オリジナルインタビュー第八弾!伊勢大夢選手が登場!
1年目を終えた今の気持ち、ライバルへの思いに直撃。

明大卒のプロ1年目。右投げ右打ち。150km/h超えのストレートとスライダーが武器。2018年夏には、侍ジャパン大学代表に選出。2019年の全日本大学野球選手権では、準決勝で7回無失点の好投。同じく2020年にプロ入りした広島東洋カープの森下暢仁投手とは、大学時代のチームメイトで、共に活躍してきた間柄。

今シーズンは期待のルーキーとして、開幕一軍メンバー入り。投手陣の故障が相次ぐなかで、33試合に登板。3勝1敗、39奪三振、防御率1.80の成績を残し、存在感を発揮しました。

来シーズンへのさらなる活躍に期待がかかる伊勢選手。
今回はそんな伊勢選手に、プロ1年目のシーズンを終えた今の気持ち、元チームメイトで現在はライバルともいえる森下選手への思いなどを、ずばり直球で質問!今回もインタビュアーはベイスターズOBの荒波翔が務めます。
(※本取材は2020年11月28日にリモート取材にて行われました。)

ホッと一息!
プロ初シーズンを終えた
今の気持ち

荒波翔

はじめましてですね!
球場には何度も行っていたし、プレーも見ていたのですが、なかなかお話する機会はなかったので…。今日はよろしくお願いします。

伊勢大夢選手

はじめまして!よろしくお願いします。

荒波翔

プロ1年目のシーズンが終わりました。どのような気持ちで今を過ごしていますか?

伊勢大夢選手

まずは1年を通して、怪我なく終わることができてホッとしています。ただ、シーズン中盤の方は、けっこう疲れが出てしまって。今はウエイトトレーニングなどをやりつつ、肩の疲労をしっかり取るために過ごしています。

荒波翔

それが1番良いね。今後も、1年を通してやり続けていくと、どうしても蓄積疲労とかは出てくると思う。しっかりと休める時に、肩もそうだし心も休ませよう。嫌でも2月に入ったらオープン戦が始まるから、それまでリフレッシュしながらやっていくのが良いと思います。

伊勢大夢選手

はい!

初めて知るプロの世界!
今シーズンの自己評価は?

荒波翔

今年、初めてプロの世界に入ってみてどう感じましたか?

伊勢大夢選手

率直に感じたのは、試合ごとに一喜一憂し過ぎていてはプロの世界ではやっていけない、ということです。シーズン最初の方は、1試合1試合の勝ち負けにこだわり過ぎてしまうようなところがあって。「(負け試合から登板した時)自分の力では逆転できなかった」「今日は勝ったまま試合を終えられた」という風に毎回一喜一憂していたんです。特に負けた時は、本当に沈んでしまって…。
でもシーズンを通して、リリーフ陣の先輩たちのプレーを見ているうちに、気持ちの切り替えが大事なんだと気づきました。勝ったときに喜ぶのは良いけれど、負けたときに沈み過ぎない。それがプロ野球なんだな、と。

荒波翔

めちゃくちゃ良いこと言うじゃん!
人間だから、一喜一憂することもあって良いとは思うけれど、勝っても負けても次の日にも試合はあるわけだしね。やっぱり、切り替えの上手い選手の方が長くプロ野球選手として活躍してるな、っていうのはある。1年目からそこに気づけるなんてすごいと思います!

伊勢大夢選手

ありがとうございます。

荒波翔

試合も見てきたし、さらにここまで聞いてきた中では、充実した1年だった様子が伺えます。この1年間に点数をつけるとしたら何点?

伊勢大夢選手

うーん…80点くらいですかね?

荒波翔

マイナスの20点分はどういうところ?

伊勢大夢選手

スタートから、自分のやるべきことをやれていなかったというか…。今思うと、自分の立場とか役割をよく分かっていなくて。なんとなく投げてしまっていたところがあったように思います。
開幕は1軍だったんですけど、1ヶ月後くらいにはファーム(2軍)に行くことになって。その中でいろいろ感じたり学んだりしたことが大きかったです。なので、その後のプレーには満足しているんですけど、前半約2ヶ月の足踏みしていた分がマイナス20点です。

荒波翔

なるほど。でも、1年目から33試合も投げて、防御率1.80というのは本当に素晴らしい成績だと思う!

荒波翔 伊勢大夢

首、振れる?
気になる先輩との
コミュニケーション

荒波翔

他の先輩選手やコーチとのやり取りの中で、印象的だった出来事や影響を受けた言葉はありますか?

伊勢大夢選手

三嶋(一輝)投手とお話しさせていただく機会が多いのですが、ピッチャー同士いろいろな話をしていく中で、自分なりに解釈して気づいたのは、「後悔して打たれたくない」ということです。
自信を持てなかった球で打たれた時って、すごく後悔が残るんですよね。悔いの残る1球っていうのを無くしたいな、と思うようになりました。それができたら、気持ちの切り替えも上手く行くようになるのなかなって。
自信を持って投げられる球を増やすのも大事ですけど、1球1球まずは後悔しないように投げていくのが大事だな、と。

荒波翔

試合を見ている限りでは、いつも1球1球気持ちの入った球を投げているように映っていました。ストレートは特に。やっぱり自信のある球はストレート?

伊勢大夢選手

そうですね。やっぱりストレートは1番自信を持って投げています。

荒波翔

右バッターのアウトコースに投げるボールなんかは150km/h超えていたりもするし、すごい球を投げるなっていう印象がある。ファンのみなさんもそう思ってるはず!
そういう投球を続けられるようになると、今話していたような後悔しない球、納得いく球っていうのが増えるのかなと思う。
ところで、納得のいく球という意味だと、キャッチャーとのコミュニケーションも重要になってくると思うけど、戸柱(恭孝)選手ともよく話しはする?

伊勢大夢選手

そうですね。トバさんは、必ずその日の良かったところを言ってくださるんです。悪かった時には、そこに触れるのではなく「次に投げる時はこういう風に組み立てていこう」と、課題を出してくださるような感じで。だから次にマウンドにあがる時にすごく投げやすいんです。本当にありがたいです。

荒波翔

例えば、試合中に戸柱選手に対して首を横に振ったりとかは(笑)?

伊勢大夢選手

最初は難しかったんですけど(笑)。バッテリーを組ませていただいた時に、投げ終わりとかで「今のところは本当は何を投げたかった?」と聞いてくださったり「どんどん首振れよ」って言ってくださって。それがトバさん的にも今後に活かせるから、と。
でも首を横に振るからには、意図を持たないとキャッチャーの方には失礼だと思うので、自分なりの意図を伝えられるようにしています。伝え合うことでバッテリー同士、配球の幅も広がったという実感があります。

荒波翔

めちゃくちゃ優秀じゃん!
ストレートを投げたくても、相手バッターが真っ直ぐを待ってたら、打たれてしまう。自分で投げたい球を投げられるわけじゃない。それがプロ野球でもあるからね。「ただ投げたいから投げる」ではダメなんだよね。
例えば、真っ直ぐがよく入るなっていう日に、自分や相手の調子を見て「ファウルが取れそうだったから投げました」とかね。納得させられるきちんとした理由づけが必要だよね。
伊勢選手にとってトバは年上だけど、そういう自分の意思をきちんと伝えていくのはとても大事。しっかりコミュニケーションが取れているみたいで頼もしいです!

荒波翔 伊勢大夢

「3球でピピっと」!?
伊勢選手のルーティン

荒波翔

1年を通して自分のルーティンは見つけられましたか?
大事にしている流れとか、コレは絶対やっています!っていうもの。

伊勢大夢選手

「ブルペンでは、調子が良くても悪くても投げすぎない」ことですね。ブルペンでの1球っていうのは、年間百何十試合と積み重なっていくと、百何十球分にもなってしまうので。

荒波翔

でも、投げる状況としては、ビハインドの中でいきなり投げてこい!って、いうこともある。
シーズン最後の方は勝ちゲームで投げることが多かったとは思うけど、いつ投げるかわからない状況の中だと、肩のつくり方ってすごく難しいのでは?球数自体はいつもどれくらい投げるの?

伊勢大夢選手

1回呼ばれたら10球以内におさめるようにしてます。暖かい日とかだと、3球くらいピピっと投げて行ったりすることもありますね。

荒波翔

3球!?

伊勢大夢選手

はい。でもその前にも投げてたりするので。だいたいは5〜6球投げてもう行ける!ってなったら待機して…とかそういう感じですね。

荒波翔

本番で「もうちょい投げときゃ良かった〜」みたいなことは…(笑)?

伊勢大夢選手

実をいうと、最後の方は寒くなってきていたので、夏と同じ肩のつくり方ではダメなんだと、やってから気づきました(笑)。 エスキー(エドウィン・エスコバー投手)とかを見てても、夏場は同じように少なかったですけど、寒い日はけっこう投げてから行くんですよね。そういうのは周りの選手を見て勉強していくしかないとなぁ、と。

荒波翔

そういうのも今後の課題だよね。1年目から完璧って無理だから、これから先輩やコーチの動きやアドバイスなんかは、自分で良いと思ったらどんどん取り入れて試してみたら良いと思う。聞いておいて損なことってないと思うから、どんなことでもまずは全部聞いてみるのが良いと思うよ。そういうところでも視野を広げられると、今後に生きてくるはず。

伊勢大夢選手

はい。そうしていきたいと思います!

投げやすさが違いすぎる!?
プロのキャッチング

荒波翔

大学時代のキャッチャーとの違いは感じますか?プロのリードはどうですか?

伊勢大夢選手

投げやすさが全然違います。まずはそこに大きな違いを感じました。特にトバさんは、プロ野球界の中でもキャッチングが素晴らしい方ですし。
リードについては、最近になって本当の意味で理解できるようになってきたというか。最初は正直「なんでこの配球なんだろう?」みたいなこともありました。バッターひとりひとりに対してというよりは、プロ野球では3試合をひとつのカードとしてリードをしてアウトを取っていくんだというのがだんだん分かってきたので、キャッチャーの思いや考えも理解できるようになってきました。

荒波翔

やっぱり戸柱選手は、伊勢選手の兄貴分として良い関係性を築いてるんだね!

伊勢大夢選手

はい!いつも優しくしてもらってます(笑)。

荒波翔 伊勢大夢

追いつけ追い越せ!
元チームメイトへの思い

荒波翔

すでにいろんな取材で聞かれていると思うけど…広島東洋カープの森下(暢仁)投手は、大学時代のチームメイトであり、現在はライバルとして見られることが多いと思います。やっぱり意識するところはありますか?

伊勢大夢選手

同じ投手でも、ポジション自体は先発とリリーフという違いがあるので、単純に比べられないとは思うのですが、森下投手は今シーズン10勝を上げています。対して僕は敗戦処理からのスタートで結果は3勝。彼の方が目立つし、活躍度も圧倒的に高い。
でも、僕は僕でベイスターズの一員として、ベイスターズを良い順位に導けるように、負けず劣らずの結果を出せるよう努力していけば良いと思っています。彼の背中を追いながら、いずれは追い越せるように頑張ります。

荒波翔

めちゃくちゃ謙虚だね!ベイスターズファンからみれば、伊勢選手に助けられたシーンというのはたくさんあるはずだよ。
伊勢選手も言っていた通り、先発と中継ぎとを比べてどっちがどう、というものではないよね。でも意識する選手やライバルがいるというのは、厳しい練習を頑張れたりだとか、良い面もある。例えば、怪我をした時なんかに「あいつが1軍にいるなら、リハビリして早く復帰しなきゃ!」とかね。同じ試合に出た時なんかは「変な姿は見せられない」っていうパワーにもなる。今後も良い意味でのライバルとして意識して頑張ってほしいな、と思います。

大事な場面で活躍できる投手を目指す!
来シーズンの抱負

荒波翔

来シーズンから、監督は同じピッチャー出身の三浦大輔監督に変わります。来シーズンへの意気込みを教えてください。

伊勢大夢選手

リリーフ陣の柱だったパットン(スペンサー・パットン)投手が退団したので、僕としてはこれをプラスに考えています。大事なポジションの枠が一つ空くことになるので、まずはそこをしっかり狙っていきたいです。試合の大事なところで投げられるピッチャーになれるよう、キャンプインからしっかりアピールしていくつもりです。今からきっちり準備して、シーズンを通して投げられる身体をつくっていきます。

荒波翔

監督が変わるっていうのは、一度白紙になるというか、フラットな状態になるということだから、本当にチャンスだと思う。極端なことをいえば、先発にいける可能性だってある。今年以上に活躍できるように頑張ってほしいし、期待しています。怪我をしたら本当にもったいないので、地味だけど、まずは怪我をしない身体づくりを目指してほしいと思います。

伊勢大夢選手

はい!

優勝の1ピースに!
来シーズンのさらなる活躍を約束

荒波翔

今シーズン、たくさんのベイスターズファンが伊勢選手に声援を送りました。来年もファンのみなさんは、さらなる活躍を期待しています。最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。

伊勢大夢選手

今シーズンは4位という結果に終わってしまったので、来年はジャイアンツを倒して優勝を目指せるように。優勝のためのひとつのピースになれるよう、しっかりと戦っていきたいと思います。今後とも応援よろしくお願いします!

荒波翔

来年は今年以上の活躍を、僕を含めてみんなが期待しています。また球場で会えるのを楽しみにしています。その時は無視しないでね(笑)。

伊勢大夢選手

もちろんです(笑)。今日はありがとうございました。

いかがでしたでしょうか?次回のインタビューもお楽しみに!

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