オリジナルインタビュー第19弾!
~前編~山﨑康晃選手が登場!
スペシャルゲストが金メダリストに直撃!復調への道のりや東京五輪の秘話を語る

今回のオリジナルインタビューは、東京オリンピックの野球日本代表・侍ジャパンでの活躍が記憶に新しい山﨑康晃選手が登場!

「小さな大魔神」こと、頼れるハマの守護神は、帝京高校-亜細亜大学を経て、2014年のドラフト1位指名で、横浜DeNAベイスターズに入団。右投右打。プロ1年目から開幕一軍入りし、クローザーを務めるなど健闘。DeNAの選手としては初となる新人王に。最速153km/hのストレートや、代名詞ともいわれるツーシームなどを武器として、2年目以降も順調に活躍。誰もが認めるチームの勝利に必要不可欠な存在です。

昨シーズンは、開幕からこれまでにないような不調が続き、終盤には二軍へ。悔しい思いを抱えたまま迎えた今シーズンは、プロ入り後初となる二軍キャンプからのスタート。「結果で見返す」と再起を図り、開幕前に一軍に合流。さらには、東京オリンピック・野球日本代表の稲葉篤紀監督からの信頼を得て、代表選手に選出。侍ジャパンのメンバーとして、悲願の金メダルを獲得しました。

今回は、そんな今大注目の山﨑選手を直撃。前編と後編の全2回に渡ってインタビューの様子をお届けします。
インタビュアーはもちろんこの人、ベイスターズOB荒波翔が務める…のですが、今回はもう一人のインタビュアーとして、山﨑選手への祝福に駆けつけたスペシャルゲストが登場!

荒波がインタビュアーを務める前編は、怪我をしない秘訣や復調までの道のりなどを直球で質問。
後編は山﨑選手ととても縁が深く、帝京時代の同級生でもある“あの人”が、山﨑選手の本音に迫ります!
(※本取材は2021年8月24日にリモート取材にて行われました。)

Interview Movie

実際のインタビューの模様を
動画でもお届け!

プロ7年目!
怪我なくシーズンを過ごす秘訣

荒波翔

今日は試合前の忙しい時にありがとうございます!
よろしくお願いします。

山﨑康晃

よろしくお願いします!

荒波翔

通常のインタビューは、前半に僕が気になっていること、後半にファンのみなさんからいただいた質問をぶつけるというスタイルなのですが、今回は後半にスペシャルゲストをお招きしています。山﨑選手に直接質問していただくことになっているので、楽しみにしていてください。

山﨑康晃

はい!楽しみにしています。

荒波翔

山﨑選手とは、僕の現役時代からチームメイトとして一緒にやってきた仲なのですが、こうして真剣に質問をするというのは初めてですね。
さて、山﨑選手は今年でプロ入り7年目。プロ1年目に58試合、翌年に59試合、68試合、57試合、61試合、40試合…と昨年までに合計343試合も投げてきました。
これだけの試合数をこなして、毎年大きな怪我なく過ごせるというのは本当にすごいと思います。
怪我をしないための秘訣というのはありますか?

山﨑康晃

1年間投げ続けるにあたって意識しているのは、「毎日の自分の体の状態を知る」ということです。
これはプロ1年目から、トレーナーさんやコーチはもちろん、監督や荒波さんのような先輩方に支えられ、教わってきたことでもあります。
体の状態を知るための自分のルーティンに関しては、毎日欠かさず続けています。

荒波翔

1年目にいきなり58試合投げているわけですけど、その頃からルーティンは変わらない?

山﨑康晃

毎年体も変わってくるし、いろんな勉強をさせていただいている中で、変化させている部分はたくさんあります。
でも変えちゃいけない部分もあると思っているので、変えている部分と変えていない部分が両方ある感じですね。

荒波翔

じゃあ毎年良いところを取り入れて、より良いものに固めていっている感じですね。

山﨑康晃

そうですね。
今と昔ではトレーニング方法も当然変わってきているし、それに対応していくようにちょっとずつ変化をつけながら、毎年勝負させてもらっています。

荒波翔 山﨑康晃

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気持ちに
体が追いつかなかった昨シーズン

荒波翔

昨シーズンの山﨑選手は、僕から見ると40試合投げているし、頑張っていたと思うんですけど、山﨑選手本人にとっては苦しいシーズンだったのではないかと思っています。
やっぱり、これだけ投げ続けていると、疲労が出てきたりもするのでしょうか?

山﨑康晃

そうですね…。昨シーズンは、「もっとやれる」「もっとチャンスが欲しい」という気持ちが自分の中にあるのに、体がついていかないというのが正直なところでした。
不安な気持ちになったり、重圧に負けてしまう時もあったし、体と気持ちはつながっているというのを実感しました。
そういう中で40試合もチャンスをもらい、それを活かせなかったことは実力不足だと感じています。もっともっと、応援していただいているファンのみなさまのためにも、結果を残し続けたいです。

荒波翔

でも、ファンのみなさんは、山﨑選手が登場するだけで楽しい気分になれるし、盛り上がります!
コロナ禍以前の試合では、会場一体となって“ヤスアキジャンプ”をしたり、声援も一番大きい印象がありました。
長い野球人生の中でみると、昨シーズンのように苦しんだ経験は今後プラスになるはずです。
すでに今年も良いシーズンを迎えていますしね。なので僕は全然心配していません。

ファスティングに初挑戦!
早起きも継続中

荒波翔

今シーズン、ここまで素晴らしい活躍を見せてくれています。新たに取り入れたことなどがあれば教えてください。
オフにはファスティングを経験したという噂も耳にしました。ファスティングって僕はやったことないんですけど、キツかったんじゃないですか?

山﨑康晃

はい。ファスティングは苦しかったですね。
だいたい準備期間を含めて2週間近く、何も口にせず過ごすことから始まって、その間に滝行をしたり、お寺で座禅を組んだりという経験をさせていただいて。
リセットして一から組み立てていく中で、食べられる喜びや当たり前の生活ができる喜びといった、日常生活では気づくことのできない喜びを感じることができました。

荒波翔

感覚や身体的に変わったことはありますか?

山﨑康晃

オフの間は体重も落ちましたね。
シーズンが始まってしまうとなかなかできないことなので、こういう経験ができたことは大きいと思っています。

荒波翔

技術の面で取り入れたことや変えたところはありますか?
いつも向上心を持って取り組んでいる山﨑選手のことなので、日々試行錯誤しながら技術を磨いていると思うのですが。

山﨑康晃

大きく変えた部分はないのですが、毎日のトレーニングに何をするかということに関しては、毎年変わってきていますね。
それから、昨シーズンから続けているのが、早起きです。起きる時間をこれまでよりも早くして、試合に向けた準備の時間に充てるようにしています。
それまでは、何となくいつもギリギリまで寝ていて、急に起きて球場に行くっていう毎日の繰り返しだったんですよね(笑)。

荒波翔

ベテランになると準備が早くなるっていいますし、経験を積んで日々のやるべきことも増えたっていうことだと思うので、すごく良いことだと思います。

知野直人 荒波翔

五輪を経験して
スライダーが新たな武器に

荒波翔

シーズン後半が始まってからのジャイアンツ戦を見たのですが、スライダーを結構使うようになったのでしょうか? しかもそのスライダーがめちゃくちゃ良い!あれは誰かに投げ方を教わった?
山﨑選手はもともと器用だから、ナックルを投げたりだとか色々なことができると思うんですけど、スライダーを取り入れるにあたっては、何かきっかけがあったりする?

山﨑康晃

東京オリンピックの日本代表チームに参加して、色々な選手のピッチングに刺激を受けたことがきっかけです。
似たようなポジションで投げている栗林良吏投手(広島東洋カープ)や、森下暢仁投手(同)のピッチングを見て、スライダーはもちろん、縦割れのカーブを外国人選手に対して有効に使っているなと思って。ブルペンで見ていて非常に刺激を受けたんです。

荒波翔

なるほど。

山﨑康晃

シーズン後半に向けてピッチングを組み立てていく中で、そういう変化球を増やすことで、自分のピッチングが必ず生きると思いました。
シーズンが進むにつれ、相手チームにどんどんデータが収集されてきて、僕自身の実力が狭められているっていう感覚があったので、後半戦の一発目でスライダーを取り入れてみました。さらに色んなことを試していきたいと思っています。今後のスライダーの使い方に関しては、僕自身が楽しみにしていることの一つですね。

荒波翔

あの日のスライダーは、相手チームのジャイアンツのバッター、みんな手が出せないような感じでしたね。右バッターなんかは特に「えっ?スライダー?」みたいに驚いた感じでスイングしていました。
スライダーも武器なんだというイメージをつけたことによって、また幅が広がりそうですよね。楽にツーシームが使えたり、良いタイミングでストレートを差し込めたり。
今後の投球をすごく楽しみにしているので、また見せつけてください!

楽しむ気持ちで舞台へ!
緊張との向き合い方

荒波翔

セットアッパーやクローザーという立場は、自分だったらすごく緊張しそうだな…と思うのですが、山﨑選手は緊張ってしますか?

山﨑康晃

緊張はしますね。

荒波翔

投手の場合だと、人によっては、準備している時には緊張するけど、マウンドに上がる頃にはもう緊張していないっていう人がいたり、結構色々みたいですよね。
山﨑選手はどうですか?どんな風に、どこからどこくらいまで、緊張していますか?

山﨑康晃

試合に行く直前からすごく緊張してますね。
でも、その緊張を楽しむくらいの気持ちで試合に臨んで、あの舞台で投げることこそが一番力を発揮できるというか。
「1点もやらない」という気迫で、仲間が頑張ってつないでくれた勝利を確実なものにしなければならないので、本当にいつも緊張しながら投げています。

荒波翔

じゃあ良い意味で常に緊張しながら投げている?

山﨑康晃

そうですね。無理に緊張感を消そうとはしないというか。緊張しないように自分に言い聞かせたりだとか、あえて意識はしないです。
「緊張と一緒に戦う」「プレッシャーの中で実力を見せつける」というのが、抑えやセットアッパーに求められる部分でもあるのなかって思いますね。

荒波翔

ベイスターズのアカデミーで子供たちに野球を教えたりすることがあるんですけど、打つ時や投げる時に緊張してしまうっていう相談は多いです。
山﨑選手が言った通り、緊張しないこと自体は難しいことですが、山﨑選手からアドバイスをぜひ。

山﨑康晃

1番大事なことは自信を持って試合に臨むことだと思います。
その自信は、どこから生まれるかというと、日々の練習だったり、これまでの試合で出してきた結果です。そういうものしか僕はグラウンドに持っていけないと思っています。
試合に持っていくための自信を大事にするためにも、一生懸命練習に取り組んで試合で良い結果を残して、一つ一つ壁に向かって頑張ってほしいなって思います。

荒波翔

ありがとうございます。子供たちにとってすごくためになると思います。
さて、まだまだ話を続けていたいところなのですが…冒頭で言った通り、今回はスペシャルゲストに来ていただいています!それではさっそくお呼びしたいと思います!

山﨑康晃 荒波翔

山﨑康晃選手

【後編】へ続く

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