写真：西村尚己/アフロスポーツ
縦4.28ｍ、横2.14ｍのベッドと呼ばれる弾力性に富んだシートをスプリングでフレームに固定したトランポリン上で跳躍し、演技を行う採点競技。競技ルールが確立され、初の世界選手権が開催されたのは1964年。五輪では2000年シドニー大会で男女の個人が採用された。今大会も2種目でメダルが争われる。
男子トップ選手の跳躍高度は8ｍに達し、着床の瞬間には体重の10倍以上の負荷がかかる。高度は重要な要素だが、高くなればなるほど、空中でわずかに体勢が崩れただけで着床位置がずれる危険性も増す。着床時に体勢を崩しベッドから落下した場合は演技終了となり、やり直すことはできないため、一発勝負の怖さがつきまとう。
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演技は異なる10種目の技を連続して行う。10種目それぞれ、前後の回転やひねりの数から算出する加点式のDスコア、姿勢の美しさなど技の出来栄えを20点満点からの減点方式で評価するEスコア、滞空時間を1秒1点で得点に換算するＴスコア、着床の安定性を10点満点からの減点方式で評価するＨスコアの合計点で順位を競う。演技時間は約20〜30秒と短い。出場は男女各16人で、予選では2回演技を行い、上位8名が決勝に進出。予選の得点は持ち越されず、決勝は1回の演技で順位を争う。
今大会の日本男子代表は西岡隆成、女子代表の森ひかる。五輪初出場の西岡は、2021年世界選手権2位、2023年は3位の実績と、3回宙返り技を6～7本組み込んだ極めて高い難度の演技構成力を持つ。森は2大会連続出場。2019年の世界選手権で優勝し、金メダル候補として前回の東京大会に臨んだが、着床に失敗して予選敗退。しかし挫折から這い上がり、2022年の世界選手権で2度目の優勝を飾った。西岡、森を含め日本代表選手は世界選手権で何度も表彰台に立っているが、五輪のメダルには届いていない。今大会では悲願達成なるか注目される。日本勢のライバルになるのは、男女とも安定した成績を残している中国勢。中でも男子の厳浪宇は東京大会後に頭角を現し、2021、2023年の世界選手権を制している。女子は中国勢に加え、2016年リオデジャネイロ大会で銀メダル、東京大会で銅メダル、2021、2023年の世界選手権でも優勝しているイギリス代表のブライオニー・ページらがメダル候補だ。
