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放送とともに大きな反響を呼んだ“新たな鬼平”第一弾「本所・桜屋敷」、現在公開中で第二弾となる劇場版「血闘」に続く「鬼平犯科帳」SEASON1新作二作品が、6月、7月に連続放送することが決定!五代目・長谷川平蔵を演じる松本幸四郎さんに見どころを聞いた。
撮影/菊竹規
私が主演した新たな「鬼平犯科帳」のSEASON1、1月に放送された第一弾のテレビスペシャル「本所・桜屋敷」放送後の反響はとても大きく、普段あまり共演機会がない歌舞伎の先輩方や鳴物(演奏担当)さんからも「見ましたよ」と声をかけられ、鬼平ファンが周りにも多いのだと実感しました。
新作の劇場版「血闘」、連続シリーズ「でくの十蔵」「血頭の丹兵衛」には、それぞれに違う平蔵の顔が出てきます。
「鬼平犯科帳 でくの十蔵」©日本映画放送
「血闘」では密偵のおまさとのつながりが描かれます。少女時代から知る彼女が、密偵になったために絶体絶命の危機に陥ってしまう。「てめえらを許すわけには、いかねえ」というセリフの通り、ここでの平蔵には兇賊(きょうぞく)に対する強い怒りがあります。「でくの十蔵」は、平蔵の配下の同心・小野十蔵が巻き込まれる大事件です。信頼で結ばれたはずの火付盗賊改方にほころびが生じたとき、長官(おかしら)として平蔵がどう受け止めるか。辛いところですが、呼び出して問い詰めたりしないところが、平蔵のすごさですね。それは捕縛した盗賊の粂八(くめはち)の言い分を信じて、粂八自身に事件の真相追及を託す「血頭の丹兵衛」にも通じています。叱ったり、ああしろ、こうしろと指図するのとは違う。相手を信じながら、どうするかを見ている。なかなかできることではありません。ここで何も言わない、泣き言も言わない。“平蔵は強い男”だと感じながら演じていました。
厳しい日々を送る平蔵にとって、そばにいて理解してくれる妻の久栄の存在はとても大きい。久栄が赤子を抱き、平蔵が「生まれつきの盗賊はいない」と語る場面がありますが、こういうところにも平蔵と久栄の人柄が出ていると思います。
「鬼平犯科帳 でくの十蔵」©日本映画放送
「血頭の丹兵衛」は、シリーズに欠かせない粂八とのエピソード。親を知らず悪の道に入った粂八の身の上を聞く場面は、露天風呂でのロケでした。(粂八役の)和田聰宏さんとは過去にも共演しているので、気心の知れた仲で面白かった。これから粂八と話すのは、常に露天風呂でも良いくらいです(笑)
どの作品も凶悪な盗賊に鬼平がどう立ち向かうか、手がかりをつかむかは、大きな見どころです。丹兵衛役の古田新太さんのあの軽快さと豪快な殺陣、芝居のメリハリは僕の憧れで、共演がとても楽しみでした。立ち回りはそれほどありませんでしたが、刃を合わせることができた。迫力満点でした。橋爪功さん扮する本格派の大盗賊・蓑火の喜之助(みのひのきのすけ)もひょうひょうとしながらも存在感があって、完成したものを見せていただいた気がします。
その強敵に挑む火付盗賊改方、密偵のチームワークはすごくいい。密偵・相模の彦十役、火野正平さんには、自然な男の色気を見せていただいた気がします。立ち回りのシーンは、凶悪犯専門だけに、きれいな太刀筋ではないですし、刀の振りも大きく激しい。愛嬌のある同心・木村忠吾役の浅利陽介さんは、ひっくり返ったりしますが、弱そうに見えて俊敏という難しい動きを巧みに演じています。撮影中、盗賊改方のみんなは、よくしゃべるんですよ(笑)。出演者も監督をはじめスタッフも思いをぶつけて芝居を創っていく楽しさがある現場でした。放蕩無頼な青春時代を送り、“本所の銕” (銕三郎)と呼ばれた平蔵の若いころを演じた市川染五郎も、この役をこよなく愛していて、ずっと演じ続けたいと言っています。
「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」©日本映画放送
「鬼平犯科帳」SEASON1の4作品は、エンディングの音楽が全部違います。各話のテイストに合わせた選曲で、とても贅沢だと思います。江戸の風景を再現するためにLED撮影も取り入れていますが、時代劇ではあまり使わない技術を良い作品を創るためにさりげなく使い、違和感なく見えるようにしている裏方のみなさんの努力にも感じ入りました。
“鬼”と言われる長谷川平蔵が悪と闘う。あらゆる手段と作戦を駆使して許せぬ悪を滅ぼす勧善懲悪の面白さと、善人も悪人も「人」を掘り下げて描くのが鬼平の特徴です。平蔵自身も若いころには迷った時期がありました。弱さや危うさを知ったうえで、信念を貫くこともできる。現代で不安を抱えて生きている人にも希望がある作品だと伝えたい。時代劇という非日常の世界で、人間ドラマをのぞいていただきたいと思います。
取材・文/ペリー荻野 撮影/菊竹規 ヘアメイク/林摩規子 スタイリスト/川田真梨子
©日本映画放送
鬼平犯科帳 本所・桜屋敷
直近の放送
6/8(土) 17:00~
時代劇専門チャンネルHD
J:COM STREAM
©日本映画放送
鬼平犯科帳 でくの十蔵
直近の放送
6/8(土) 19:00~
時代劇専門チャンネルHD
©日本映画放送
鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛
直近の放送
7/6(土) 19:00~
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