋がり方については、映画も負けていないと思っています。映画は実写なので、人と人とが直接触れ合っている瞬間があります。瑞沢のチームワークや関係性の良い部分は、観た人に映画ならではと感じてもらえると思っています。もちろん原作やアニメと共通したところはありますが、映画ならではの世界観を出せたらいいなと思いながら演じました」

――「競技かるた」を軸にした物語ですが、競技かるたの魅力ってどんなところですか?

「私はまだまだ『競技かるた』のすごく浅い部分にしか居ないと思います。百人一首は、友情や恋愛、それぞれ違う100の物語があることを知って、そのことがとっても面白いと思ったんです。人の心って1000年経っても変わらないんだって。正直に言うと、私にとって『かるた』は縁の無い世界だと思っていました。でもやっていると、どハマリするんです。私が負けず嫌いなので、千早が負けるシーンなのにカメラテストの時は札を取りに行っちゃったりしていましたね(笑)」

――千早を演じるに当たって、一番意識したところはどこですか?

「私が小柄というところもあって、大きく動けるように意識しました。千早はとてもダイナミックな取り方をするので。持ち運べる畳を頂いたので、別の現場にも畳を担いで行って(笑)、それで練習したりしていました。暑い時期に袴で部屋を閉め切って、本当に格闘技みたいに練習しました。ひざとかにアザや水ぶくれが出来て、もうワケが分からないくらい痛くなって……。ひざと畳が離れる瞬間が一番痛くて勇気がいるんですよ。そういう時に、瑞沢のみんなが手を貸してくれたりして。もし1人だったら、楽しめなかったと思います」

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©2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会

今、すべてを懸けてやろうと思っていることが、お芝居なんです

――みんなが協力しあう、素敵な現場だったんですね。

「本当に、ものすごく楽しかった! 実は、瑞沢かるた部は全員AB型なんです。それが分かった瞬間、みんなの殻がブワッと無くなって打ち解けましたね。今回、Perfumeさんが主題歌になるって聞く前から、現場ですごくPerfumeさんの曲が流行っていたんです。みんなで歌って踊って、みたいな(笑)。机くんを演じた森永(悠希)くんは『チョコレイト・ディスコ』が完璧に踊れるんですよ。それを伝授してもらったりして。撮影の終盤では本当に兄弟かと思うくらい、軽口も言えるような仲になりました」

――本当に劇中の仲のよさそのままなんですね。

「今回の撮影では、ビックリするくらい『こんな風に表情を作らなきゃ』みたいなことが無かったんですよ。みんなでワイワイしたりするシーンで、台本にセリフはあったんですけどほぼアドリブになって、カットがかかったことに気付かないくらい盛り上がったりして。お芝居って、ほぼ初対面なのに親友を演じたりすることもありますよね。それはある意味そこに“嘘”が生まれているんですけど、瑞沢のみんなとの間には、嘘がない。そんなふうにできたのは、みんなが居てくれたからだと思います」

――ちなみに、いつも近くで応援してくれる太一タイプと、遠くにいるけれどずっと憧れている新タイプ、広瀬さんご自身はどちらに惹かれますか?

「太一ですね。新に対しては、憧れの気持ちが強すぎてその中に自分が入っていくことで、何かを崩しちゃうのが怖い。人として、ずっと憧れていたいですから。太一のほうが楽しそうですし(笑)。私もこんな性格なので、イエーイ!って一緒にできる人のほうが楽しくていいかな」

――では、千早にとっての競技かるたくらい、広瀬さんがハマっているものはありますか?

「千早並みにハマっているものはないです(笑)。でも、それくらいハマれるものは欲しいと思っていて……。最近はキックボクシングを始めたいな、と思っています。あと、卓球も! 何か、体を動かしながら集中できるもので、ハマれるものを見つけたいですね。でも今、私がすべてを懸けてやろう、と思っていることはお芝居です。口ばかりで自分に力が無いことがすごく悔しい。今までの作品を観ていても、そのときのベストを尽くしているんですが、どうしたらここからもっと成長できるんだろうと思ってしまうんです」

―そんなとき、落ち込んでしまったりもする?

「気分が落ちてしまったりはしなくて、負けちゃいけない!って立ち向かう気持ちになりますね。……実はそんなふうに『お芝居が好き』になったのはここ最近。昔は『現場に行ってみんなに会うこと』が楽しかっただけで、お芝居そのものが好きなワケじゃなかった。むしろ、嫌いだったかも知れません。でもいろんな現場を経験して、今はもっともっと女優として冒険したいと思っています」

撮影:中川有紀子
ヘアメイク:佐々木博美
スタイリング:中井綾子(C.コーポレーション)
取材・文:宮崎新之

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映画「ちはやふる」<上の句>3月19日<下の句>4月29日二部作連続公開

映画「ちはやふる」

©2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C)末次由紀/講談社

原作:末次由紀「ちはやふる」(講談社「BE・LOVE」連載)
監督・脚本:小泉徳宏
出演:広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也/松岡茉優、松田美由紀、國村 隼
配給:東宝

STORY

綾瀬千早、真島太一、綿谷新の3人は幼なじみで、新に教えてもらった"競技かるた"でいつも一緒に遊んでいた。だが、新が家の事情で福井に行くことになり離れ離れになってしまう。それから時が経ち、高校生になった千早は新と再会することを願って「競技かるた部」を創部。高校で再会した太一とともに部員を集め、全国大会を目指すが……。

公式サイト://chihayafuru-movie.com/

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