真壁刀義 J:COMスペシャルフォト・インタビュー

Wed, 22 Nov 2017 15:00:00 +0900
真壁刀義がリーグに臨むその胸中やプロレスへの想いなど、たっぷりと語る。
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取材・文:宮崎新之
Wed, 22 Nov 2017 15:00:00 +0900

最高のプロレスを味わえ!俺が言いたいのは、それだけだね

毎年恒例の新日本プロレス主催「WORLD TAG LEAGE 2017」が11/18に開幕。現在、真壁刀義は本間朋晃とのタッグで2連覇を果たしているが、本間がケガのため欠場中のため、ヘナーレと組んでの出場となった。大会を目前に控えた真壁に、リーグに臨むその胸中やプロレスへの想いなど、たっぷりと語ってもらった。

「ふざけんなと思った あの頃の俺と今のヘナーレが重なる部分があるんだよ」

―今年も「WORLD TAG LEAGUE 2017」への参戦が決まりましたね。本間選手のケガにより、タッグパートナーはヘナーレ選手となりますが、まずは、参戦への意気込みをお聞かせください。

「意気込みも何もさ、本間が欠場なワケで。ほんと使えねェなって(笑)。でもまぁ、実際のところアレだけの試合をやって、大ケガだけれども、踏みとどまってくれて良かったと思ってるよ。ケガはあることだから、しょうがない。誰を責めるわけでなく、あれ位で済んで良かったんだよ。それに、誰よりも本間が出たいはずなんだ。でさ、素直に俺も欠場しようと思ってたんだ。今年は諦めていた。そしたらヘナーレから電話がかかってきてさ」

――ヘナーレ選手からの直接志願で、タッグを組むことになったんですよね。

「俺の20周年記念を2月にやったときに、あの野郎はアキレス腱を切っちゃって。とんだバカ野郎でさ、他にアキレス腱を切ったことあるやつ…って考えたら、俺なんだよ(笑)。俺も、ここだっていう時にアキレス腱を切っていて。周りのライバルに置いて行かれて、ふざけんなと思った時期があった。自分自身、曲がりかけたというか…曲がったんだよ。その部分と、今のヘナーレが重なる部分もあるんだよな」

――なるほど。そのヘナーレ選手の意気込みを汲んだわけですね。

「いや、最初はバカ野郎だと思いましたよ(笑)。でも、その意気込みを衝動に変えさせるのも俺の腕次第なんで。アイツ自身が、もう一度はじけたいという気持ちを持っていたから、心を決めた部分があったね。あと、もう一つ。“確認しとくけどな、俺は優勝狙いに行くからな”ということ。ヘナーレからしたら、雲の上のような存在の奴らばっかりを相手にする訳だから、その中で飲まれちまうんじゃねーぞ、とね。俺は3連覇かかってるから、覚悟は決まってんのか?と聞いたらYesと答えたんでね」

――ヘナーレ選手とのタッグではどんなふうに戦おうか、何かビジョンは浮かんでいますか?

「俺一人で戦うことはいくらでもできるけど、やっぱりタッグマッチなんで。どこの馬の骨かわかんない奴らが相手でも2対1はキツい。そういう部分で、ヘナーレがどこまでフォローできるのか…ってなると思うんだけど。でも戦法はそれじゃダメなんだよ。とにかくヘナーレが暴れ馬みたいに暴れて、掻き回さないと。その上で俺が追い打ちをかけるだけ。イキのいいアイツをどこまで相手にぶつけられるかだね。キャリアも実績も格段に違うから、そんな奴がいきなり上がって倒すなんて無理なんだよ。番狂わせをどこまで起こせるかが、プロレスラーの意地と心意気だからな」

「これで3連覇獲ったら、スゲーカッコいい。それが俺の原動力だよ」

――正直、ヘナーレ選手とタッグを組んで出ると聞いたときは驚きました。

「基本的に、昔からワケわかんないことやるのが好きなんだよ(笑)。でも、これで3連覇取ったら、俺、スゲーカッコいいっしょ? 俺の衝動の原点ってソコだから」

――確かに、スゲーカッコいいですね! プロレス好きの女子もどんどん増えてますし、プ女子がみんなキュンキュン来てしまうと思います。

「そうそう、みんな俺にキュンキュンで…バカヤロー、ラブレターとか来まくったらどうすんだよ。来たことねーわ(笑)。俺も誰かと結婚とかしたいんだけどさ」

――気になるお相手なんかはいないんですか?

「全然いないね。それが問題だよな(笑)。薄々、みんな思ってるよね。ヤバいんじゃないかって。縦の関係が強いからみんな口にはしないけどさ。今回で、そういうのも全部覆したいね。まさかの3連覇をやって、ミス・ユニバースとかの美女とかを連れてさ。俺、夢叶えてんなーって感じするじゃん。そういうの」

――確かに、夢が膨らみますね。片手には美女で、片手にはスイーツで(笑)。真壁さんと言えばスイーツ好きですが、スイーツ好きな女子とプロレス好きな女子なら、どちらの女性がお好みですか?

「すごい難しい質問してくるね(笑)。でも、プロレス好きの女子なら、俺らの生態も分かってるわけじゃない。スイーツ好きの女子だと、そこから説明していかないといけない。そうなると、俺の荒いところとかも全部出さないといけなくなるし、面倒なんだよ。1秒でも早く彼女を作りたいんで(笑)。だからプロレス好きかな」

――実際のところ、女性からのアプローチとかあるんじゃないですか?

「そうそう、道端を歩いてても女の子から“真壁さんゴハン行きましょう~”…って、声かからねーわ。怖えーだろ。もし、声をかけられても、断るわ(笑)」

――意外と奥手なんですか?

「奥手か奥手じゃないかで言ったら、奥手だよね(笑)。女の子と2人きりになると緊張するから。それは本当。この20年、男ばっかのところにいたからね。もちろん、女の子と接する機会もいっぱいあるんだけど、いざ好みの子を前にすると…“ふーん、そうなんだ”みたいな、そっけない感じになってさ(笑)。構えちゃう」

――じゃ、意外と女性からグイグイ来てくれるほうがいいかも知れない?

「そうかもしれないけど、実際は“いやいや…”ってなるかな(笑)。でもそこを超えてまで来られると、“ハート強いね、いいね!”ってなるかもな。それくらいの女性には会いたいね。俺も、ドライブとかデートもしたいし、明かりのついた家に帰りたいからね(笑)」

「ブレてる奴は自然淘汰されていく、それがプロレス。」

――すっかり、スイーツ真壁として、テレビでもお馴染みになりました。そこからプロレスファンになった人も少なくないようです。

「俺のことを、プロレスラーとしてじゃなくスイーツの人として知った人も多いんだよ。この間、会ったファンの人はスイーツ真壁をきっかけにプロレスにも興味を持ってくれた。でも、俺は、それでいいんだよね。俺を入口にプロレスを観て、好きなプロレスラーを見つけてもらえれば。いろんなカッコいいプロレスラーがいるからさ。どんなプロレスラーも、負けたくねぇから立ち上がる。それを観て、何かを感じて、俺も私も頑張ろうと思ってもらえたら、それでいいんだよ。ってか、俺を好きになってプロレスを観たなら、ずっと俺のファンでいいよな(笑)」

――そうですよね(笑)。そんな真壁さんもプロレスラーとして20周年を迎えました。

「学生プロレスをやっていた時は、ある意味プロレスラーの真似事だから。プロレスという職業を面白おかしく伝えたかった。それで笑ったり、応援してもらったりしてもらえれば良かった。それで実際にプロレスラーになったら…まぁ地獄でしたね。キツいなんてもんじゃない。みんなプロレス観なくなっちゃうと思うくらい(笑)。アマレスとか柔道とか、いろんな奴らが…国の代表になった奴ですら、逃げ出すような練習量ですから」

――それほどまでにキツいものなんですね…。その経験が今の自分を支えているような印象はありますか?

「そういう世界でやってきたので、志も強いものがあるよ。1日目でこの先輩ブッ飛ばしてやろう、3日目でも、1週間目でもブッ飛ばしてやろう、1ヵ月経っても同じことを思っていて(笑)。それが3ヵ月、半年、1年とだんだん伸びていくんだよね。頑張らなきゃ、踏ん張らなきゃとやってきたから。まぁ、恨みだよな(笑)」

――恨みですか(笑)。

「そうだね(笑)。でもね、愛情があった先輩ってのは、やっぱり今も残っている人なんだよ。気まぐれやガス抜きみたいな個人の利益だけでキツく当たってた人なんて、居なくなる。不思議なもので、本当の意味で選ばれた人しか残らないんだよ。日々鍛錬で、何も考える時間なんてないからね。それ以外のことでブレると、自然に自分から居なくなる。自然淘汰される。潰れるやつのほうが遥かに多い。もちろん、潰れずにやっている奴らもいるけど、ほぼ居ないですね」

――やはりブレずに続けられている、ある意味で純粋な人しか、プロレスラーとして生き残っていけないんですね。今回のタッグマッチでは、ヘナーレ選手とともに“生き残ってきた”プロレスラーたちと戦っていくことになります。12/9愛媛・今治大会はJ:COMで独占生中継を行いますが、この日の対戦相手である北村克也選手&デヴィッド・フィンレー選手の印象はいかがでしょう?

「フィンレーはもともとサラブレッド。父親がスーパースターで、粗削りだけど最初から動きが機敏。ちょっと生意気なんだよ(笑)。でもだんだんと粗いのが削られていって、輝き始めている。来てるね。ポテンシャルがあるよ。北村もそう。北村は最初、脳みそまで筋肉の、単なる筋肉バカだなと思ってたんだけど(笑)。でも、ハイレベルな試合をこなしていくうちに、こう攻めれば勝ちに行けるっという自分なりの感覚を得てきている。だからものすごくナチュラルに戦えるようになってきてるんだよね。そういう2人だから、今回良いところまで行くかもしれない。今までの若造だったら気にも留めないけど、ちょっと気になるね」

――なるほど。そのほかにも気になるタッグはありますか?

「石井と矢野だね。奴らには因縁があるんで。シングルのベルトを獲ったり獲られたりしてるから。矢野はちょいちょい足を引っ張ってくるんですよ。あの若さで老獪なテクニックって、おかしいだろ!ってね(笑)。パートナーがこけし(本間)じゃなくヘナーレなんで、ヘナーレに集中されないようにしたいね。こっちの戦い方を魅せるしかないな。自分が倍以上動かなきゃいけないだろうから」

――J:COMでは独占生中継など、プロレス放送も充実しています。テレビならではのプロレスの楽しみ方はありますか?

「やっぱり、テレビだと選手にグッと寄って観られるから。選手の表情、汗の飛ぶところまでしっかり観ることができる。会場でもモニターはあるけど、そういう細かいところはテレビならではだと思うので、しっかり注目してもらえるとうれしいかな。あとプロレスは入場曲が鳴って、退場曲で帰るまでがプロレスだから。そこまでしっかり楽しんでもらいたいね」

――その他にもJ:COMのプロレス放送に期待しているところはありますか?

「選手を紹介する番組とかあるといいね。ヤングボーイはまだまだ修行の時期なんで、一戦終えて海外から帰ってきたやつなんかをユニット問わずに取り上げていくと面白いかも知れないね。ファンからの質問や、直で感想を伝える機会になればいいよな。あとは、俺が追々圧力をかけて、スイーツの番組を作らせるかな(笑)」

――圧力(笑)。やっぱりスイーツ真壁としてはスイーツ番組もやりたいですか?

「どうにかして、な(笑)。やっぱりスイーツを実際に食べて、ここが旨いとか、どういうシチュエーションで食べたらいいとか、俺なりに考えて伝えるんだよ。そしたら“真壁さん、超わかるー!”って言ってくれるわけ(笑)。スイーツって、おめでたい時に食うものだろ? だから、スイーツ食ったらみんな笑顔になってハッピーになるんだよ。それをみんなに味わってもらいたいんだよね」

――スイーツはハッピー、と。番組タイトルも決まりそうです(笑)。

「その線で、推しておいてよ(笑)」

――とはいえ、まずは目前のタッグリーグを頑張っていただきたいと思います。最後に意気込みをお願いします!

「もちろん、3連覇かかってるんで、対戦相手が誰であろうと、組んでいる相手がヘナーレであろうと、必ず獲りに行くよ。甘いリーグ戦じゃないことはハナからわかっているんで。最初からフルスロットルで、ヘナーレと勝ちに行く。もう、それだけだね。真壁刀義とヘナーレの戦いっぷり、第一線級でベルトを狙う奴らをどう叩き落していくか、観てもらえれば。最高のプロレスを味わえ!と言いたいね」

――ありがとうございました!

撮影:渡部孝弘
取材・文:宮崎新之

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新日本プロレス『WORLD TAG LEAGUE 2017』

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