若手女優の水樹沙羅は、女貴族・エリザベートの生涯を描いた舞台「鮮血の叫び声」に端役で出演することになる。主演を務める女優の篠原葵をはじめとした女優たちは、エリザベートの内面を映し出す分身の人形の前で、連日火花を散らしながら稽古に打ち込んでいた。そんなある日、劇場でスタッフの女性が変死体で発見される。そして、葵も転落事故により意識不明の重体に陥ってしまう。急遽、沙羅が代役として主演に抜擢されるが、その稽古中、沙羅は人形が動く姿を目撃してしまい…。
数々の傑作ホラーを生み出してきた中田秀夫監督の新作が公開される。
主演を務めるのは、ホラー映画初挑戦となるAKB48の島崎遥香だ。
劇場という閉鎖された空間で怪現象に見舞われる女優たち。
次々と襲いかかる恐怖を描いた本作で、
主人公の沙羅を演じた島崎に今の心境を聞いた。
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――今回の作品はホラーですが、ホラーは苦手ですか?
「普段はほとんど観ないですね。今回の撮影に入る前に、中田(秀夫)監督から、『リング』や『クロユリ団地』など、ご本人の作品をお借りしたんですけど、夜しか観る時間がなくて(笑)。仕方なく夜に一人で観たんですけど、大丈夫でした。でも、ちょっと怖いシーンが来そうだなって時は早送りにしたりしてました(笑)」
――映画はAKB48グループ内のオーディションを経て島崎さんに主演が決まったそうですね。どんなオーディションだったんですか?
「そうですね、劇中みたいにメンバー数人が呼ばれて、一緒にお芝居をしたり、台本を読んだりしました。最初は、何が何でも役を勝ち取ろうみたいな感じではなくて、メンバーのみんなもそれぞれ自由参加でオーディションを受けていたみたいなので、私も気楽な気持ちで挑んでいましたね。まさか最終まで選ばれるとは思ってなかったです」
――最終オーディションは何をしたんですか?
「結局3回くらいオーディションがあって、最後はみんなでセリフの掛け合いをしました。あとは中田監督やスタッフの皆さんによる質疑応答ですね。でも役に直接関係することばかりを聞かれたわけじゃなくて、将来の夢とかも聞かれて……それには『玉の輿』って答えました(笑)」
――(笑)。今回、ホラー作品に出演する上で、心がけたことなどがあれば、教えてください。
「やっぱり驚くときの表情ですね。撮影のときは、監督が『このシーンはあと10%くらいの驚きで』というように、パーセントで指示をしてくれたので、すごくやりやすかったです。一番驚かなきゃいけないシーンのときは、『いつもの3倍で』とか(笑)。表情もそうですけど、ここまできちんと本格的に演技をするのは、初めてに近いので、すごく大変でした。映画の現場は初めてのことだらけで、いろいろと教えてもらいながら撮影しました」
――ご自身の出演したシーンをご覧になってどう思いましたか? また、お気に入りのシーンはありますか?
「普段はあまり自分の出演シーンを観ないので、恥ずかしかったです。あと、お気に入りというか、印象に残ったのは大雨のシーン。観ているお客さんも『今どうなっているの?』って思うだろうし、すごい不思議なシーンで、ああ、こうやって映画のシーンって出来上がるんだって思いました」
――そのシーンはいわゆる戸惑いの演技が求められたと思うんですが、監督からは何か指示はありましたか?
「このシーンもそうなんですが、1シーン1シーン、最初から、『ここはこういう意図があって、だからこうなんだ』みたいに、本当に細かく説明してくださったので、すごく分かりやすかったですし、やりやすかったです。あと、自分の役に集中するために、『撮影中は他の出演者の方としゃべっちゃダメ』って監督から言われて、そういう指示はすごく新鮮でしたね」
――そんな中田監督にはどういう印象をお持ちですか? また、中田監督の過去の作品を観て、どう感じましたか?
「見た目は恐いんですけど(笑)、話すとすごい優しい方だなって思いました。中田監督の映画は、『クロユリ団地』がすごく良かったです。今回の撮影の参考に借りたんですけど、いち視聴者として、普通に観て泣いちゃいました。ホラーなんですけど、幽霊が幽霊になる理由みたいなのが描かれていて、すごく感動するんです。最後の前田(敦子)さんが、お人形を持っているシーンが大好きです」
――今回のタイトルが「劇場霊」ということで、“劇場”には非常に縁が深い島崎さんですが、AKB劇場にも“怖い話”があるそうですね。
「実はAKB劇場にも“霊が出る”ってウワサがあって。他のメンバーが見たって話は聞くので、やっぱり劇場ってそういうことがあるのかなって。高橋みなみさんが体験して、『ほんとにあった怖い話』でもドラマ化されたんですけど、AKB劇場にはレインコートを着た女の人が出るらしいんです。でも、私は霊感が全然なくて見たことがない。よく怖い映画やドラマの撮影現場では霊体験をするとかいいますけど、今回も全然ありませんでした」
――最後に、映画の見どころを教えてください。
「物語に出てくる人形はCGとかではなくて、手先足先や球体関節まで、人間に特殊メイクを施しているので、現場で見たときに、本当にビックリしました。ぜひ、人形のメイクや動きに注目して観てください!」
Photo:Arata Kato
スタイリスト:カトウ リサ(CUBE)
Risa Kato(CUBE)
ヘアメイク:George
©2015『劇場霊』製作委員会
出演:島崎遥香、足立梨花、高田里穂、町田啓太
中村育二、小市慢太郎、小久保寿人、芹沢礼多、土村 芳、広岡由里子、ヨシダ朝、瀬川 亮、柳 憂怜、諏訪太郎、護あさな
監督:中田秀夫
企画:秋元 康
脚本:加藤淳也、三宅隆太
配給:松竹
公式サイト://gekijourei.jp/
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©日活 チャンネルNECO
©2013「クロユリ団地」製作委員会