あなたの「みたい」が見つかるコラム

総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持つ世界を舞台に、事故や災害、“個性”を悪用する犯罪者・敵＜ヴィラン＞から人々と社会を守る職業・ヒーローになることを目指し、雄英高校に入学した“デク”こと緑谷出久（みどりやいずく）。彼とその仲間たちの成長を描く大人気コミックが原作の「僕のヒーローアカデミア」（通称「ヒロアカ」）は、2016年よりTVアニメが放送開始。

高校生たちの熱い青春と友情、そしてさまざまな“個性”を持ったヒーローたちによる手に汗握るバトルシーンをふんだんに盛り込んだ本作は、日本のみならず世界中のアニメファンを魅了。彼らの応援に支えられ、2024年5月から待望のTVアニメ第7期がオンエアされるロングシリーズに成長している。

「ヒロアカ」の魅力といえば、なんといっても主人公・デクのどこまでも真っすぐな性格だろう。ヒーローになるための必須条件でもある“個性”を持たないものの、憧れのNo.1ヒーロー、オールマイトと出会い、「救けを求めている人を見過ごせない」という内に秘めたヒーローの資質を見いだされたことで、“個性”ワン・フォー・オールの後継者に選ばれる。

No.1ヒーローの器となるために、ハードなトレーニングを乗り越え、無事にヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学した彼は“個性”で社会や人々を助けるヒーローになることを目指し、ヒーロー科1年A組のクラスメートたちと共に成長。しかし、敵＜ヴィラン＞との全面戦争が勃発したことで、デクにも大きな試練が訪れる。

デクたちヒーローサイドと対局の存在となる敵＜ヴィラン＞だが、彼らも圧倒的な“個性”の持ち主として、そしてひとりの人間として描いているのも本作の大きな魅力。「全てを壊す」という信念を持つ死柄木（しがらき）をはじめ、敵＜ヴィラン＞たちの複雑で悲しい過去や彼らの信念をしっかり表現したことで、ヒーローたちに肉薄するほどの人気を獲得。血だらけのデクに一目ぼれして想いを寄せ続けるトガヒミコは、シリーズ屈指の人気を誇る女性キャラクターとして知られている。

主人公・デクの戦いと成長を描くTVアニメの他にも、劇場版やオリジナルエピソードも制作されている「ヒロアカ」。なかでも劇場版は、原作者の堀越耕平監修によるオリジナルストーリーが展開。映画ならではの迫力とハイクオリティーなバトルシーンや、映画オリジナルキャラクターとの心の交流などを丁寧につづった秀作ぞろいだ。また、オリジナルエピソードも原作コミックでは描かれていない、ひと味違ったエピソードが楽しめる。

そして演じる声優陣もヒロアカのアニメにはもちろん欠かせない。デク役の山下大輝、オールマイト役の三宅健太、爆豪（ばくごう）役の岡本信彦、お茶子役の佐倉綾音、死柄木を演じる内山昂輝、そしてオール・フォー・ワン役の大塚明夫ら、人気と実力を兼ね備えた声優陣も、ストーリーをさらに輝かせてくれる大切な存在だ。いよいよ最終決戦の時が近づく第7期でも、彼らが魂のこもった熱演で盛り上げてくれるだろう。

また、「ヒロアカ」主題歌を担当したsumika、SUPER BEAVER、緑黄色社会ら豪華アーティストたちが集まり、2月24日、25日に神奈川・横浜アリーナで開催された、ANI-ROCK FES.2024「僕のヒーローアカデミア PLUS ULTRA LIVE」も見逃せない。アニメ映像とアーティストたちが奏でるサウンドの融合をたっぷりと楽しんでほしい。

文：中村実香