滝川クリステル スペシャルフォト・インタビュー

アニマルプラネットでは、6月から8月にかけて恐竜特集を実施する。その一環として放送されるのが、恐竜の専門家とピクサー、ディズニー、ドリームワークスが組んで制作された「蘇る恐竜の時代」。エオラプトルの交尾の儀式、ギガントラプトルの求愛ダンスなどが、ハイクオリティのCGで描かれる。この番組の特別ナレーションを、滝川クリステルさんが担当した。動物保護活動家でもある滝川さんに、番組への感想と、自身の活動について聞いた。

「収録しているうちに、恐竜の気持ちに寄り添えるようになっていきました」

――今回のナレーションをオファーされたときの感想をお聞かせください。

「ナレーションのお仕事は好きですし、動物が好きでアニマルプラネットさんの番組も拝見させていただくので、すぐに『お引き受けします』とお返事させていただきました」

――アニマルプラネットで好きな番組は?

「自然というか、野生動物のドキュメンタリー全般ですね。私はBBCの番組のナビゲートもしていて、ドキュメンタリー番組の取材でいろいろな場所に行くので、動物たちの尊さとか彼らへの畏敬の念は常に持っていますし、現場で撮影しているスタッフさんの苦労も本当によくわかる。なので、軽い気持ちで流して見られないんですよね。このシーンを撮影するのは大変だったろうなあ、とか、いろんなことを考えて入り込んでしまうので」

――今回の収録を終えての感想は?

「恐竜がテーマの番組で女性がナレーターを務めるイメージがなかったので、少し不安を感じながら収録に入りました。強さが感じられた方がいいかなと思いつつ、男性っぽくはできないですし、ただ声を張ればいいわけでもないだろうし…。いろいろ考えました。だけど今回の監督さんは、『ここは気持ちを入れて』とか、的確なアドバイスをくださったので、収録していくうちに、だんだん感覚をつかんでいくことができました。今回は恐竜の子育てや求愛行動について取り上げられているので、そういうシーンには女性の声の柔らかさが合っていたんじゃないかな、と。恐竜に対して感情移入しにくいところもありましたけど、どの恐竜も表情豊かに描かれていて、お母さんが卵の様子を見ていて、お父さんが手伝おうとするんだけどあまり役に立たないところとか(笑)、とてもかわいらしかった。こういうこともあったんだろうなあと和んで、だんだん恐竜の気持ちに寄り添えるようになりました」

――恐竜に対しての興味や知識はありますか?

「恐竜図鑑を夢中で見るような子どもではなかったですね。博物館とかで等身大の模型や骨の化石を見るのは好きですし、恐竜に関する新説のニュースにも興味をそそられますけど。ただ先日、たまたま待合室に恐竜図鑑が置いてあったので手に取ってみて、面白い、なぜ子どもの頃に見なかったんだろう、と思ったところだったんです。そこへ今回のお話がきたので、不思議なめぐり合わせを感じました」

「日本の動物福祉は遅れている。海外の方にも恥ずかしくないようにしていけたら」

――恐竜に関する学説で気になるもの、詳しく知りたいことは?

「番組で紹介されますけど、恐竜は鳥に進化して生き残ったという説。それをニュースで知ったとき、小鳥を飼っていたんですが、まさに足が恐竜っぽくて「あなたは恐竜の生き残りなんだ」と、凄くリアルに感じたのを覚えています。あとこれも紹介されますが、体の色がカラフルだったらしい、という説も気になります。もしかしたら、現代の自然界にいないような色の恐竜がいたかもしれない。海中の色って凄いじゃないですか、サンゴ礁とか。古代には地上でも同じような色彩があって、鮮やかな恐竜たちがたくさんいたかもしれない。夢がありますよね。詳しく知りたいのは、恐竜が誕生するまでの経過ですね。生物は海で生まれて、進化してきたと言われていますけれど、なぜ陸に上がってきたのかとか、いつ手足が生えてきたのかとかはよくわからないので。進化って面白いですよね、形が、様が変わっていくことそのものが。それから絶滅した理由…鳥として生き残ったとしても、巨大な恐竜は滅びたわけですよね。その理由と当時の環境は気になります。自分の動物保護の活動につながることでもあるので」

――滝川さんは、動物福祉や保護を目的とする一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブルを設立し、代表理事を務められています。活動内容をお聞かせください。

「身近な犬猫とか、家族である動物たちの命と向き合おうということで、殺処分の問題に取り組んでいるのが『プロジェクトゼロ』。もうひとつは『プロジェクトレッド』で、レッドリストに載っている絶滅危惧種のなかで、生態系の頂点の生き物を守っていく活動です。日本では生態系の頂点であったニホンオオカミが絶滅したことで、日本の生態系のバランスが崩れてしまいました。そういう生き物を守ることの大切さを伝えるために、活動をされている先生方や、現場で命を救っている人たちをサポートさせていただいています。そして最近、『Panel for Life(パネルフォーライフ/命のパネル)』https://www.panel-for-life.org/ というプロジェクトを始めました。飼い主がいない犬や猫たちの写真で等身大の『命のパネル』を作って、いろいろな場所に置かせてもらえるようにして、QRコードもつけて、読み取ってもらうと、その子や飼い主のいない他の子達の情報が見られたりする。そういうプロジェクトです」

――日本の動物保護の現状は…。

「最近、やっと世論が変わってきた実感があって、環境省も動き出していますが、2020年をひとつの目標に、もっと変えていかなければ、と思っています。海外から訪れる方がどんどん増えているなかで、日本の動物福祉は、世界の先進国に比べて一番遅れている。海外の方にも恥ずかしくないようにしていけたら、と」

「遺伝子を残すための戦いは恐竜時代からあった。その普遍的なものが伝わればいいな、と」

――巨大な恐竜以外にも絶滅した生き物は多いですが、もしも蘇らすことができたとして、見てみたいのは?

「ニホンオオカミですね。アメリカのイエローストーン国立公園にオオカミに会いに行ったことがあって、遠くにいるのを見たんですが、泣いてしまいそうでした。北海道で、海外から連れてこられたオオカミに会ったこともあります。目の前でじゃれてくれて、ワンちゃんみたいでした。飼っているのは、日本にオオカミを導入して生態系を変えていきたいと訴えている方です。自分がこのような活動を始めたのは、ニホンオオカミが絶滅してしまった悔しさもひとつなんです。2匹しか残っていませんとか、取り返しがつかない状況になってからニュースになっても遅い。もっと前に警鐘を鳴らさなきゃいけないし、みなさんにも動物たちを身近に感じて、彼らがいなくなることで自分たちの生活にも弊害が出ることを理解してほしい。もしもニホンオオカミが蘇ったら絶対に会いたいけど、恐竜は…背中に乗ってみたいとかは思わないですね、痛そうですし(笑)。ゾウは優しいイメージがありますが、体が大きいから事故が起こることもあります。野生動物とは程よい距離感を持たないと危ない。まして恐竜は」

――今回の番組の感想や読者へのメッセージをお願いします。

「この番組は『遺伝子』がひとつのキーポイントだと思います。私たち人間は野生動物と違って、自分たち以外の動物も守ろうとする生き物になりましたが、そうなったのも、祖先が使命を果たし続けて進化してきたからです。使命とは、遺伝子をどうやって残すか。そのための戦いが恐竜時代からあったことが番組で描かれます。番組内では『子を思う母の愛は絶大。それは今も7,500万年前も変わらない』というグッとくるフレーズもありますが、使命に動かされて、母の愛に守られて、生き物は次の時代に遺伝子をつなげてきた。その普遍的なものが伝わればいいな、と思います」

撮影:今村敏彦
取材・文:佐藤新

Panel for Life
(パネルフォーライフ/ 命のパネル)

滝川クリステルさんが代表理事を務める一般財団法人「クリステル・ヴィ・アンサンブル」が2020年までに犬猫殺処分ゼロを目指し「Panel for Life(パネルフォーライフ)命のパネル」という新しいプロジェクトを始動させました。動物保護を訴えるために、等身大の動物パネルを置くことで保護犬、保護猫の存在をより多くの人に知ってもらい、犬猫を求めている人に里親になるという選択肢を考えてもらうための取り組みです。

「蘇る恐竜の時代 :#1 恐竜の世界」

DATE

2018年
7月28日(土)10:30~11:30
7月31日(火)18:00~19:00

INFORMATION

このクオリティーは映画級!?
ピクサー、ディズニーが映像制作

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