あなたの「みたい」が見つかるコラム

“ミスタータイガース”掛布雅之が、100歳を迎える甲子園を振り返る
「甲子園は“おふくろ”のような存在」

掛布雅之

今年8月1日、阪神甲子園球場が竣工100周年を迎える。
同日、CSチャンネルのスカイAでは100周年を記念し、「おめでとう。甲子園100歳」が生放送される。

甲子園球場といえば阪神タイガースの本拠地であり、また高校野球の全国大会の舞台として数々の名勝負を生んだ、野球人にとって憧れの球場でもある。今回は、'74年から阪神タイガースで15年プレーし、球団初の日本一にも貢献した“ミスタータイガース”こと掛布雅之に、甲子園の魅力や、現役時代の裏話を聞いた。

プロ野球選手になって初めて甲子園に立たれたときの印象を教えてください。

ナイターがすごくきれいでした。甲子園の土って、ボールが見えやすいように、そして目にも優しいように黒いんです。それと、芝生のグリーンのコントラストが、当時のカクテル光線に照らされてすごくきれいでしたよ。

現役時代で一番記憶に残っている試合は?

甲子園での巨人戦は別格でしたね。王(貞治)さんもそうおっしゃっていました。お客さんが雰囲気を盛り上げて、甲子園での阪神・巨人戦の舞台を整えてくれるんです。僕らの時代は5万8000人くらい入りましたので、今より1万5000人ほど多かったんじゃないかな。満席のときはぎゅうぎゅうで、とくに夏は白っぽい服装のお客さんが多いから、スタンドがモコッと盛り上がっているように見えましたよ。

現役時代で印象的なエピソードはありますか?

掛布雅之

スコアボードですかね。僕らの時代は電光掲示板じゃなくて、手書きでしたから、まだレギュラーになれない若い選手の頃の看板は、その場で書くんです。だから、雨が降っちゃうと滲んで消えちゃうの。それがまた情緒があったんですよ。あと、選手名板の表と裏に、別々の選手の名前が書いてあるんですが、レギュラーになると、表だけに消えないペンキで「掛布」って書いてもらえるんですよ。その看板は一人前になったという、レギュラーの勲章でしたね。

15年間の阪神タイガース人生を経て、引退後に感じたことは?

甲子園で当たり前のように毎日練習をさせてもらって、あと僕らの時代は年間130試合制でしたから、60試合くらい甲子園球場で野球をさせてもらったことは、今思えば感謝せなあかんと思いますね。当たり前と思っちゃいけないんじゃないかなと思いますよ。松井(秀喜)や、江川(卓)が、「甲子園はあのままじゃなきゃダメだ」「屋根も付けちゃダメだ」と言っていてびっくりしたんですけど、それだけ、みんなの思い出が詰まってるんだよね。選手の喜びも、涙も汗も全部飲み込んできたのが甲子園なんです。

現役引退後、甲子園について新たに気づいたことはありましたか?

掛布雅之

オーナーと甲子園球場のロイヤルスイートという部屋で、2人で観戦したことがあるんです。上から見る甲子園は、めちゃくちゃきれいでしたね。最上階から全体を見下ろす感じで、「こんなきれいなところで野球をしていたんだ」と。だから、「この部屋を使わないときがあれば、5分でも10分でもいいですから二軍の選手に見せてあげてくれませんか?」とお願いしたことがあるんです。こんなきれいな球場で野球ができるんだぜ、これがお前たちの本拠地なんだぜというのを若い選手に見せてあげてほしい、と。

もうひとつ感じたことは、高校野球の甲子園と、プロ野球の甲子園は空気が全然違うこと。引退後に高校野球の取材を記者席で見させてもらったことがあるんだけど、高校野球はすがすがしい。プロ野球は、酸いも甘いも経験した百戦錬磨の選手たちばかりなので、やっぱり空気が重たいんですよ。高校生を応援するスタンドも含めて、すがすがしい風を感じましたね。

掛布さんにとって、甲子園はどういう場所ですか?

“おふくろ”みたいなもんなんじゃないの? やっぱり、オヤジじゃないんだよな。包みこまれるような優しさもありますし、厳しくて魔物がいるような怖い球場にも変化しますし。野球の厳しさをし得られたのも甲子園だし、楽しさを教えてくれたのも甲子園でした。そう感じさせるのは、やっぱり100年の歴史と、すべてを包み込むようなあの佇まいにあると思いますね。

撮影/浅羽将司 取材・文/中野純子
撮影協力/ホテルヒューイット甲子園

放送情報

おめでとう。甲子園100歳

おめでとう。甲子園100歳

直近の放送

8/1(木) 16:30~17:30

スカイA

プロフィール

掛布雅之

掛布雅之(かけふ まさゆき)

‘55年、新潟県生まれ、千葉県出身。市立習志野高等学校から’73年にドラフト6位で阪神タイガース入団。本塁打王3回、打点王1回、ベストナイン7回、ダイヤモンドグラブ賞6回、オールスターゲーム10年連続出場などの成績を残す。‘88年に現役引退。現在は、野球解説者、評論家として活躍し、YouTubeチャンネル「掛布雅之の憧球」も話題を呼んでいる。

J:COM TVシン・スタンダードで、
厳選した専門チャンネルと
日本初上陸の
Paramount +が加わった動画配信が楽しめる!

もう見逃さない!リモート録画予約 タブレット、スマホ、パソコンからカンタン予約で録りまくり!

対象:J:COM LINK / 4K J:COM Box / Smart J:COM Box

※ご利用にはFun! J:COMへのログインが必要となります
※チューナーはご加入のサービスにより異なります。ブルーレイHDRの一部機種でもご利用頂けます。
ハードディスク内蔵型でない機器をご利用の場合、別途USB-HDDのご購入が必要となります。

PageTop