オリジナルインタビュー第27弾!
~前編~伊勢大夢選手・入江大生選手が登場!
勝敗を分けた三浦監督からの助言

今回のオリジナルインタビューは、伊勢大夢投手と入江大生投手、2人の若きピッチャーが登場!

プロフィール

伊勢投手は、九州学院高-明治大を経て、2019年ドラフト3位で横浜DeNAベイスターズ入団。右投右打。大学時代は母校を38年ぶりの日本一に導くなど活躍。プロ入り後の2020年は、開幕を1軍で迎え6月に初登板。中継ぎとして好投し33試合に登板。3勝1敗4ホールド、防御率1.80を記録。昨シーズンは39試合に登板し、0勝1敗6ホールド。防御率2.80。終盤にはクローザーを経験。今シーズンは、開幕から21試合連続無失点を続けるなど絶好調。このインタビューの翌日、7月9日のジャイアンツ戦でプロ初セーブを記録。

入江投手は、作新学院高-明治大を経て、2020年ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズ入団。右投右打。高校時代は一塁手・投手として活躍。3年夏の甲子園で3試合連続本塁打を放ち、チームの全国制覇に貢献。大学進学後はピッチャーに一本化。プロ1年目の昨シーズンは開幕ローテーション入りし、3月31日のヤクルト戦で初登板・初先発。8月に右肘のクリーニング手術を受け、以降はリハビリに専念。今シーズンはリリーフに転向。5月5日の中日戦では7回から登板し、2イニング4奪三振、無失点の好投でプロ初勝利。 

伊勢投手は24歳のプロ3年目、入江投手は23歳プロ2年目。今回は、ともにベイスターズが擁する若手の右腕で明治大学出身、大学時代の1学年先輩・後輩の関係でもある2人を直撃。前後編の2回に分けて、インタビューをお届けします。

インタビュアーは今回ももちろんこの人、ベイスターズOBの荒波翔が務めます。
前編は、今シーズン好調な2人の飛躍にまつわるとっておきのエピソード、座右の銘などがテーマ。
2人が大学時代に学んだ“人間力”とは…!?
(※本取材は2022年07月08日にリモート取材にて行われました。)

Interview Movie

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「ゾーンで勝負」
監督からの助言で意識に変化

荒波翔

今日はよろしくお願いします。
このインタビューは、野球に関する質問ももちろんありますが、基本的にはファンのみなさんが知りたいと思っていることや、普段はなかなか聞けないことを聞いていくスタイルです。ぜひ緊張せずにリラックスして答えていただきたいと思います。

伊勢大夢
入江大生

はい!

荒波翔

それではさっそく伊勢投手から。
今シーズンは、今日(2022年7月8日)までに39試合投げて、防御率1.21。すごく安定していると思うのですが、昨シーズンと比べて何か変えたところはありますか?

伊勢大夢

キャンプ中から三浦(大輔)監督に言われている「ゾーンで勝負していく」という言葉で、意識が変わりました。僕の中では、その言葉ですごく楽になれたというか。

昨シーズンまでは、ボール先行で展開がキツくなってくると、「フォアボールやばい…フォアボールやばい…」と追い詰められるようなマインドになっていました。
もともとボール先行していても、ゾーン内でのボールの力には自信があるタイプだったので、課題はこのマインドの部分でした。それが、キャンプインから頭の中を整理できるようになって、シーズンに入ってからも上手く「ゾーンで勝負」できるようになったのが今シーズンなのかなと思います

荒波翔

ストライク先行が増えたり、腕をしっかり振れたりというのは、気持ちの面で向かっていけている部分が大きいということなんですね。

伊勢大夢

ストライク先行が増えたことで、ちょっと苦手としていた変化球も、有効的に使えるようになってきたという手応えを感じています。

荒波翔

今の伊勢投手には、すごく勢いがあると思います。
多少甘い球でも空振りが取れるような投球ができている中で、ストレートがある分、右にも左にもフォークボールが有効になってきていると思うのですが。

伊勢大夢

そうですね。
もうちょっとスライダーが良くなれば、さらに上に行けるなっていう感覚はあるんですけど。
フォークボールがゾーン内ないし、空振りゾーンに投げられるようになったことで、左バッターへの苦手意識が若干なくなったんです。それがやっぱり、1イニング任せられるようになった要因のひとつかな、と。そこにも手応えを感じているところです。

荒波翔 伊勢大夢

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先発から中継ぎへ
毎日戦う気持ちの難しさ実感

荒波翔

それでは入江投手にお聞きします。
昨シーズンは先発を任されることが多かったと思うのですが、今シーズンに入って中継ぎというポジションになりました。慣れないことが多いのではないかと思いますが、特に難しいと感じていることや、良かった点などはありますか?

入江大生

難しいところはやっぱり、投げても投げなくても毎日準備をすることですかね。
体のタフさも必要ですし、毎日戦闘モードでいなければならないというのが、最初はちょっとしんどいな…と。
先発は1試合投げた後に中5日か6日空けて、リラックスしてからまた次の試合に入れるので、毎日試合というのは気持ち的な難しさを感じました。
逆に良かったところは、その日打たれても翌日にやり返せるチャンスがあるところですね。

荒波翔

確かに先発はね、負けたら1週間、ずっと嫌な気持ちでいなきゃならない部分がありますもんね。

入江大生

はい。

荒波翔

入江投手は、もともとすごく良い真っ直ぐを持っているんですけど、中継ぎになって出力がさらに上がったような感じがします。自分自身でも感じていますか?

入江大生

そうですね。
昨シーズンの8月に右肘のクリーニング手術をして、そこからより良いストレート、より高い出力で投げようと決めて、リハビリやトレーニングをしてきました。それが数字となって、目に見える形で現れていることには手応えを感じています。反面、僕の場合はゾーン内で勝負できていない部分があるので…。もう少しゾーン内で勝負できるようになりたいと思っています。

荒波翔 入江大生

れぞれが描く選手像
ベテランになった将来の姿

荒波翔

野球選手としてこれから目指すイメージ、「こういう選手になりたい」という未来像を教えてください。
入江投手からお願いします!

入江大生

これから先、どのような場面で投げるのか予想がついていないところもありますが、マウンドに立った時「お、入江が来た!応援しよう!」と思ってもらえるような選手になりたいと思っています。

荒波翔

ちょっと答えづらいかもしれないですが、先発へのこだわりだとか、「将来は先発としてこうありたい」というのはないですか?

入江大生

そうですね、特にこだわりはありません。
どこでも、任されたところを投げたいと思っています。これからも、場面や役割を問わず頑張っていきたいです。

荒波翔

ファンが安心して見ていられて、登場すると「入江投手が来た!」と盛り上がるような、華のある選手になりたいということですね。
伊勢投手はどうですか?

伊勢大夢

今は真っ直ぐが強い速球派としてやらせてもらっていますが、いずれは真っ直ぐが速いながらも緩急を付けられる技巧派ピッチャーになりたいと思っています。
年齢を重ねると自ずと速球も落ちてきますし、いつかシフトチェンジしないと、ピッチャーとして長く生きてはいけないという自覚があるので。いつかどこかで自分の全盛期として、速い球を投げながらも緩急でタイミングをずらしたりだとか、バッターの間合いを変えられるようなピッチングをしたいという目標があります。

荒波翔

おぉ!そうなんですね。
でも難しいところですね。投げられるうちは今のままで全然良いと思うし、今からそれを考えすぎると、伊勢選手の良さがなくなってしまう気もします。
そこは監督、コーチと相談しながらになりますね。でも僕的には、伊勢投手の力で押していく投球、強気なあのピッチングをね、できる限り長く見ていたいなって思います。

伊勢大夢

はい(笑)

大学時代に学んだ“人間力”
2人が今大切にしている言葉

荒波翔

お二人とも、ユニフォームに入れているスローガンや座右の銘があると思います。それぞれの大切にしている言葉を教えてください。
伊勢投手からお願いします。

伊勢大夢

あんまり綺麗な言葉ではないのですが、僕はグローブの刺繍に「マイペース」という言葉を入れています。
僕は普段からマイペースな部分があるのですが、「マウンドでこそちゃんと自分のペースを保てるように」という思いを込めています。

普段はマイペースなくせに、マウンドでは相手に合わせているピッチャーだと情けないなって。昨シーズン、一昨年シーズンはそう感じてしまうことが多かったんです。なので今シーズンから「マイペース」という言葉を大切にしています。

荒波翔

もともとのマイペースさを、ルーティンの中でも崩さないように意識しているということですか?

伊勢大夢

以前はゲームにのまれるような感覚があったんです。でも、そこはのんびりでも良いし、時にはせっかちなところもある自分のペースを大事にしたいな、と。

荒波翔

なるほど。投げるのに一生懸命になって、知らず知らずに相手に合わせて投げてしまうよりは、ゆっくりでもペースが乱れても、自分のリズムで投げることを心がけているということですね。

伊勢大夢

そうです。

荒波翔

入江投手はどうですか?

入江大生

今、伊勢さんが答えている間に考えようと思っていたんですけど…ちょっとないですね座右の銘(笑)。

荒波翔

でも、パーソナルスローガンには「人間力」と掲げていますね。この言葉を選んだ理由は?

入江大生

高校、大学とチームカラーが「人間力」だったんです。「人間力野球」という風にもいわれていて、例えば道端のゴミを拾ったり、スリッパをきれいに並べておいたり。当たり前のことなんですけど、私生活をきちんとすることが人間力を高めて、野球で良いプレーをすることにもつながる、と。

荒波翔

今、伊勢投手が「お〜」って頷いていたけど、大学が一緒だからね。何となく分かるんですね。

伊勢大夢

そうですね。「人間力」をスローガンにしているからには、ちょっと厳しく見ておきますね(笑)。

荒波翔

そうね。お風呂場のサンダルとかね(笑)。
話を聞いていて、入江投手のロッカーはすごく綺麗なんだろうなって勝手に思ったんだけど、伊勢投手、どうなんですか?入江投手のロッカーは。

伊勢大夢

僕のロッカーは人のことを言えないくらい汚いので…。人のことは何も言えないです。

荒波翔

そうなんですか(笑)?
でも同じ大学だったんだから、同じ「人間力」というテーマを学んできたはずだと思うのですが…?
そこは「マイペース」なのかな?

伊勢大夢

そうですね。そこはもう「マイペース」ですね(笑)。

伊勢大夢 入江大生

次回のインタビューは、伊勢大夢選手・入江大生選手の後編をお届けします。お楽しみに!

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