必要ないんじゃないかな。ジェーンにとっての終結は、もっと気持ちの上で過去にさかのぼることだと思うんだ。つまり、もっとおだやかな状態になることじゃないかと。ジェーンは最初からおだやかだったけれど、破壊的なキャラクターだった。何かをやらなきゃいけないともがいて、レッド・ジョンを捕まえたいという願望のままに行動した結果、どうなったか――。自分の目標を見失った時、行き詰って自分の存在意義を考えたんだ。人生の意義を失う危機を経験したジェーンだったけれど、やがて自分にとって一番重要なのは、リズボンとの関係に踏み込むことだと気付くようになる。そうやって、ジェーンの意識を前向きでポジティブな方向へ軌道修正しているんだ。彼は自分で重荷を背負い込んでいたけれど、リズボンとの関係はうまくいっていたことで彼の中ではバランスが取れていた。だから、エンディングでは彼が幸せになってもいい事実を受け入れて、自分の幸せが何なのかを考えることになるんだ。

2人の強みは複雑な事態を共に経験してきたことかな。弱みは2人とも自分の面倒しか見てこなかったから、かなり独立心が強いこと。ひとりで過ごす時間が多いほど、他人の感情を自分より優先させることは難しいものだからね。一緒に過ごしていて楽しいし、お互いに自然体でいられるのはいいことだけれど、問題は2人の関係が仕事上の関係の上に成り立っていたことなんだ。(場面替わり)お互いを好きで理解し合ってる一方で、2人は仕事の中でだけ関係を育んできた。だから、カップルとなった2人の関係が仕事上よりも大きくなった時に、仕事が何らかの影響を与えることになるんだ。これまでは2人を同僚としてしか見てなかったから、今シーズンの最初の数エピソードで2人のプライベートなシーンが登場するのがちょっとおもしろいね。なんというか、すごく人間的で幸せそうなんだ。CBIやFBIとして事件の解決に奮闘する姿ではない2人が見られるよ。

テレビのドラマというのは、シリーズが続く場合はストーリーを継続させなきゃいけないんだ。主要なキャラクターを確立できていて、視聴者が楽しんでくれているのであればね。でも一方で、常に新しい状況を考えている。新しいメンバーが加わることで雰囲気が変えられるんだ。テレビの刑事ドラマとして7年間、同じようなエピソードにならないように作品を作り続けてきたし、さらにキャラクターにも進化を加えてきたんだ。ジェーン、リズボン、チョウ、リグスビー、ヴァンペルト、アボットも含めて、すべてのキャラクターを発展させてきた。だから、今シーズンは新しいキャラクターを加えて、雰囲気を見直す必要があったんだ。

ファイナル・シーズンの展開にはすごく満足しているんだ。13エピソードしかないけれど、どのエピソードもあることに向かって進んでいく。よく考えられたストーリーになっていて、ジェーンとリズボンの関係にすごく直接的に結びついてくるんだ。だから、最終話はそれにふさわしい満足のいくような望ましい結末を迎えることになると思うよ(笑)。