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「お母さんが一緒」特別インタビュー 監督・脚本 橋口亮輔×主演 江口のりこ

ホームドラマチャンネル25周年記念作品として企画・製作されたオリジナルドラマ「お母さんが一緒」(原作 ペヤンヌマキ)が2024年2月18日(日)より放送スタート。監督・脚本の橋口亮輔さんと三姉妹の長女・弥生を演じる江口のりこさんに話を聞いた。

取材・文:上村由紀子

ドラマ「お母さんが一緒」放送情報はこちら

リハーサルを経て紡がれた三姉妹の会話劇

監督・脚本 橋口亮輔×主演 江口のりこ

――「お母さんが一緒」はリハーサルを経て撮影されたそうですね。

橋口:今回は舞台が原作の会話劇ということもあり、三姉妹が織りなす生(なま)の空気感を大切にしたいと思いました。最近のドラマの現場では撮影前にリハーサル期間を設けることは珍しいのですが、今回はリハーサルやディスカッションを重ねる時間が取れ、三姉妹それぞれの関係性や人物像を明確にしてから撮影に入れたので、とても自然に三人の会話が紡がれていると思います。それぞれの役の感情のザラつきが映像に出ているところも、リアルに感じていただけるのではないでしょうか。

江口:リハーサル、本当に楽しかったですし、あの期間があってよかったです。役者の仕事って、簡単にいうと台本をもらってセリフを覚えてそのシーンを成立させることですが、極端な話、それは誰にでもやれるんです。だけど、どうやったら面白い場面にできるのか、自分が演じる役の本質をどんなアプローチで見つけるのか、その過程こそが役者にとって1番大事なんですね。今回、橋口監督にはいろいろなことを教えてもらった気がします。ちょっと学校みたいでした(笑)。

長女・弥生を生身の女性として描きたかった

監督・脚本 橋口亮輔

――撮影中のエピソードなどあれば教えていただけますか。

橋口:三姉妹・長女の弥生は感情のふり幅がとても大きい人ですが、漫画的なキャラクターにはせず、生身の女性としてしっかり存在させたいと思っていました。そのことを踏まえ、ぜひ江口さんに演じてほしいとオファーしたのですが、今や物凄い売れっ子なので、受けてくれるかドキドキしましたよ(笑)。

江口:私は最初にお話を聞いた時から橋口監督が演出するドラマなら絶対にやると決めていました。次女役の内田慈ちゃんや三女役の古川琴音ちゃんも真摯に芝居と向き合う人たちなので安心感もありましたし、オフの時間も一緒にいてとても楽しく、幸福な撮影だったと思います。監督はネルソンズの青山(フォール勝ち)さんが現場に来るととても楽しそうで、その時は私たちもテンションが上がりました(笑)。

橋口:そうだったかな(笑)。江口さんと初めて一緒に仕事をしたのは2008年の映画「ぐるりのこと。」の時でしたね。

江口:すごく緊張感がある場面に突然飛び込んできてひとこと怒鳴って帰る役だったので、繊細に積み上がったシーンを自分が崩してしまわないよう必死にやったことを覚えています。

家族のことを語りたくなる作品

主演 江口のりこ

――今回のドラマのテーマでもある「家族」と聞いてどんなことをイメージしますか?

橋口:この「お母さんが一緒」が完成した時に関係者の方たちに観てもらったのですが、皆さん、作品の内容について感想を語るより、ご自身のご家族のエピソードをお話になるんです。僕、それがすごく素敵だと思ったんですよ。やっぱり、誰の心にも家族という存在があって、ふとした時にそれを誰かに語りたくなるんでしょうね。

江口:家族って面倒ですよね(笑)。もういいや、って振り切ろうとしても、どうしたって気になってしまうし、何があってもやっぱり切り離せない。私も今回、三姉妹の長女を演じて、そこで交わされる言葉の応酬のしんどさを体感し、プライベートでは妹たちにあれこれ言うのを少し控えようと思いました(笑)。

クスっと笑えてチクっと刺さる三姉妹の会話劇

家族だから、姉妹だからこそ鋭い言葉をぶつけてしまうーー。ホームドラマチャンネル開局25周年記念オリジナルドラマ「お母さんが一緒」で展開するのは、何ともいえないおかしみと切なさで心が満たされる一晩の物語だ。

母親の誕生日を祝うため、山間部の温泉宿にやってきた三姉妹。が、そこにある人物が現れたことで事態は思わぬ方向に動き出す。母の期待に応えようと懸命に勉強し、東京の大学から出版社に就職した長女の弥生(江口のりこ)、複数の男性と奔放な恋愛を重ねる次女・愛美(内田慈)、実家暮らしで幼馴染との結婚を望む三女の清美(古川琴音)。40歳間近、30代中盤、アラサーの三姉妹は「結婚」というキラーワードをトリガーに、旅館の一室でそれぞれ腹の中に溜めていた感情をさらけ出して激しい言葉をぶつけ合う。

本来ならばこの旅行の主役であり、話題の中心でもある“お母さん”が姿を見せず、三姉妹のバトルにも一切参戦しないのがおもしろい。視聴者は三姉妹の話から“お母さん”のキャラクターを想像するしかないのである。
また、非常に強い言葉で母への憤りを妹たちに語る弥生こそが、じつはもっともその気質を受け継いでいる上に、お母さんに認めてもらいたい、褒めてほしいと誰よりも激しく心の中で叫んでいるさまがとても切ない……これこそ長女あるある、だ。

家族って、家族だなあ、と思う。生まれた時から決められていて、自分の意志ではどうにもできないもっとも濃密で面倒くさい人間関係。でも、だからこそひどい言葉を投げつけあった翌日、何事もなかったように一緒に朝食の卓を囲めるのかもしれない。

三人の舌戦に笑いながらも心の柔らかい部分にチクっと刺さるドラマ「お母さんが一緒」。さて、あなたはどの登場人物に自身を重ねるだろうか。

文:上村由紀子
 ヘアメイク:鈴木彩
 スタイリスト:清水奈緒美

放送・配信情報

お母さんが一緒

ホームドラマチャンネル開局25周年記念 オリジナルドラマ
お母さんが一緒 #1

ホームドラマチャンネル開局25周年を記念して企画・製作された、ペヤンヌマキの同名舞台を原作としたオリジナルドラマ。親孝行のつもりで、とある温泉宿に母親を連れてきた三姉妹。「母親のような人生だけは送りたくない」という共通の感情を抱える三姉妹の悲喜こもごもがブラックユーモアたっぷりに描かれる。

直近の放送

2/18(日) 22:00〜22:30

ホームドラマチャンネルHD
韓流・時代劇・国内ドラマ

まだまだあります!
おすすめ国内ドラマ

オリジナル時代劇
橋ものがたり「約束」

オリジナル時代劇 橋ものがたり「約束」

片岡千之助、北香那、望海風斗ら出演、
「北の国から」シリーズの杉田成道監督作品

『橋ものがたり』は、町人の人生を瑞々しく描き“市井もの”の原点といわれる、藤沢周平の十篇からなる名作短篇集。「約束」は、そのなかでも絶大なる人気を誇る一篇。「北の国から」シリーズの杉田成道が監督・脚本を手掛け、情緒豊かな江戸の風景を丁寧に描き、「約束」を支えにひたむきに生きる若い男女の心情までも美しく映し出す。主人公の「幸助」を演じるのは、本作が時代劇初主演となる歌舞伎俳優・片岡千之助。相手役の「お蝶」を、大河ドラマ「どうする家康」で話題の注目女優・北香那が務める。幸助と“秘密”を共有する「おきぬ」は、映像作品初出演となる元宝塚歌劇団雪組トップスターの望海風斗。脇を固める俳優陣の豪華さも必見だ。

直近の放送

2/25(日) 12:00〜14:00

時代劇専門チャンネルHD

金魚妻 #1

金魚妻

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直近の放送

2/20(火)22:00〜22:50

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イチケイのカラス

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直近の放送

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映画・チャンネルNECO-HD

イチケイのカラス スペシャル

直近の放送

2/17(土) 19:00〜21:00

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映画 イチケイのカラス

直近の放送

2/17(土) 21:00〜23:05

映画・チャンネルNECO-HD

連続テレビ小説
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カムカムエヴリバディ

朝ドラ史上初、上白石萌音、深津絵里、
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直近の放送

2/19(月) 8:00〜9:00

チャンネル銀河
歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた

CODE-願いの代償- 一挙放送

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坂口健太郎主演
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直近の放送

2/25(月) 10:50〜19:15

ファミリー劇場HD

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元彼の遺言状

綾瀬はるか、大泉洋のタッグで送る
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「元彼の遺言状」は、第19回「このミステリーがすごい!」大賞、通称“このミス”で大賞を受賞した同名小説が原作。最終選考委員から満場一致で選ばれた話題作だ。作品の主人公である剣持麗子は、強烈にキャラの立った女性弁護士。我が道を突き進む強い女性を、初の弁護士役の綾瀬はるかが好演している。見事にハマった綾瀬はるかの熱演は視聴者から高い支持を得て、最終回を迎えるとSNS上で“麗子ロス”の声が多数上がるほど。物語では共演の大泉洋が演じる篠田敬太郎とタッグを組み、数々の難事件を解決していく。

直近の放送

2/19(月)22:00〜22:50

フジテレビTWO ドラマ・アニメ

寄稿者プロフィール

上村由紀子

上村由紀子(かみむらゆきこ)

演劇科の大学を卒業後、俳優、FMラジオDJ、TVナレーターなどを経て、エンタメ、カルチャー分野での取材・執筆活動へ。4000回以上の観劇歴を活かし、TBS『マツコの知らない世界』(劇場の世界)、『3つ星エンタメガイド ミテラン』、『アカデミーナイトG』、日テレ『行列のできる相談所』等のメディア出演や、舞台関連番組の監修、トークイベントの構成・司会なども多数担当。近年ではドラマレビューや俳優深掘りコラムを各媒体に寄稿し、SNS等で多くの支持を得る。

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