キックボクシング界史上最高の天才と言われる高校生ボクサー・那須川天心が、8月20日(日)に行われる「KNOCK OUT」に参戦。
プロデビューから19戦19勝(15KO)負けなしの“神童”は大会を前にして何を考え、本番に向けてどんな調整をしているのか。
気になるトレーニング法やメンタルの強さの秘密に迫った。
また、真夏のビッグイベントである「G1 CLIMAX 27」も開催間近。
同じ格闘技選手として、那須川選手に大会の見どころを語ってもらった。
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――「KNOCK OUT」に向けての調整はいかがですか?
「大体いつも追い込みをかけるのは1ヵ月ぐらい前なんですけど、7月下旬にも試合があるので、今は2つの試合に向けて体を作っています」
――試合が続くとコンディションの維持が難しいですか?
「僕は結構、短期間で何試合もすることが多いんです。ほぼ1ヵ月に1回のペースだったり、2週間に1回試合があったり。以前は、2日に1回という時も。だから、慣れていると言いますか、短い時間の中でコンディションを整えるということは決して難しくない。いつも通り問題なくできるかなと思っています」
――プロ入り後、連勝が続いていますが、試合ごとに自分の中でテーマはあるんですか?
「それは、毎回変えています。毎試合、終わった後に自分のボクシングを映像で見て『ここは、イメージ通りにできていたかな』とか『あそこは、違う攻め方があったかもしれない』と、良かったところと改善すべき部分をしっかり確認して、次の試合までに修正することが大事。それを繰り返しながら、レベルを上げていきたいですね。やっぱり、強くなるには、たくさん試合をしないとダメなんです。もちろん、練習も大切ですけど、試合を重ねることでレベルアップしていくような気がします」
――現時点での課題は?
「パワーのスキルはどんどん上がっているんですけど、まだ倒せる時にしっかりと効果的なパンチを打てないことがあるんです。そのもうひと押し、ふた押しをどうすればいいのか。狙うところが一つになってしまうと、相手も耐えることできるんです。やっぱり、いろいろなところを打っていくことで、相手にダメージを与えることが重要かなと。その見極めが難しいですよね。試合は練習とは全然違うので、かなり頭を使います」
――対戦相手を研究することはありますか?
「研究するとしても、ほんのちょっとですね。毎日、相手の試合の映像を見て戦い方を考えるということはしません。2、3回見て動きを確認する程度です」
――先入観を持たないほうがいいということですか?
「そうですね。どんなに研究したとしても、試合でその通りに攻めてくるとは限らないので。リング上で対峙してみて、初めて分かることも多いですし。だから、過去の映像を見て研究する時間があったら、今の自分に足りないものを補う練習をしたほうがいいです」
――練習で工夫していることは?
「シャドーが基本ですね。スパーリングは、ほとんどやらない。パンチだけの時もあれば、ステップの確認をすることもある。頭の中で相手の動きを想像しながら、どうやって交わせばいいのか、どこを打つのが効果的なのか考えながらやっています。やっぱり、イメージする力は絶対に必要。想像力がないと強くなれないですね。もちろん、キックの練習も欠かせない。一個、一個パーツを分けてトレーニングすると効率が良いです」
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――試合前にプレッシャーを感じることはありますか?
「それが全くないんです。ストレスもほぼない。もしかしたら感じているのかもしれないですけど、それをストレスだとは思ってないです。昔から父親に厳しくされてきたので、それが一番のストレスだったのかも(笑)。それに比べたら、他のことは気にならないですね」
――例えば、試合中にイメージ通りの動きができなかった時も引きずることはない?
「それもないです。例えできなかったとしても、そこを反省して次の試合につなげることを考えます。マイナスに捉えることはないですね。考えなさすぎはよくないのかもしれないですけど、いつも、まぁ、なんとかなるでしょって思っています(笑)。ポジティブが一番。ネガティブなことは考えないようにしています」
――では、本番に向けての意気込みをお願いします。
「プロになってから全勝しているということもあり、自分でも格闘技界の中で注目されていると感じています。その期待を裏切らないような試合をしたいですし、見てくださる方たちに、すごい!と思ってもらいたい。僕の試合をきっかけに、キックボクシングを好きになってもらって、他の選手たちのことも応援してくれたらうれしいです」
――やっぱり、格闘技界を盛り上げたいという気持ちは人一倍強い?
「僕の試合は、誰が見ても面白いと思ってもらえるという自信があります。なので、まずは会場に見に来てほしい。そして、お気に入りの選手を見つけてキックボクシングのことを好きになってほしいですね。必ず喜んでいただけるような試合をやります!」
――格闘技を盛り上げるという意味では、毎年夏に行われる「G1 CLIMAX」もビッグイベント。那須川さんも見に行かれたことがあるんですよね?
「もともと興味はありました。ものすごくマニアというわけではないんですけど、初めて生で見た時の迫力や演出のすごさにびっくりしました。ファンの皆さんとの一体感や盛り上げ方は、まさにエンターテインメント。単純にすごいなと思ったし、何も考えずに楽しめた。あの会場の熱気はすごいですよね」
――キックボクシングとプロレス。ジャンルは違えど、何か共通点は感じますか?
「リングの上で戦っているという共通点があるので親近感を覚えました。でも、それと同時に悔しさもあります」
――悔しいと感じるところはどこですか?
「やっぱり、プロレスは注目度が高いと思うんですよ。だから、僕らキックボクシングの選手たちも負けてはいられないという気持ちが強い。まずは、見てもらわないと何も始まりませんから。もっともっといい試合をして『G1 CLIMAX』以上の熱気を生み出していきたいですし、キックボクシングという競技をみんなで盛り上げていきたいですね」
――「G1 CLIMAX」の魅力は?
「あの一体感がいいですよね。会場の雰囲気もそうですし、ファンの皆さんがプロレスそのものを楽しみにしながら見に来る感じが好きです。選手一人ひとりに華があるし個性豊か。それぞれにキャラクターがあるから楽しいです。それと入場シーン。キラキラしたコスチュームがいいですよね。選手の皆さんも堂々としていてかっこいい」
――入場シーンは参考になりますか?
「いいヒントになります。僕は入場するところから試合が始まっていると思っているので。キックボクシングそのものを楽しんでもらうのはもちろんですけど、他の部分でもいろいろなことをして盛り上げていきたい。見に来てくれた人たちがワクワクするような空気を作ることが大事なんです。『G1 CLIMAX』は、その雰囲気作りが上手いなと思います。入場シーンは各選手が工夫をすれば絶対面白いことができるはずですから。会場全体を演出するという意識を持って頑張っていきたいです」
――試合を見る時のポイントは?
「自分も格闘技をやっているので、選手一人ひとりの動きが気になります。『この選手は体幹が強いな』とか『フットワークが軽いな、キレがあるな』とか、身のこなしに目が行くことが多い。動きを見ているだけで楽しいですよ。体の使い方にしても選手ごとに違うし、そこに個性を感じるとうれしくなってくる。一つひとつの技のすごさは、自分も普段から体を鍛えているから、より肉体の強さや技術のレベルの高さが分かるから面白い。個人的には飛び技が好きなんです。きれいに決まると、ホントにかっこいい。あとは、キックも選手によってタイプが違うので興味深いです。ドロップキックやミドルキックなど、技の見せ方を意識している点は見習いたいところ。僕も、ただ試合に勝つだけではなくて、いかに会場を沸かせるかという点を常に考えているので、プロレスはそこが徹底されていてすごいなと思いました」
――好きな選手はいますか?
「僕はオカダ・カズチカさんが好きです。上手く表現できないんですけど、何か他の選手とオーラが違うんですよ。あの感じは、どうすれば出るんだろう(笑)。入場する時のパフォーマンスも見せ方を知っているというか、オカダさんが会場に現れただけでみんなが一つになる感じ。お客さんを熱狂させるパフォーマンスは、ぜひ自分の試合にも積極的に取り入れていきたいです。キックボクシング界が活気づけば、格闘技全体にもプラスになりますから」
――ちなみに、誰が優勝するのか予想しながら見ているんですか?
「それはないですね。誰かを個人的に応援するというよりは、一つひとつの試合を純粋に楽しんでいます。どんな試合を見せてくれるんだろうって、ワクワクしながら待っている時間がたまらなくいいんですよね。「G1 CLIMAX」はエンターテインメントの宝庫。熱狂的なファンの人、そして格闘技は好きだけど何から見ていいのか分からない人にオススメです! そして、格闘技に興味を持ってもらって、僕らがやっているキックボクシングの会場にも足を運んでいただけたらうれしいです。よろしくお願いします」
撮影:渡部孝弘
取材・文:小池貴之
KNOCK OUT vol.4
【大会当日ニアライブ】
2017年8月20日(日) 21:00~25:00 ほか
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