ヴァイッド・ハリルホジッチ J:COMスペシャルフォト・インタビュー

ヨーロッパのサッカー最強国を決める4年に1度の戦い「UEFA EURO 2016™」が開幕。今大会から出場国が16カ国から24カ国に増えて、大会史上最大の規模の戦いが繰り広げられる。その大会の魅力を伝えるために、かつて選手としてEUROに出場したヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督が、UEFA EURO 2016™ WOWOWアンバサダーに就任。ゲスト解説の佐々木則夫、北澤豪も集い行われた記者会見で、ハリルホジッチが熱く語り始めた。

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私もいちサッカーファンとして、早く開幕戦を迎えたいです

――UEFA EURO 2016™ WOWOWアンバサダーに就任した今のお気持ちは?

「UEFA EURO 2016™ WOWOWアンバサダーに選ばれて、大変嬉しく思います。いい仕事をしたいと思いますので、ぜひ期待していてください」

――ハリルホジッチ監督は、’76年のEUROに出場されていますが、EUROとはどんな大会でしたか?

「40年前とはいえ、まだ記憶が新しいです。旧ユーゴスラビアで開催され、ベスト4の4つのチームは、オランダ、ドイツ、チェコ、そして私のチームの旧ユーゴスラビア代表です。私は23歳で初めて代表に選ばれ、大会は24歳の時でした。みなさん、ご存知ないかもしれないですが、当時の旧ユーゴスラビアはヨーロッパの強豪でありました。ですから、スタメン争いは大変でした。残念ながら、優勝はできませんでしたが、とてもいい思い出になっています」

――EUROは4年に1度の開催です。選手にとって4年は、長く感じるのか、短く感じるのか、どちらでしょうか?

「4年に1度というと、大きな大会ということです。それぞれの選手はリーグで忙しいと思いますが、ワールドカップとEUROになると、疲れを忘れてモチベーションは高くなります。逆に4年に1度だからこそ、EUROがない時に、またワールドカップがない時に力を蓄えて、EUROの時に力が出せると思います。WOWOWのキャッチコピー(「4年に1度のサッカーの祭典」)にもありますが、ヨーロッパ最高のサッカーの祭典になると思います」

――EUROのレベルはワールドカップを凌ぐとも言われています。

「あまりワールドカップと比較できないと思います。ワールドカップはご存知の通り、南米のチーム、アフリカのチームが入るので、やるサッカーの内容が違ってきます。もちろん、アジアのチームも違うサッカーをワールドカップにもたらします。今回のEUROは、名前の通り、ヨーロッパのチームだけです。サッカー発祥の地であるヨーロッパだけに、まず見ているファンの目が肥えています。今回は本当に予測できないくらい、(優勝争いが)オープンな大会になりますから、絶対にいい大会が期待できると思います。私もいちサッカーファンとして、早く開幕戦を迎えたいです」

――EUROでは、やはり国の歴史、民族の誇りも背負って戦っているのですか?

「そうですね。ダービーマッチ(さまざまな理由でライバル関係が構築されている試合)ばかりですね。サッカーの枠を超えるような歴史や政治的な関係もあります。特にイングランドとドイツは、歴史を遡っても常に戦っていた国同士です。ワールドカップは世界を相手にしますが、EUROは本当にヨーロッパの代表同士が、お互いの意地をかけて戦うので、また視点が違うと思います」

――日本の選手はヨーロッパのリーグでのプレーを目指しますが、それをどう思いますか?

「ヨーロッパの主要リーグは、世界一と言っても過言ではありません。世界のベストチームが集まっているリーグ、世界中のトップ選手が戦っているわけですから、日本の選手が憧れるのはよくわかります。あとは、この話をするのはタブーではないと思うのでしますが、プロの選手としてお金を稼ぐという野望という点でも、ヨーロッパでプレーするのは一つの目標だと思います。ヨーロッパで活躍すれば、日本だけでなく世界中のサッカーファンが注目しますから、日本人選手がヨーロッパで活躍することによって世界的なスターになる。そういう可能性があると思います。今、全ヨーロッパのサッカーファンが本田圭佑も香川真司も知っていますね。残念ながら日本を出ないかぎり、日本代表になったとしても、ヨーロッパのサッカーファンの目にとまることはないでしょう。極めて難しく、必ずしも成功はしないのですが、どの日本のサッカー選手にもヨーロッパでやる心の準備、プロ意識を持ってほしい。若い時から、そこでやるというシミュレーションをしてほしいですね」

――今大会の注目のグループはどこですか?

「(紙を取り出して)グループD(スペイン、チェコ、トルコ、クロアチア)、そして、グループE(ベルギー、イタリア、アイルランド、スウェーデン)、が接戦になると思います。これは大会の日程表です。ちゃんと準備しましたよ(笑)。すべての試合が面白いのですが、特にグループDとグループEは、面白いのではないのかなと思います。ただし、強調したいのはEUROになると、簡単な試合は存在しません。ワールドカップのブラジル大会は、イタリアもスペインもイングランドもグループリーグ敗退ということだけに、全世界でレベルが上がっていますね。挑戦するチームはすべてモチベーションが高い。だから、大会の本命はどこだと言われたら、正直、今はわからないです」

――注目の選手を教えてください。

「今大会は若手の大会になるかもしれません。各国のリーグとUEFAチャンピオンズリーグの過密日程で、必ずしもスター選手が活躍するのではなく、予想外の選手が活躍する可能性があります。体力的に余裕があるというのは、大事になります。ビッグチームは夏になると疲れてしまう。ですから、ターンオーバーをさせて、私たちも予測できないスタメンになるかもしれません。監督として言いたいのは、大会の入り方、どこにピークを持ってくるかも大事です。メディカルスタッフは頭を悩ませていると思います。それでは注目選手を発表したいと思いますが、少し多めに言わせていただきたい。私ならではの注目選手なんですが、フランス代表は、マーシャル(FW/マンチェスター・ユナイテッド)に注目しています。岡崎慎司のチームメイトである守備的MFのカンテ(レスター)は素晴らしい選手です。そして、コマン(FW/バイエルン・ミュンヘン)は、今後伸びるでしょう。
イングランドはもしかしたら若手を中心にメンバーを組むかもしれません。ケイン(FW/トットナム)、岡崎のチームメイトのヴァーディ(FW/レスター)。そして、スピードのあるスターリング(FW、MF/マンチェスター・シティー)とスタリッジ(FW/リバプール)の2人のウイングです。言っておきたいのは、ルーニー(FW/マンチェスター・ユナイテッド)は出番がないかもしれないです。私が(イングランドの)監督でしたら外しますね。先に挙げた4人を最初から出しますね。
強豪国でファンが多いのでガッカリさせたくないですが、私はドイツ、イタリア、スペインはあまり活躍できないと見ています。ドイツは世代交代が進まず、もうちょっと時間がかかるでしょう。スペインも同じ状況です。イタリアは、近年活躍できていません。イタリアで可能性を感じるのは、ベラッティ(MF/パリ・サンジェルマン)ですね。
次はもう少し小さいチームの、みなさんが知らない選手を挙げたいと思います。ベルギーは、FIFAランキング2位ですから、小さいチームとは言えないですけど、知らない方も多いので、ここで言わせてください。ルカク(FW/エバートン)、アザール(MF/ボルシアMG)の世代が素晴らしいから、ここで優勝しておきたいと思っているはずです。また、開催国フランスの隣の国ですから、12人目の選手であるサポーターがたくさんやってくると思います。
そして、クロアチアです。何気なく、素晴らしいチームでプレーしている選手が多くいます。モドリッチ(MF/レアル・マドリード)、マンジュキッチ(FW/ユベントス)もそうですが、私が挙げたいのは長友佑都のチームメイトのブロゾビッチ(MF/インテル)とペリシッチ(MF/インテル)です。この2人は絶対に覚えてください。
そのほかにもポーランドのレバンドフスキ(FW/バイエルン・ミュンヘン)、オーストリアのアラバ(MF/バイエルン・ミュンヘン)。ウェールズのベイル(MF/レアル・マドリード)は、自身だけでなくウェールズとしてもEURO初出場ですからモチベーションは高いでしょう。最後にスウェーデンのイブラヒモビッチ(FW/パリ・サンジェルマン)ですね。彼は私の国ボスニア・ヘルツェゴビナにルーツ(ボスニア・ヘルツェゴビナ出身の父と、クロアチア出身の母が移住先のスウェーデンで結婚し生まれる)があり、もう34歳なのでおそらく最後の国際大会になります。注目してください」

――あえて注目選手を1人挙げるとすると誰になりますか?

「ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウド(FW/レアル・マドリード)、ルーニーではなく、みなさんがあまり知らない選手の話をしたかったんです。ロナウドやルーニー、南米の選手ですがアルゼンチンのメッシ(FW/バルセロナ)の次のスターが、このヨーロッパの大会で頭角を現すのではないかと思います。そういう知られていない選手、魅力的選手がたくさんでてきてほしいです。ですから、1人を選ぶのは難しいです」

――優勝国を予想するなら、どこだと思いますか?

「だいたい私の予想は当たらないですが、母国開催のフランスは本命ではないでしょうか。そして、次にベルギーかイングランド、そして台風の目はクロアチア。今大会のサプライズ要素だと思います」

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日本代表は大変なアジア最終予選がありますが、野望を持って戦いたいと思います

――日本のファンは、EUROのどういうところを見ると楽しめると思いますか?

「繰り返しになりますが、今年は特に最高のEUROになると思うので、まずは見てほしいです。ヨーロッパを代表するサッカー強豪国はほとんど全部出ています。もちろん、注目する選手はたくさんいます。そして、ヨーロッパの最新トレンドが読めるのではないかと思います。そこから日本のサッカーがどういう方向に進めばいいのかのヒントもあると思います。そのほかにも会場の雰囲気や試合そのものの緊迫感、全部を楽しんでほしいです。ヨーロッパとはいえ、それぞれの代表のサッカースタイルは異なるので、好きなサッカースタイルを自身で選んで、応援したいチームを応援していただければと思います」

――もし監督が日本代表を率いてEUROに出場したら、どのくらいの成績を収めると思いますか?

「日本代表の選手、あるいは日本がEUROに参加したらどれだけ活躍できるかという質問は、本当に難しいです。私は日本代表の監督として、もし出場すれば日本代表の相手になる国のスカウティングをしっかりしたいと思います。EUROには、次のワールドカップの相手が必ずいます。私も指導者として、EUROの最先端のサッカースタイルや戦術、技術を参考にしたいと思います」

――EUROから日本代表に戦術が取り入れられていくのでしょうか?

「戦術については、どこかの代表を真似することはないと思います。例えば、私は試合の相手によって戦術を変えます。戦術は、その国のアイデンティティーという話がありますが、私は選手に合わせて戦術を立てる方なので、日本はこういう戦術という考えはありません。選手に合わせています。質問は理解しているつもりなんですが、今のサッカー、あるいはスペインのサッカーはこうだから、ちょっと取り入れようという考えはしません。その時に、あくまでフランスの今のサッカーはどうなっている、スペインの今の戦術はどうなっている、敵になった場合の力関係や対策として見ます。日本の選手にしかできないサッカー、日本代表にしかできないサッカーがあります。そこは特に他の国の影響を受けなくてもいいと思います」

――代表選手には、EUROを見るように伝えますか?

「サッカーが好きだったら、EUROを見ないといけないです。世界最高のサッカーが行われているわけですから、見ないはずがない。ですから、話をする必要はないと思います。自ら見てほしい。もちろん、夜中の2時、3時の試合というのは、プロの選手にとっては、スケジューリングが難しいと思いますが、私は土曜日の夜も、日曜日の夜もずっと寝ずに欧州サッカーを見ています。UEFAチャンピオンズリーグは平日の夜中に起きてみます。昨日(4月27日)のアトレティコ・マドリードとバイエルン・ミュンヘンの試合は見られなかったのですが、帰ってから見ます。先ほどの話になりますが、あえて言えば、アトレティコ・マドリードの戦い方に、少しヒントがあるかもしれません。アトレティコ・マドリードのUEFAチャンピオンズリーグでの最近の2試合(準々決勝の第2戦、準決勝の第1戦)では、(準々決勝の相手)バルセロナと(準決勝の相手)バイエルン・ミュンヘンが、1点も取っていないのが驚きです。世界最高峰の攻撃サッカーをやっている2チームが点を取れないのですから、アトレティコ・マドリードの守備システムは見てみたいです。とりわけ、守備のポジショニングとゾーンプレスのかけ方に、すごく興味があります」

――最後にEUROを楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします。

「せっかくメディアの方が集まってくださったので、日本代表の話もしてもいいですか?日本代表は、これからとても大変なアジア最終予選があります。大変な予選にはなりますが、野望を持って戦いたいと思います。そして、切り替えてEUROの話ですが、日本のスポーツファン、サッカーファン、みんな本当にEUROを見てほしいです。最高のサッカーの祭典であり、サッカーファンに限らず、サッカー関係者でしたら、頑張って夜中起きてEUROを見ないといけない。サッカー人であれば、義務だと思います」

※ 内容は会見当日4/28現在のものです。

Photo=蓮尾美智子
Text=山木敦

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UEFA EURO 2016™ サッカー欧州選手権<WOWOW>6/10~7/10 WOWOWで全51試合生中継!

INTRODUCTION
UEFA EURO 2016™ サッカー欧州選手権

「UEFA EURO 2016™ サッカー欧州選手権」ベイル(ウェールズ代表)、ノイアー(ドイツ代表) 写真:ロイター/アフロ、C・ロナウド(ポルトガル代表)、イブラヒモヴィッチ(スウェーデン代表)、アザール(ベルギー代表)、イニエスタ(スペイン代表) 写真:アフロ、ポグバ(フランス代表) Getty Images

4年に1度、波乱と革命の31日。

欧州No.1を決めるサッカーの祭典、UEFA EURO 2016™ サッカー欧州選手権が2016年6月10日に幕を上げます。 フランスでの開催となる今大会は、参加国が8か国増え過去最多の24か国が出場。WOWOWでは、開幕戦から決勝まで全51試合を生中継でお届けします。

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