8・21広島×巨人応援企画

8月21日(金)にマツダスタジアムで行われる
広島東洋カープ対読売ジャイアンツの公式戦を、
J:COMで独占生中継!
放送を記念し、プロ野球に熱い思いを抱く
著名人のインタビューをお届けします。
野球中継の楽しみ方から、チームの注目ポイントまで、
プロ野球を愛する人々ならではの目線で迫る!

徳井義実(とくいよしみ)/’75年4月16日、京都府出身。98年に幼稚園の頃から同級生で幼馴染みだった福田充徳とお笑いコンビ・チュートリアルを結成し、ボケを担当。06年にはM-1グランプリで優勝。現在、「人生が変わる1分間の深イイ話」や「しゃべくり007」(共に日テレ系)など、レギュラー多数。

――京都出身の徳井さんが、カープファンになったきっかけは?

「9歳の頃からプロ野球を観始めたんですけど、その時にどこかの球団を応援しようと考えて。ウチの親父が、めちゃくちゃアンチ巨人だったんですよ。もう「巨人は悪だ」みたいな教育を受けていたので(笑)、まず巨人はないなと。そうなると土地柄的に阪神ということになるんでしょうけど、周りにファンがたくさんいて。それはそれで、変に天邪鬼な気持ちが出てきて、阪神も嫌だなと。
そんなことを思っていたら、投手王国で渋い野球をやっているカープが気になってきたんです。ちょうど優勝した時期と重なってカープがいいなと。チームカラーの赤もかっこいいし。子どもの頃って足が速い選手が好きだったりするじゃないですか。そう言う意味では高橋慶彦、山崎隆造、正田耕三といった瞬足の選手が揃っていたカープは魅力的でしたね 」

――その当時、周りにカープファンはいたんですか?

「僕以外は、あと一人ぐらいしかいなかったんじゃないですかね。やっぱり、珍しかったですからカープファンは。何となく、半ば虐げられるような感じでファンを続けていた気がします。でも、単純に当時は強かったですからね。人気はなくて地味だけど、強いチームという印象がありました」

――子どもの頃、好きだった選手は?

「僕は大野(豊)投手が好きでした。当時は、大野さんに対して“苦労人”というイメージもなく、バックボーンも何も知らなかったんですけど、とにかく投げる球がかっこよかったんです。矢のようなストレートと、グワッと曲がるカーブ。あれはすごかったですね」

――その頃、プロ野球中継は観ていましたか?

「観たかったんですけど、基本的に広島の試合は巨人戦と阪神戦ぐらいしか観られませんでしたから。『広島×中日』戦なんて、スポーツニュースで観るしかない(笑)」

――今は、CSなどでほぼ全カードが観られるようになりましたけど、徳井さん流の野球中継の楽しみ方はありますか?

「なんか“野球ファン”って言うと熱烈な、すごくマニアックな観戦の仕方をしていると思われがちなんですけど、僕は全然そういうタイプじゃないんです。ただただ、普通に野球を楽しみながら観ているだけ。野球好きが集まると、よく『誰々のあの時のプレーが』とか『あの選手は背番号が何番で、高校はどこで』とか話をしているイメージがあって、 そういうことを知っているのが当たり前だと思われたりするんですよ。だから『そんなん知らんよ』って言うと、ファンじゃないような言われ方をしたりして。なんかね、そういうノリがすごく嫌なんです(笑)。シンプルに試合を楽しむだけでええやんって。ビールを飲みながらゆっくり観るのが一番だと思います」

――野球ファンの中には贔屓のチームが負けると機嫌が悪くなる人もいますが。

「いますよね。そういう人はアホやなぁと思っています(笑)。楽しんで観ているはずなのに、勝ち負けで機嫌が悪くなってしまってどうすんねんって。他に打ち込むものがないんかなと思ってしまいます。そりゃぁ、カープが勝つに越したことはないですけど、負けたら負けたで仕方がないなと。
ずっと弱かった時代も知っていますから、それはそれでいいんじゃないって。お金を使ってどんどんいい選手を集めるようなことをされると気持ちが離れてしまうかもしれないけど、カープは地味にやっていますから。そういうところが好きなわけだし、たとえ弱かったとしても愛着があります」

――今回の「広島×巨人」戦は、CMが全く入らない完全中継が見どころの一つなんですけど、徳井さんの注目ポイントは?

「先日、仕事で『カープ女子』の子たちと話をする機会があったんですよ。その時に、彼女たちは僕らと観ているところが違うなと感じたんです。ベンチで誰と誰が仲良さそうだということに興味があったり、ボール回しの時の仕草がかわいいとか。注目するポイントが面白いんですよね。だから、ベンチの様子が映ると女性ファンはうれしいかもしれませんね。選手たちの意外な関係が観られるかもしれないし。
僕は、選手とコーチのやりとりに注目したいですね。投げ終わったピッチャーがコーチの話を聞いている時の態度って人それぞれなんですよ。投げた後だから疲れているのは分かっているけど、妙に態度が大きかったり、コーチのほうを全く見ていなかったり。『アイツ、まだ若いのにあんな態度取って大丈夫んなんか?』って思いながら観ていると、選手たちの性格が分かったりするんですよ。そういう普段なかなか映らないような態度や表情が楽しめたらいいなと思います」

――いちカープファンとして「カープ女子」たちの存在はいかがですか?

「すごくいいことですよね。そういう女性がどんどん増えていくことで『野球って楽しいんや』とか『ルールが分からなくても大丈夫なんや』という空気になって、野球に対するイメージというか、興味を持ってもらえたらうれしいです。女性が多くなると、スタンド全体が明るくなるし、単純に男たちもテンションが上がる(笑)。活気が出ていいですよね」

――ユニフォームを着ながら応援している女性も多いですよね。

「あれは、いい。すごくいい(笑)。特にカープはチームカラーが『赤』ということもあって、女性が着ているとすごくかわいいんですよ。そそられますね(笑)」

――中継の舞台となるマツダスタジアムの印象は?

「そんなにしょっちゅう行っているわけではないですけど、もちろん何回かは足を運んでいます。始球式で投げさせていただいたこともありますしね。“ボールパーク”という言葉がありますけど、まさにそれがぴったりくる球場だと思います。野球を観るだけではなく、遊びに行くという感覚にもなる楽しいところ。
休みの日のデーゲームなんていいですよね。ドーム球場ではないから開放感がたまらない! 個人的には屋根がない球場が好きなんですよ。天気に左右されるリスクはあるけど、屋外で観る野球は最高です」

――中継の解説者は江夏豊さんと元木大介さん。広島OBと巨人OBが顔を揃えましたけど、お二人の印象は?

「正直なところ、現役時代の江夏さんの印象はないんですよ。江夏さんが他の球団に行った後のカープファンなので。もちろん、昔の映像などを観ているのですごいピッチャーだということは知っています。僕は江夏さんが書かれる野球の記事が大好きなんですよ。本質を突いてくるというか、上辺だけで書いたりしないじゃないですか。他の人が書くと当たり障りのないものになってしまうようなテーマも江夏さんらしい独自の視点で捉えていらっしゃるので面白いんですよね。
元木さんは…、現役を引退されてからバラエティ番組でご一緒する機会が多かったものですから、そっちの印象のほうが強い(笑)。ただ、解説ということになると、野球についてよく知っているのはもちろんだし、芸能のお仕事もされているので盛り上げ方が上手い。サービス精神旺盛だから、野球界の裏話とかをいろいろ話してくださるので聞いていて楽しいですよね。高校時代はスーパースターでしたし、相当やんちゃだったと思うんですよ。そんな選手が巨人に入って、いろいろ苦労している姿も見てきたので、どこかドラマを感じる方ですよね」

――徳井さんの中で印象に残っている「広島×巨人」戦はありますか?

「う~ん、この試合というよりは、80年代後半の『広島×巨人』戦って、1点差の試合が多かったイメージなんですよ。1対0とか、2対1とか、とにかくその接戦ぶりが面白かったですね。巨人は斎藤雅樹、槙原寛己、桑田真澄。広島には、大野豊、川口和久、北別府学、長冨浩志 津田恒美がいましたから。常にヒリヒリするような投手戦でしたよね」

――プロ野球もオールスター戦が終わり、後半戦に突入しました。今シーズンのカープの戦いぶりはいかがですか?

「前半戦は悪かったですよね。また、今年もダメかと。メジャーから黒田(博樹)選手が帰ってきて『カープ女子』がクローズアップされたりもしたので、今年はいけるかなと思っていましたけど、ちょっと浮き足立っていたのかなって(笑)。
実はシーズン前に順位予想する機会があって、もちろんカープが優勝すると言ってはいたんですけど、それまでの流れを自分なりに考えていたんです。最初は投打が噛み合わなくて上手く行かないだろうけど、オールスター明けぐらいからようやくチーム状態も良くなってきて、そこから一気に逆転していくだろうと。今は、何となくそういう感じになってきてるような気がするので期待してもいいんじゃないですかね。
もともと、完成されているチームではないですし、若手選手が多い分、彼らがどんな活躍をするのかで大きく変わってくる。ある程度、成績を残してもらわないといけないし、ラッキーボーイ的存在も要。もちろん、外国人選手には期待通りの働きをしてほしい…。いろいろな条件が揃わないと厳しいですけど、上手く歯車があってくれたら優勝できるんじゃないかなと思っています」

――黒田(博樹)選手、新井(貴浩)選手の復帰は大きいですよね。

「黒田さんは年齢が僕より一つ上なんですけど、今年のキャンプでお会いした時にすごく存在感がある方だなと思いました。どっしりしていたし、メジャーで戦ってきた男の強さのようなものを感じましたね。
新井選手の復帰に関してはうれしさがありつつも、代打要員として起用するつもりなら若手にチャンスを与えたほうがいいんじゃないかなと思ったりもしました。でも、いい意味で裏切ってくれたというか、ここまでしっかりと成績を残すなんて、やっぱりさすがですよね。これは、もう新井さんの意地なんでしょうね。その思いがいい方向に出ているような気がします。後半戦も頑張ってほしいですね」

――新井選手の活躍も期待されるところですが、今回の試合中継では、試合で最初にヒットを打つのは誰かを当てるクイズ企画もあるんですけど、徳井さんの予想は?

「う~ん(長考)。思い切って、広島・丸(佳浩)選手の先頭打者ホームランに期待したいです!」

――では、最後にメッセージをお願いします。

「今年、広島が優勝するならば、巨人と争いながら最後に勝ってペナントを制する形が一番いいと思っています。過去のクライマックスシリーズではコテンパンにやられていますから。巨人に勝って優勝しないと意味がない。8月に中継されるこの『広島×巨人』戦がセリーグの優勝争いを占うようなカードになっていたらいいですね。面白くて熱い試合を楽しみたいと思います」

撮影:松本健太郎
取材・文:小池貴之

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