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超大国ブリタニア帝国に占領され、エリア11と呼ばれるようになった日本を舞台に、そこに生きる少年たちのドラマチックな運命を描くアニメ「コードギアス」シリーズ。2006年放送開始の「コードギアス 反逆のルルーシュ」を皮切りに、同じ世界線で活躍する少年パイロット、アキトが主人公の外伝「亡国のアキト」なども制作。ゲームやマンガ、小説、舞台などで、新しいファンを獲得しつづけている。そして2024年5月からはロゼとアッシュという兄弟を新たな主人公に迎えた「コードギアス 奪還のロゼ」も全4幕で公開されるなど、その人気は今なお衰えを知らない。

そんな「コードギアス」シリーズの原点でもある「反逆のルルーシュ」は、自分と妹・ナナリーを捨てたブリタニア帝国の皇帝でもある父への復讐（ふくしゅう）と、母を暗殺した犯人を見つけ出すため、母国に革命を起こそうとするブリタニア帝国第十一皇子、ルルーシュが主人公。自らの出自を隠し、ごく普通の少年としてエリア11の私立高校アッシュフォード学園に通うルルーシュは、ある日テロリストとブリタニア軍の戦闘に巻き込まれる。そこで彼は偶然、軍に所属する旧友・枢木（くるるぎ）スザクと再会する。

そして、戦いの中でブリタニア軍のトップシークレットでもある謎めいた少女・C.C.（シーツー）と出会ったルルーシュは、彼女からどんな相手でも自分が下した命令に従わせる異能力を授けられた。その力“ギアス”を利用し、ルルーシュは黒いマントと仮面を被った「ゼロ」という名のカリスマとして、若者たちで構成されたテロリストグループを母体にした私設軍隊「黒の騎士団」を創設。本格的にブリタニア帝国に戦いを挑む。

母の暗殺事件に巻き込まれ、視力を失い、不自由な体となったナナリーが幸せになる世界を作りたい。そうした妹への深い愛情が行動原理でありながらも、多くの人々の命を犠牲にして母国に反旗を翻すルルーシュ。まだ17歳ながら頭脳明晰（めいせき）な彼は、どんな窮地に追い込まれてもギアスの力と持ち前の冷静さで困難を切り開いていく。その鮮やかかつ大胆不敵な手腕に黒の騎士団メンバーはもちろん、視聴者も魅了される。そんなルルーシュの野望を阻む存在として描かれるのが、幼なじみのスザクだ。日本最後の総理大臣の息子でありながら、名誉ブリタニア人として帝国軍に所属するといった複雑な状況下で生きる彼は、己の正義や理想のために戦う。

自分の信念のために突き進むルルーシュのストイックな生きざまや、ナイトメアフレームと呼ばれるロボットによる圧巻のバトルが男性ファンをとりこにする一方、ルルーシュやスザクを思う少女たちの存在が、女性ファンの共感を呼ぶ。ルルーシュと同じ生徒会メンバーでもあるシャーリー、ゼロとルルーシュ両方の顔を知りながら彼を慕うカレン、騎士に任命したスザクと心通わせるブリタニア帝国第三皇女ユーフェミア。そして、ルルーシュにギアスの力を与えて共犯関係を築くC.C.など、女性キャラクターたちの心模様を繊細に描いたことで硬派なロボットアニメにもかかわらず、多くの女性ファンを魅了し続けている。

2006～2008年に放送されたTVシリーズ「コードギアス 反逆のルルーシュ」「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」、そして2019年に公開された映画『コードギアス 復活のルルーシュ』。ルルーシュの壮絶な生きざまを描き、今なお色あせることのない大ヒットアニメシリーズの原点から、あらためてその魅力に触れてほしい。

文：中村実香