写真:二宮清純

スポーツ×教育コラム by 二宮清純

2025.9.25

マルチスポーツで未来のスター育成。
スナッグゴルフで「楽しさ」を実感

写真:SPORTS COMMUNICATIONS
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日本のスポーツの司令塔的な役割を担うスポーツ庁は、ジュニア期の子供たちを対象に、マルチスポーツの重要性を説いています。複数のスポーツを同時期に行なうことで、運動の基本動作がバランスよく習得できるとともに、社会性や協調性の育成、故障の防止にもつながると指摘されています。

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「神奈川から世界へ」

2021年東京オリンピックで金メダルを獲得した女子やり投げの北口榛花選手が、幼少期、水泳やバドミントンに取り組んでいたことは、広く知られています。バドミントンでは、世界選手権で女子シングルスを3度制した(21年、22年、25年)山口茜選手と対戦したこともあるそうです。

全身運動の競泳で、体のバランス感覚を養った北口選手は、バドミントンにおいても「腕を振る動作はやり投げに直結している」と語っています。

サッカー元日本代表FWの城彰二さんは、身長179センチながら、ヘディングの強さに定評がありました。

城さんから、こんな話を聞きました。
「僕がヘディングが得意だったのはおそらく、幼稚園の頃からサッカーだけでなく、野球もやっていたことが影響したと思います。小学校4年時にはセンターを守っていて、外野フライを捕った経験が大きかった。ピッチャーの投球に対して、バットがどんな角度で入ったかを確認できれば、フライの落下地点も読める。

サッカーでは、クロスをあげようとする味方選手の足の角度を常に見ていました。キックの瞬間、そこをチラッとでも見ることができれば、ボールの落下地点が読めるからです。あとは、ジャンプのタイミングを計るだけでした」

マルチスポーツを推進する動きは、地域レベルでも広がっています。「未来へ走り出せ! 神奈川育ちのトップアスリート!」というスローガンとともに2023年にスタートした「かながわジュニアスターズ」も、そのひとつです。

「応募の小学4年生約1000人に、体力・運動能力測定を受けてもらい、一学年約50人(男子25人、女子25人)を選抜しました。その生徒たちが2年間、いろんなスポーツに触れられる機会を、神奈川県は提供しています。特定の競技に絞るのではなく、いろんな競技を通じてバランスよく身体能力を高めていくことが活動目的の1つです。

また、小学5~6年生の間に自分の適性に見合った競技を見つける。そして中学校入学のあたりから競技を絞り、将来のオリンピアンやパラリンピアンを神奈川県から輩出しようと、結成したのが“かながわジュニアスターズ”です」(神奈川県立スポーツセンター事業推進部長兼総合教育センター体育指導担当部長・粟野成広さん)

写真:SPORTS COMMUNICATIONS

米国はシーズン制

この9月、ジュニアスターズの選手たちは、ゴルフに挑戦しました。ゴルフといってもスナッグゴルフと呼ばれるもので、使用するクラブはアイアンに似たランチャーと、パターの役割を担うローラーの2種類しかありません。

大人が打っても、最大飛距離は50ヤード(約45メートル)程度ですから、限られた場所でも楽しむことができます。ルールに詳しくないゴルフの初心者でも、簡単に楽しむことができるのが特徴です。

ジュニアスターズの選手たちにスナッグゴルフの体験教室を提供したのは、明治安田生命保険相互会社(明治安田)とJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)です。9月3日から6日にかけて東名厚木カントリー倶楽部で行なわれた「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ明治安田カップ」の最終日、63人の小学5、6年生(男子29人、女子34人)を招待しました。

ほとんどの子供たちにとっては初めてのゴルフでした。嬉々とした表情が印象に残っています。

「いろんなスポーツやってみることで、自分の未来が変わるかもしれない。他のスポーツもやってみたいです」(6年生男子) 「ボールがクラブにうまく当たった時は、気持ちがよかった。もう1回、やりたいなと思いました。いろんなスポーツを体験することで、中学校に入った時の部活選びとかにも役立つのかなって思います」(6年生女子)

近年、「体験格差」が新たな社会問題として取り沙汰されています。家庭の経済状況、育った地域の環境が、子供たちの発育に大きな影響を与えていると指摘する向きもあります。

スポーツにおいても、同様のことが言えます。幼少のうちに複数のスポーツに取り組むことで、向き不向きを知ることができ、やりたい競技を自分で見つけることもできます。

たとえば米国の高校や大学は、秋はアメフトやサッカー、冬はバスケットボールやアイスホッケー、春はベースボールやテニスといった具合にシーズン制を採用しています。日本も参考にすべきかもしれません。

サイン:二宮清純

二宮清純

集合写真

二宮清純 スポーツジャーナリスト

写真:二宮清純

1960年、愛媛県生まれ。
スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック・パラリンピック、サッカーW杯、ラグビーW杯、メジャーリーグ、ボクシングなど国内外で幅広い取材活動を展開。明治大学大学院博士前期課程修了。広島大学特別招聘教授。大正大学地域構想研究所客員教授。「スポーツ名勝負物語」「勝者の思考法」など著書多数。

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