写真：アフロスポーツ
古代から狩猟や戦争の道具だった弓と矢を用いて行う競技。離れた場所に置かれた的を狙って弓で矢を放ち、得点を競う。五輪正式競技になったのは1900年パリ大会。1920年アントワープ大会から正式競技から外されたが、1972年ミュンヘン大会で再び採用され、現在まで実施されている。
標的までの距離は70ｍ、標的の直径は122cm。中心近くに当たるほど得点が高く、最高の10点から、外側に向かって9点、8点と低くなっていく。
種目数は男女個人、同団体と、前回の東京大会から採用された混合団体の計5つ。男女の団体は3人でチームを編成、混合団体は男女各１人が組んで競う。
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個人戦は男女64名ずつが出場。1カ国・地域からは男女それぞれ最大3名まで出場可能。まず団体の予選も兼ねるランキングラウンドが行われる。1人が72射を放ち、合計得点１位対64位、2位対63位と、上位と下位が対戦するように決勝トーナメントの組み合わせが決まる。トーナメントは交互に射ち、1セット3射30点満点で得点の高い選手に2ポイント、引き分けの場合はそれぞれに1ポイントが与えられる。6ポイント先取した選手が勝ち、5セット行い5ポイントずつで並んだ場合は、シュートオフ（タイブレーク）を行う。シュートオフは1人1射ずつ行い、より中央に近い矢を放った方が勝ち。
男女団体戦は、予選の結果に基づき、トーナメントを戦う12カ国・地域と対戦カードが決まる。トーナメントは１セットに3選手が各2射を行う。60点満点で得点の高いチームは2ポイント、同点の場合は両チームとも1ポイントを獲得し、5ポイント先取したチームが勝利。4セットを終えて両チームが同点の場合は、シュートオフで勝敗を決する。
混合団体は16カ国・地域が出場。予選の結果でトーナメントの組み合わせが決まるのは男女団体と同じで、対戦のレギュレーションも男女団体とほぼ同じだ。
男女とも韓国勢が強く、2016年リオデジャネイロ大会は４種目を完全制覇。前回の東京大会は男子個人のメダルを逃したものの、残る4種目で金メダルと他を圧倒した。今大会も各種目でメダル争いをリードするだろう。日本は2番手グループに属し、今大会にも出場する古川高晴は前回の東京大会で男子個人、男子団体ともに銅メダルを獲得。夏季オリンピック6大会連続出場となり、日本勢最多に並んだ。2012年ロンドン大会個人で銀メダルを手にし、東京は銅2個。経験に支えられた技術と、常に平常心と同じフォームを保つ心身の強さで、4個目にして初の金メダルに狙いを定める。
女子は野田紗月が出場。2023年世界選手権個人3位、同年アジア大会2位の実績を持ち、メダルへ期待がふくらむ。
