あなたの「みたい」が見つかるコラム

1980年代、子どもから大人まで圧倒的な支持を得ていた「週刊少年ジャンプ」連載のコミック「キン肉マン」。1983年より放送のTVアニメは平均視聴率20%超を記録し、その後、劇場版も7本製作されるほどの人気を博した。さらに、累計1億8千万体以上もの出荷数を記録したカプセルトイ“キンケシ”は、社会現象とも呼べる一大ブームを巻き起こした。

物語は昭和後期の日本を舞台に、覆面プロレスラーのようなビジュアルのキン肉マンが、突如飛来したUFOから現れた宇宙人の少年・ミートに、自身がヒーローの中のスーパーヒーローであるキン肉族の王子であると告げられるところから始まる。当初、ジャイアント馬場やアントニオ猪木といったスーパースターの活躍により国民的大ブームを巻き起こしていたプロレスや、特撮巨大化ヒーロー作品をモチーフに、キン肉マンが地球にやって来た怪獣を倒すために奮闘する姿をコミカルに描いていた。その後、プロレス色を前面に押し出した熱血格闘ストーリーへとシフトしていった。

本作の魅力は何といっても、キン肉マンをはじめとする超人たちの存在だ。好物が牛丼という親しみやすい存在のキン肉マンをはじめ、彼の熱い魂に触れて情に厚い男へと成長した盟友・テリーマン、気品と貫録にあふれる理知的な超人・ロビンマスクなど、多彩なキャラクターたちが、その性格や能力が一目瞭然なビジュアルで登場。リングで激突する彼らが、死闘の中で友情を深めていく熱血ストーリーは今も色あせることなく、見る者の胸を熱くさせる。そんな本作は、1983年に「キン肉マン」、1991年に「キン肉マン キン肉星王位争奪編」としてTVアニメ化され、その続編となる「キン肉マン 完璧超人始祖編」が7月より放送される。

決勝でロビンマスクを倒して超人ワールドカップで奇跡の初優勝。翌年には決勝でウォーズマンとの死闘を制して連覇し、宇宙の平和を守る正義超人の中心人物となったキン肉マン。最後の試練、6人の王位継承候補者によるキン肉星王位争奪サバイバル・マッチも勝ち抜き、晴れてキン肉星第58代大王に即位後、地球から故郷へと帰還して8年にわたる戦いの日々に別れを告げた。それから約1年半後、全宇宙は平和に包まれていたはずだったが…。

キン肉マン役に人気声優の宮野真守を新たに迎え、テリーマンなど宇宙の平和を守るべく活動する正義超人、この世の支配をもくろむ悪魔超人、地上からの弱小超人一掃を狙う完璧超人たちによる三つ巴の激闘を描く新シリーズ。往年のファンはもちろん、「キン肉マン」に触れたことのない世代も熱くなること必至な、友情・勝利・努力のすべてが詰まった物語は見逃せない。

文／中村実香