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洋楽'70-'90sを
クリス松村が語る!

世界的スーパースター「ホイットニー・ヒューストン」「ビリー・ジョエル」「ABBA」の楽曲の魅力や、彼らの知られざる生きざまに心揺さぶられること間違いなし!音楽をこよなく愛すクリス松村の視点で語るー
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スターになるべくしてなったホイットニー・ヒューストンの“心の闇”とは?

「ホイットニー・ヒューストンとなった時に私の⼈⽣は世界のものになったの…」これは、2009年、オプラ・ウィンフリーのインタビューにホイットニーが答えたものです。オプラが彼⼥に「それ(歌声)が大切なものだと…なぜ分からなかったの?」という問いに対しての衝撃的なやり取りでした。

スターになるべくしてなったホイットニー。神から与えられた歌声でスターの階段のトップまでのぼりつめたホイットニー。マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」から始まったMTVの黒⼈アーティスト出演解禁という流れも⼿伝って、彼⼥はヒットの形態が変わっていく渦中にいた、80年代の象徴的なスターの一人ともいえます。結果的にそういう時代に誕⽣したスターの最初から最後まで…⼈⽣をも私たちは⽬の当たりにしたわけです。

ホイットニー・ヒューストン
「グレイテスト・ラブ・オブ・オール」番組情報はこちら

私が彼⼥を「スター」と呼ぶのは、彼⼥の⼈⽣を振り返れば…まさにスターが歩んだひとつの⼈⽣を⾒たように思ったからです。

マイケル・ジャクソン、ジョージ・マイケルなどのスターも同じくアイドル的な要素を持っています。スター…しかもアイドル的な⼈気のスターともなれば、シンガーという本来の姿だけではなく、プライバシーなどがあるはずもありません。

歌⼿である⺟、シシー・ヒューストンから英才教育を受け、レコード会社から⼤事に⼤事に育てられてデビューした箱⼊り娘・ホイットニーには、常に360度見られるガラス張りの生活が1年中続き、刺激的すぎる⽇々だったといえるでしょう。

「すべてをあなたに」から続いたビルボードシングルチャート1位の記録が、デビューから3年後「ブロークン・ハーツ」で7曲連続1位となり、ビートルズ、ビージーズの連続1位記録を更新、連続記録はここで途切れたものの、再び連続1位を獲得。そして「ボディガード」への出演、「オールウェイズ・ラヴ・ユー」のメガヒットへと続きます。彼⼥の活躍は素晴らしいもので、ある意味黒⼈アーティストとしてはもっとも成功していたといえますが、彼⼥が抱える⼼の闇には結婚の噂が出るまで誰も気がついていなかったのかもしれません。

スキャンダル…私は、歌⼿、ミュージシャンの⽅々について書く時には、スキャンダルになるべくふれないようにしていますが、ホイットニーの⽣きざまを⾒れば、彼⼥の闇の部分にふれることは、避けて通れないのかもしれません。
⼈種問題、性問題、ドラッグ問題…輝くステージの裏で起きていたことが明かされます。

まだまだビリー・ジョエルと音楽の旅を歩める気がしてなりません。

2024年、16年ぶりの来⽇公演を開催したビリー・ジョエル。 最後の来⽇公演になるかもしれないその公演で、彼は変わらない素晴らしい歌声とスタンドマイクを振り回すパフォーマンスを⾒せ、超満員の観客を熱狂させましたが、その熱狂している観客の中に私もいました。さまざまな年齢層の観客の反応もまた楽しく、どの曲でどう盛り上がるのかが体感できて実に楽しいひとときでした。

ビリー・ジョエル「ロック・レジェンズ」番組情報はこちら

中野サンプラザでの初来⽇公演から⽇本武道館、そして東京ドームへと会場のキャパシティーもどんどん⼤きくなっていった彼の⽇本での⼈気を決定的にした曲が「ストレンジャー」。分かりやすくヒットの度合いを説明すると、オリコンの年間売上で「勝⼿にシンドバッド」「あんたのバラード」「季節の中で」「ダーリング」といった曲と肩を並べるほどの⼤ヒットでした。

レコードの売上、ラジオリクエスト、有線でも洋楽部⾨1位と、まさに1978年の代表曲でしたが、アメリカではシングルカットされていない曲。実はビリーがレコード売上においてオリコンに初めて登場したのは「ピアノ・マン」でも「素顔のままで」でもなくこの曲だったんです。何が⽇本⼈の⼼を捉えたのか!?といわれれば、もちろん素晴らしいメロディーと躍動感のある歌声ですが、⼝笛から始まる都会的な⾹り、ニューヨークの⾹りが、⽇本⼈の憧れと合致したことにあると私は考えています。続く「オネスティ」が収録された「ニューヨーク52番街」は、ジャケットにそれらの要素が全て詰まっていましたしね。ヒットは、⾳楽を聴く⼊⼝にもなりますから、非常に重要で、ヒットがなければ私たちはビリーのバンドマン時代、ピアノ弾きのピアノマン、はたまたアマチュアボクサーとして28戦22勝という経歴にも興味を持つことはなかったかもしれません。

2024年の東京ドーム公演でもステージ中央にあるのは、180度回転するピアノ。ビリーはバンドの中のピアノプレーヤーであり、リードシンガー。そして、バンドをまとめるのは、彼のピアノ。⽗親によるクラシックの教育から始まった⾳楽⼈⽣と、彼が聴いて育ったロックンロールやモータウンサウンド、はたまたミュージカルなど幅広い⾳楽から影響を受けたビリー⾃⾝の作品は、それぞれに異なった特徴があり、その中に彼の⾒た⾵景や⼈⽣観や社会的なこと、楽しい感情、不安定な⼼情が描かれて、時代に関係なく普遍的な魅⼒がいっぱい。
第66回のグラミー賞の会場で「ガラスのニューヨーク」を歌ったビリーは新曲も初披露しましたが、まだまだ彼と⾳楽の旅を歩める気がしてなりません。

40年越しにリリースされた新曲に感動!世代を超えても愛され続ける4⼈

このビデオの最後は、1982年に発表されたラスト・シングル「アンダー・アタック」をバックにABBAの4⼈が外に出ていくというシーン。私は、ビデオを⾒終わるとすぐに40年ぶりにリリースされたABBAのニュー・アルバムに針を落としました。

最初の曲「アイ・スティル・ハヴ・フェイス・イン・ユー」は、まさに40年のインターバルを経て聴く新曲にふさわしい作品。「ようやく分かりました …何年が経とうとも、あの信頼は⽣きていた。絆があった…」(※)ジーンときました。それぞれが⾳楽活動をしていた4⼈の再結成の重み。
ABBA「ロック・レジェンズ」番組情報はこちら

事実上の解散後もABBAの曲は、映画、ミュージカル「マンマ・ミーア!」などでも⽣き続け、CDも売れ続けました。まさに世代を超えて誰もが知る⾳楽でしたから、活動休止から40年も経っていたなんて信じられません。

2022年からアバターコンサートをロンドンの専⽤劇場で開催して、新曲も1位…その⼈気の不滅ぶりがよく分かります。素晴らしいメロディー、アグネタとフリーダの厚みのある歌声、華やかな⾐装…それは今までに聴いたことも⾒たこともないもので、⽇本でもABBAフィーバーが再燃しました。

⽇本では1974年「恋のウォータールー」がラジオでヒットし、オリコンのランクインは「ダンシング・クイーン」が初。⽇本武道館でも来⽇公演を⾏ったABBAですが、ABBA誕⽣直前に、「ビョルン&ベニー」としてアグネタとフリーダが世界歌謡祭にコーラスで参加していたので、幻のABBAを⾒られる機会が⽇本ではありました。ちなみに来⽇記念盤は、森⽥公⼀さん作曲で⽇本のみ発表の幻のシングル。世界で成功したABBAの歴史が分かるこの作品は、スウェーデン時代から解散するまでの4⼈のことがよく分かります。今、聴いても新鮮なABBAの必⾒ヒストリーです。

※「アイ・スティル・ハヴ・フェイス・イン・ユー」の歌詞和訳の一部

文:クリス松村

放送・配信情報

ホイットニー・ヒューストン : グレイテスト・ラブ・オブ・ オール

映画「ボディガード」の主題歌「オールウェイズ・ラヴ・ユー」の世界的ヒットなど世界を熱狂させた歌姫ホイットニー・ヒューストンの軌跡に迫るドキュメンタリー。CS音楽専門チャンネル 「ミュージック・エア」の豊富なラインアップより、洋楽トップアーティストの良質な音楽番組をセレクト。

ビリー・ジョエル:ロック・レジェンズ

日本でも絶大な人気を誇る世界的シンガー・ソングライター、ビリー・ジョエルの軌跡をたどるドキュメンタリー。CS音楽専門チャンネル「ミュージック・エア」の豊富なラインアップより、 洋楽トップアーティストの良質な音楽番組をセレクト。

ABBA:ロック・レジェンズ

1970年代に世界を席巻したスウェーデンの伝説的ポップ・グループ、ABBAの軌跡をたどったドキュメンタリー。CS音楽専門チャンネル「ミュージック・エア」の豊富なラインアップより、洋楽トップアーティストの良質な音楽番組をセレクト。

寄稿者プロフィール

クリス松村(くりすまつむら)

オランダの政治都市ハーグで誕生。日本に帰国後も学生時代にイギリス、ブラジル、アメリカ、カナダなどの都市をまわる。邦楽、洋楽問わずの音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、CDの音楽解説、航空会社の機内放送オーディオプログラムの構成、ナレーションなども手掛け、出演するラジオ番組の構成はすべて自ら行う。アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚所有、現在も収集中。大物アーティストとの対談もこなすなど、アーティストからも認められるほどの、大の音楽ファン。音楽が好きという考え方から、音楽評論家ではなく、音を楽しむ『音"楽"家(おんらくか)』として活動。

担当音楽番組
【ラジオ】
◎MBSラジオ『クリス松村のザ・ヒットスタジオ』
◎ラジオ日本『クリス松村の「いい音楽あります。」』
◎BAYFM『9の音粋』 木曜担当DJ
【動画連載】
◎otonano『クリス ミュージック プロマイド』

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