“クール&ビューティー”。
今、こういうタイプの役を演じるのがもっとも似合う女優に、
彼女の名前は間違いなく挙がってくるに違いない。
真木よう子。「そして父になる」と「さよなら渓谷」の演技で
昨年、第37回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞W受賞する快挙を達成し、今まさに俳優として存在感を増す彼女だが、最新主演映画『脳内ポイズンベリー』では一転、今までにないキャラクターに果敢に挑んでいる。

INTERVIEW

「どんな映画になるのか、
私自身もちょっと想像がつきませんでした」

――人気漫画をもとにした本作ですが、ユニークな構成のドラマになっていますね。

「そうですね。今回、私が演じたのは、過去の恋愛トラウマから自分に自信が持てない携帯小説家の櫻井いちこ。現実として、30歳を迎えた彼女の不器用な恋愛模様が描かれる。その一方で、彼女の頭の中を構成する5つの思考である理性、ポジティブ、ネガティブ、衝動、記憶が擬人化されて登場し、彼らの合同会議がいちこの脳内の様子として描かれる。この現実と脳内のドラマが同居する構成には私も驚きました。というより、台本に目を通した時点では、どんな映画になるのか、ちょっと想像もつかなかったというのが正しいかも(笑)。
いちこというどこにいてもおかしくないごく普通の今どきの女性も今まで演じたことのない役柄でしたし、いずれにしても私にとって一つの大きなチャレンジになる作品と思いました」

――確かにいちこ役は、いままでの真木さんのイメージにない役柄だと思います。これまでどちらかというと“クールで力強い女性”という役のイメージがありますから。

「クールな女性の役をいただくことはとても光栄なんですけど、私自身は本当に違って。失敗ばかりでカッコいい女性とはほど遠い(苦笑)。今回、競演した西島(秀俊)さんとは過去に何度かご一緒しているのですが、こう言われました。“今回のいちこ役が実はふだんの真木さんに一番近いのでは?”と」

――実際、これまであまり演じたことのない役柄に挑戦することで体得したことはありますか?

「たとえば“クールな女性”といったイメージの特化した役というのは、そのイメージの範囲内で演じることが求められます。対して、ごくごく普通の女の子というのは、そのイメージの範囲が無限というか。多種多様な選択肢がある。ある意味、どう演じても成立することもあれば、またその逆もある。その役柄へのアプローチの幅が広いことに、すごく悩みました。もうシーンごとに“次はどういうセリフ回しをし表情をしたらベストなのか”と。
ただ、すごく悩んで難しかったですけど、その役についてあれこれ思いを馳せることは同時に楽しい時間でもあって。改めて演技の奥深さと面白さを知る経験になりました」

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「実は生クリームが苦手で
ケーキを食べるシーンは辛かったです」

――演じ終えられた今、いちこをどんな人物だと感じていますか?

「いちこははじめ過去の失恋の痛手から“自分なんて”と自身を卑下しながら生きています。ただ、新たな恋をきっかけに自らの心を改め、やっと自己を肯定することで新たな一歩を踏み出す。彼女の姿というのは、今を生きる女性の多くに共感してもらえるのではないかと思っています。また、男性は“女の子ってこんなこと考えているんだ”とか、“女性ってこんなこと気になるんだ”とか、女心が分かるんじゃないでしょうか(笑)」

――なんでも劇中のケーキをやけ食いするシーンは辛かったとお聞きしました。そうはまったく見えないのですが(笑)

「実は生クリームが苦手で。しかも、“やけ食い”だったので、豪快にほおばる感じでいかないといけなくて。たぶん10数個食べたと思うんですけど、さすがにきつかったですね」

――ちなみに真木さんご自身の脳内の思考の構成はどのようになっているでしょう?

「理性、ポジティブ、ネガティブ、衝動、記憶、いずれもいると思います。パワーバランスとしてはポジティブが強くて、あとは横並びといったところでしょうか。ですから、私の脳内会議の場合、たとえば何か失敗をしでかしたとしたら、一瞬それぞれが意見を交わしつつも、最終的にはポジティブが前に出てきて“まあ、いいじゃん。明日になればきっと忘れるよ”みたいになって終了になると思います」

――今回の作品も含め、これまで数々の映画やドラマに出演されています。ご自身で過去の作品を見直したりすることはあるのでしょうか?

「出演してきたいずれの作品も、その都度、自分のベストを尽くしたものですから、一人でも多くの方に見てほしいと常に思っています。ただ、自分自身で自分の出演作を見直すことはほとんどありません。というのも、反省点ばかり目についてしまって、もう見ていられないんです。それよりかは、今はもう前だけ、次の作品に挑むことだけを見て進んでいこうと思っています(笑)」

撮影:中川有紀子
取材・文:水上賢治

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MOVIE 真木よう子主演映画

映画「脳内ポイズンベリー」5月9日公開!

映画「脳内ポイズンベリー」

5月9日(土)全国公開

STORY

過去の恋愛トラウマから恋に臆病になっている携帯小説家のいちこは、飲み会で一緒になり、ちょっと気になっていた年下男子の早乙女と駅で遭遇する。これはもしかしたら運命の出会いかも? そう意識し始めた彼女の頭の中では、緊急の脳内会議がスタート! 理性の吉田議長、ポジティブの石橋、ネガティブの池田、衝動のハトコ、記憶の岸さんが議論を尽くし、いちこの進む道を決める。果たして、いちこは幸せをつかめるか?

©水城せとな/集英社 ©2015フジテレビジョン 集英社 東宝

原作:水城せとな「脳内ポイズンベリー」(集英社クイーンズコミックス刊/「Cocohana」連載中)
監督:佐藤祐市、脚本:相沢友子
出演:真木よう子、西島秀俊、古川雄輝、成河、吉田羊、桜田ひより、神木隆之介、浅野和之
配給:東宝
公式サイト //www.nou-poi.com/

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