2021.05.21
オリジナルインタビュー第15弾!桑原将志選手が登場!
念願の開幕スタメン入り!辛い時期を乗り越えて進化した理由
(取材日:2021年4月16日)
福知山成美高校卒。右投右打。2011年ドラフト4位で横浜DeNAベイスターズ入団。2012〜13年は二軍を中心に主に二塁手として活躍。2014年にポジション登録を外野手に変更し、1軍公式戦53試合に出場。対巨人戦で2回のサヨナラ安打を放つなど存在感を発揮。この年、初本塁打も記録。
2016年からは1軍公式戦の「1番・中堅手」としてレギュラー定着。2度の初回先頭打者本塁打を記録。133試合に出場し、本塁打11本、打率.284、49打点、19盗塁の好成績。2017年は143試合に出場し、自己最多の13本塁打を記録。チームのクライマックスシリーズ進出に貢献。2018年は127試合に出場するも、打撃不振に見舞われ、2019年、2020年は主に2軍生活となり苦しいシーズンを送りました。
打撃を見つめ直した2021年シーズンは、キャンプこそ2軍スタートだったものの、キャンプ終盤で1軍入り。オープン戦では打率.296の好成績を残して、見事開幕スタメン入りした桑原選手。今回は辛いシーズンを乗り越えたの桑原選手に直撃!復調の理由や今シーズンへの思い、ファンから寄せられた質問などにざっくばらんに答えていただきました。
インタビュアーは今回もこの人、ベイスターズOB荒波翔が務めます。
(※本取材は2021年4月16日にリモート取材にて行われました。)
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念願の開幕スタメン入り!
発表時の心境は?

よろしくお願いします。

念願の開幕1軍スタメン入りを果たしましたね!
発表された時の気持ちを教えてください。

ずっと目指してきたことですし、オープン戦からしっかりアピールできているという手応えもありました。
前日に三浦大輔監督から伝えられた時は「やっときたか!」という嬉しさと同時に、「開幕からが本当のスタート」と気持ちが引き締まりました。
気持ちは高ぶっていたけれど、意外と落ち着いて受け止めていたと言うか。

そうだったんですね。
ところでシーズン初戦、ビジターで1番最初に打席に入るっていうのは、ものすごい緊張感だったのでは?

はい。いやぁもう、それはやっぱりすんごい緊張感だったっすね!
メンタル面で
大きな成長を遂げた2軍生活

昨シーズンは、1軍では34試合に出場し、2軍生活の方が長くなりました。
2軍にいた期間は、桑原選手にとってどのような期間でしたか?

つい「ダメだったこと」や「良かった時のこと」ばかりを考えてしまいがちだったのですが、それでは何も上手くいかないと気づいて。
「新しい自分をつくっていこう」と考え方を変えたら、気持ちの部分ですっきりしたんです。気持ちを切り替えると日々新しい発見があって、「次はこうしてみよう」という風にどんどん前向きな気持ちになっていきました。

なるほど。技術面ではなく、メンタル面の変化が大きな収穫になったと。

はい。それはめちゃくちゃ大きかったと思いますね。

1軍であろうが2軍であろうが、桑原選手がいつでも全力でプレイしていることは、僕もファンのみなさんも知っています。
そういう選手だと知っているからこそ、昨シーズンは僕自身も見ていてもどかしい気持ちもあったし、きっと自分自身でも葛藤がありましたよね?

はい、2軍生活が本当に長くなってしまったので、1軍の試合を見てチームが勝っていても素直に喜べないような…そんな自分自身に気づいてしまうこともありました。葛藤の日々でした。

そんな日々があったからこそ、今があるのだと思います。
桑原選手がスタメンで出ている試合を見られるのは、僕もファンのみなさんにとっても本当に嬉しいことです。今シーズンはぜひ、1年間その姿が見続けられるように頑張ってほしいと思います。

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バッティングフォームが
変化したのはなぜ?

さきほど、2軍生活の中ではメンタル面での変化が大きかったという話がありましたが、僕にはバッティングフォームにも変化があったように見えます。以前のフォームに戻したというか、進化させたというか。

感覚的には少し違うのですが、確かに自分で映像を見ていても、「戻った」という見解があってもおかしくないフォームになっていると思います。
自分としては、良い時はこれまで手でタイミングが取れていたかなと思うんです。なので、今はなるべくリラックスした状態で、しっかり手を動かしてタイミングを取ることを心がけています。

なるほど。
単純に、戻そうとして今のフォームになったわけではなく「力を抜く」「手でタイミングを取る」ということを意識したら、以前のフォームに近づいたという感じなんだ!

そんな感じですね。

桑原選手が今「手でタイミングを取る」と言ったように、手が動いている時というか、バットのヘッドが動いている時、桑原選手らしいバッティングができているなと思います。
昨シーズンはきっとコーチとも相談しながら、バットを寝かせてみたり、いろいろなスタイルに挑戦したのではないかと思います。
見ている方としては、今のフォームの方がヘッドでボールを叩きにいけている感じがしますが、その感覚は間違いない?

はい。間違いないですね。しっかりボールに対してアジャストできている感覚があります。
今、不安なく打席に入れているのは、この感覚のおかげだと思っています。

シーズンが始まり、開幕から2戦ヒットが出なかった時は、苦しかったのではないかなと思います。でも第3戦の1打席め、ついにヒットが出て。
僕自身も現役時代はそうでしたが、やっぱりシーズン最初の「H」ランプが点灯するとホッとしますよね。

はい。ものすごくホッとしましたね。
その試合の1打席めだったことも、大きかったかなと思います。

1カードで1度もヒットが出ないとなると、メンタル的にもきついしね。1本目が出たからこそ次のヒットも生まれたと思います。
守備のこだわり3つ・
1番打者としての思い

桑原選手には、多くの人が守備にも期待しています。
守備へのこだわりを教えてください。

守備に関して僕は基本、バッターに対しての予測、準備、1歩目のスタート、この3つのことを意識しています。
まず1歩目のスタートを切ろうという時には、何らかの根拠がないとダメだと思います。それには予測と準備が全て合っていないといけない。だからその3つを集中してやっています。

さすがです!僕も現役時代、守備の時にはイメージを持つことを大事にしていました。打球が飛んでくるイメージラインだったり、軌道のパターンを描けた分だけボールを取れる、準備できると信じていて。
今、桑原選手の話を聞いていてすごく同じ感覚があるなと。
オープン戦などで見せてくれたファインプレーはちゃんと裏付けがあって、ただ単に取れたっていうのとは違うと確信しました!
ちなみに打順へのこだわりというのはありますか?

1番というのは僕にとってはもちろん、チームにとっても大事な打席だと思っています。
特に初回、ベンチのみんなが固唾を飲んで見守っている姿というのは印象的ですよね。
そのことを意識しながら集中して、打席に入るようにしています。

ファンのみなさんも知っている通り、桑原選手には場を盛り上げる力があります。個人的には、佐野恵太選手にも引けを取らないと思っているくらい(笑)。
そういうキャラクターの選手が1番打者としてチームにいて、連敗で苦しい時にヒットを打ってくれると、他の人が打つ以上にチームが盛り上がったりする。一気に流れを変えてくれるんじゃないかって。
ぜひとも残りの試合もね、1番打者のポジションを守って、チームを盛り上げていってほしいと思います。

はい。
僕のキャラ上、ベンチやロッカーでの盛り上げ役というのも大事な役目だと思っていますが、野球選手である以上はやっぱり試合内容で大いに盛り上げたいと思いますし、頑張っていきたいです。
野球スタイルが向上した
三浦監督の言葉とは

2軍生活を送ったこともあり、三浦監督とは昨シーズンからずっと一緒にやってきている形になりますね。三浦監督はずばり桑原選手から見てどんな監督ですか?

そうですね。僕としては三浦監督が監督になられたからといって、関係性が特に変わったということってなくて。いつも親身に寄り添ってくれて、しっかりコミュニケーションを取ってくれるので、その日その日を充実した気持ちで過ごせています。
ただ、決して言葉では出さないけれど、「勝ちたい」という強い闘志を胸に秘めているのは雰囲気で感じます。

僕もこの前の取材で、「後悔したくない」という思い聞いて、三浦監督の勝ちに対する確かなこだわりというのを感じました。
現役時代はチームメイトだった関係でもあるから、実はまだ僕も三浦監督に対して監督というイメージがしっかり湧いていないかもしれない(笑)。
監督から言われて印象に残っている言葉はありますか?

ファームにいる時から僕が口酸っぱく言われてきたのは「出塁だぞ」という言葉ですね。
この言葉を掛けられれば掛けられるほど、自分の野球スタイルが少しずつ良い方向に変わってきている感じがするんですよ。
バットを振ると決めていた?
ファンからの質問

ここからはファンのみなさんから寄せられた質問をぶつけてみたいと思います。
まずは『開幕スタメンおめでとうございます。開幕1打席目に立った時、菅野智之投手(巨人)からの初球は、バットを振ると決めていましたか?』という質問です。

そうですね。決めていました。
でも「開幕初戦の1球目だから」という特別な思いからではなく、相手が菅野投手だったからです。1球目から「振る」と決めていかないと、半端に打てるピッチャーではないので、振ると決めていました。

強いピッチャーが相手だと、こちらは初球からどんどん振っていかないと難しくなるし、相手は追い込まれると全部良いボールになっちゃたりするからね。
じゃあ狙ったボールが来て、振ったってことだね。

狙ったボールは来なかったんですけど(笑)。

そうなんだ(笑)。
でも、振ったことによってリッラクスできるしね。振る準備はできていたっていうことだね。

そうですね。はい。

じゃあ今日の試合(4/16対巨人戦)でも振るっていうことだね。

そうですね!

2次会ミーティング開催!
チーム内の変化

では、次もファンからの質問です。
『三浦監督が就任してチーム内で大きく変わったことはありますか?』
ということなんですが、どうでしょうか?

明るくなりましたね。プレッシャーを感じなさ過ぎて逆に大丈夫かな?って思う時もあるくらい(笑)。

えっ、どういうこと(笑)?
選手たちが自然体でいられるようになったということかな?
監督が積極的にコミュニケーションを取ってくれていることもあるし。

はい。変な気負いがないので、選手それぞれが自分の役割を全うすることに集中できるというか。

「やらなきゃ!」というプレッシャーをかけられることなく、のびのびやらせてもらえる雰囲気があると。

そうですね。各々自分の期待される役割については監督と話していると思うので、一人ひとりしっかりそれに応えていくだけという感じですね。

今のチームの雰囲気は、クワにとって願ったり叶ったりなんじゃない(笑)?

はい。「お前はもう、わいわいしとけ」っていう感じのことも言われるので(笑)。

相変わらずミーティングでは、はっちゃけてる?

今、開幕して18試合ですけど、試合前のミーティング後に毎回「2次会ミーティング」を開催してるんですよ。

あぁ、昔からそんな感じのがあったね。ミーティングでオチがなかったらクワに頼む、みたいなの。

はい。それを今も毎回やってるんです(笑)。

今シーズンはじゃあ、「2次会ミーティング」には18回も登場したってことだね。

そうですね。

そこはフル出場(笑)。

はい。そこはもうフル出場ですね(笑)。

それにフル出場し続けるためにも、今シーズンはもうずっと1軍にいなきゃいけないっていうことだね。
それが裏の目標かな!

はい(笑)。
愛用し続けている
バットやグローブについて

では次の質問です。
『バットやグローブにこだわりはありますか?』
という質問も寄せられています。

バットは僕、プロ3年目から全然形、変えてないですね。

柳田コーチのモデルだよね。

はい、そうです。

グローブはどうですか?

グローブも筒香さんが、高橋由伸さんモデルのグローブを使ってたのを譲ってもらって。そこからずっとその形のを使ってます。

僕は現役時代、ちょっと小さめのグローブを使ったりしていたんですけど、道具のどこかの長さを変えたりだとか、そういうこだわりは?

僕はもともと一応内野手なので、僕のグローブも他の人に比べたら少し小さいかな?と思います。
親代わりの存在!?
意外?な仲良しとは

次は、
『仲の良い選手は誰ですか?』という質問です。
みんな仲良さそうだけど、特に仲が良いのは?

特に仲が良い人というと、今は大和さんですかね。

おぉ!ちょっと意外。そうなんだ!

ロッカーが隣同士ということもあるんですけど、ほら僕ってけっこうアホなことばかりやるんで…。

はい、知ってます(笑)。

…なので、助けてもらいたい時は、全部大和さんに振ってるんです。

なんかもう、“親代わり”みたいな?

そんな感じです。
野球の部分でも本当に大和さんにはお世話になってて。

大和選手は今年、最年長(1987年生まれ、取材時点33歳)になるのかな?

はい。大和さんが最年長ですね。

じゃあ大和選手が、上手くチームのバランスを取ってくれたり、締めるところは締めてくれたり、っていう感じなのかな。

そうですそうです!
マイブーム!
試合前には“コナン”が必須!?

ファンの方からの質問はこれで最後です。
『マイブームはありますか?』ということです。
最近ハマっているものとか何かある?

僕のマイブームはですね…最近はアニメ「名探偵コナン」ばっか見てます。

それは何?映画版とか?

動画配信サービスで、過去にテレビ放送されていたアニメを配信しているんです。それで「コナン」を。

遠征先でも見ていたり?

はい。遠征でもしょっちゅう携帯でコナンばっか見てます。

こういうご時勢だからなかなか外にも出られないしね。部屋にいる時間が多いからこその楽しみだね。

はい。もうコナンばっか見て気持ちを高ぶらせてます!

コナンを見て気持ちを高ぶらせて試合に行っていると(笑)。

そうなんです!

トリックが出てきたりするミステリーものだけど…ね(笑)。でも確かに面白いもんね。
ベストなパフォーマンスを!
今シーズンの目標

では、最後の質問です。
今シーズンの目標とファンのみなさんにひとことお願いします。

シーズンが始まる前から、レギュラーポジションを奪いたい!という気持ちでやってきていますし、シーズンが始まった今もその気持ちに変わりはありません。
ただ、シーズンが始まって今はチームが苦しい状況なので、自分の気持ちだけを押し通すのではなく、とにかく自分の出番にベストなパフォーマンスを発揮して、日々チームの勝利に貢献できたら良いなと思っています。
そういう熱い姿を見せていきたいと思うので、ファンのみなさま、応援よろしくお願いします!

あれ、なんか普通に終わったね(笑)。
最後ちょけるのかな?と思ったのに。

締めるところはちゃんと締めなきゃいけないっすよね(笑)!

オッケー(笑)!
今回は、試合前に時間を作ってインタビューを受けてくれたんですけど、このあとの試合も期待しています!今日もかましてきてください!

ありがとうございます。

©YDB

次回は、横浜DeNAベイスターズ 大貫選手のインタビューを公開予定です。
是非、お楽しみに!
今日はよろしくお願いします。