長谷川京子 J:COMスペシャルフォト・インタビュー

Fri, 27 Oct 2017 15:00:00 +0900
“長谷川京子が離島で育った美花であり女優の篠浦未喜役を熱演
img/bg_photo_01.jpg
取材・文:長尾泰
Fri, 27 Oct 2017 15:00:00 +0900

徹底的に人間の闇を描いた三浦しをんの一作『光』を、『さよなら渓谷』などで知られる大森立嗣監督がメガホンを取り映画化。幼馴染の信之、輔、美花の3人は、ある離島で共に暮らしていた。25年前、天災により島のすべてが消えてしまい、それぞれ別の暮らしを送っていたが、彼らの犯した罪がひたひたと忍び寄ってくる――。“野生の人間”を描いた本作で、成長した美花であり、女優の篠浦未喜を熱演した長谷川京子に、話を聞いた。

オススメ番組

ピンポン

©2002「ピンポン」製作委員会

ピンポン

11月4日(土) 12:15~14:20 他

番組内容を確認する

オススメ番組

銀色のシーズン

©2008フジテレビジョン/ROBOT/東宝/電通

銀色のシーズン

11月15日(水) 19:00~21:00 他

番組内容を確認する

「悪女になることもできるし、男にとっての象徴的な女性になることもできる」

――今回の撮影はややタイトだったとお聞きしていますが、どれくらいの期間だったんでしょうか。

「3日間か4日間でした。順撮りだったので、私のクランクインの時にはもう私の役の幼少期の撮影は終わっていて、その映像を観ることができたので、作品の温度などは多少なりとも感じられて撮影に入れたので良かったです。子供たちの演技が思っていた以上に湿度のある良い演技だったので…。紅甘ちゃんの何とも言えない、ティーンの時代ならではの心と体の不協和音のような部分をとてもよく表現していて。思わずゾクゾクしましたし、手を伸ばしたくなるような色気がありましたね。自分の役を作るうえで、大きな柱になりました」

――今回の役については、どのように捉えていらっしゃいますか?

「脚本上では、どういう形にもとれるような書き方だったんですよ。悪女になることもできるし、男性にとっての象徴のような女性になることもできるような。なので、初日はどうしようかな…と思いながら入りました。でも、事前にカッチリと役を作ってしまうと戻せなくなってしまうな、と感じていたので、監督の言うとおりにしようと。ここは感情をいれて、ここはちょっと抑えめに、という微調整を監督にしてもらいました。そういう意味では、思ったよりも、その時の感情をそのままバッとぶつけられる役でした」

オススメ番組

過ちスクランブル

過ちスクランブル

11月19日(日) 23:30~0:00 他

番組内容を確認する

オススメ番組

後妻業の女

©2016「後妻業の女」製作委員会

後妻業の女

11月25日(土) 4:30~6:45

番組内容を確認する

「思い返してみると、このもやもや感が彼女だったんだと思います」

――なんだか大森監督のワークショップみたいな感じですね。

「本当にそうで、大森塾って感じ。初日は演技の先生みたいでした。言ってもらわないとわからないし、言ってもらえるありがたさがありました。やっぱり、作品によっては時間に追われてしまって、あんまり細かく演出してもらえなかったりすることもあるので。作品ってみんなで作るものだし、そういう意味では大森監督のことを信用して撮ることができたと思います。2日目、3日目になると、そこまで細かくしなくても撮影を進めることができましたけど。…でも、終わるまで彼女がどういう人間だったのかはわからないままでしたね」

――監督を信頼しつつも、なかなか掴みどころのない役だったんですね。

「撮影日も連続していなくて、数日くらい間が空いているんですが…なんだか掴めていない感じがずっとしていて。台本はいつも持ち歩いていたんですが、“あっ、こんな感じかも”と思って台本に目を通して、また何か違うかもと思ったりして…。そんなことを繰り返して、ずっと頭の中に彼女という存在がひっかかっていました。どうにでも解釈できるので、答えが出ないんです。でも、今思い返してみると、このもやもや感が美花だったのかな」

――心が定まらないことこそが、彼女の本質だったということでしょうか。

「やっぱり、片足を島に繋がれているような感覚なのかなと思っていて。その中で、自分のキャラクターを理解する前から、容姿とかいろいろな部分が突出していたことで、嫌な思いをたくさんしていたんだと思うんです。そういう時期を経て、悟った部分が彼女にはある。光なんかないと思っている自分と、もしかしたら光があるんじゃないかと思っている自分。きっと、両方とも彼女なんだと思います」

「新くんは独特の世界観があって、私自身も狂わされるんです」

――井浦新さんと一緒のシーンが多いですが、共演してみての印象は?

「順撮りだったこともあって、積み重ねてきた空気を監督やスタッフさんなどから感じて、それを活かしていかなければと思っていたんですね。それはもちろん、新くんからも感じ取ろうと思って撮影していたんですけど。新くんって、本当に独特の世界観がある方で。それがまた、役としても私自身としても、すごく狂わされるんですよ。セリフ来て…と思っているのに、来ない!?みたいな。その辺はカオスです(笑)。でも、それが信之なんですよね。何を考えているのかわからないけど、信之がいなくなると、自分自身もいなくなってしまうような感じなんだと思います」

――そこもどこか相反する感覚が同居しているんですね。だからこそ、観ている側は翻弄されてしまうような感覚になりました。

「役作りとして、ブレずにどっしりとするパターンにもできたんですけど、でも、私はそうじゃないほうがこの役は良いと思ったんです。だから、信之も、輔も、美花もみんな何だか心が動いているんですよね。私、もっとこの役で映画に出たかったんですよ(笑)。監督にも、もっと使ってくれていいのにって言っちゃいましたし、なんでもいろいろやりますよ!って言ってあったんですけど(笑)。短かったですけど、すごく充実していて楽しかったんですよね」

――大森塾がとても合っていたみたいですね(笑)。今回の役どころは長谷川さんにとっても大きな挑戦のように思えます。この役を経て、今後挑戦してみたい役などはありますか?

「そうですね…。今回の役もそういう部分がある役ですが…人間の深いところを掘り下げるような役はやってみたいとは思います。でも、そういう中でいろんな女性に共感してほしいとも思います。2人の子供もいるので、子供がいる役などで、心の深くまで描いていくような。そういう役をやった時に、私自身がどうなってしまうのかという不安もありますけど…。でも、心を深く抉りたいという願望はありますね。今回、現場の空気を読み取りながら演じていくような、即興劇のような感覚もあったんですよ。そういう経験を今後の役にも活かしていきたいと思います」

撮影:渡部孝弘
取材・文:宮崎新之
メイク:佐々木貞江/Sadae Sasaki
スタイリング:長澤実香(TOKYOEDGE.)/Mika Nagasawa

ページ上部に戻る ↑

映画「光」

放送日時 2017年11月25日(土)

新宿武蔵野館、有楽町スバル座ほか全国ロードショー

STORY

東京の離島、美浜島で暮らす中学生の信之と、美しい恋人の美花。そして、信之を慕う年下の輔は父親からはげしい虐待を受けていた。ある夏の日、美花が男に犯されているところを目撃した信之は、美花を救うために男を殺してしまう。その夜、天災が島を襲い、すべてを消滅させた。それから25年後、島を出てバラバラになった彼らのもとに過去の罪が迫ってくる―。妻子とともによき父として暮らす信之と、一切の過去を捨てて芸能界で貪欲に生き続ける美花。誰からも愛されずに育った輔が過去の秘密を携え、2人の前にやってくるのだった。

監督・脚本:大森立嗣
出演:井浦新、瑛太、長谷川京子、橋本マナミ
配給:ファントム・フィルム

番組ページはコチラ

J:COMからのオススメ番組

ピンポン

©2002「ピンポン」製作委員会

ピンポン

11月4日(土) 12:15~14:20 他

番組内容を確認する

銀色のシーズン

©2008フジテレビジョン/ROBOT/東宝/電通

銀色のシーズン

11月15日(水) 19:00~21:00 他

番組内容を確認する

過ちスクランブル

過ちスクランブル

11月19日(日) 23:30~0:00 他

番組内容を確認する

後妻業の女

©2016「後妻業の女」製作委員会

後妻業の女

11月25日(土) 4:30~6:45

番組内容を確認する

J:COMへのお申し込み

J:COM

Copyright (c) JCOM Co., Ltd. All Rights Reserved.
ケーブルインターネットZAQのキャラクター「ざっくぅ」