舞台が目の前の二列目席にて観覧しました。緊張感漂う打合せは、俳優毎にマイク音声をチェックする入念さに驚きました。 2月22日は猫の日＆原作コミックの１巻発売日との説明に納得した後、神木さんが華やかに登場。 きゃぁ〜！と大歓声を受けて桜色カーペット上で両手を広げ、全身で喜びを表現。豊川さんは歩くだけでオーラがビシビシ飛んで来ました。 蔵之介さんは極道役から島田八段モードにシフトチェンジ！心の中で大歓声を上げました。

トークは神木さんが猛烈に頑張る姿が微笑ましかったです。女優陣の温和しさと対照的に前田吟さんの張りのある声が響き渡りました。 監督の「見ていただけるだけで良いんです」のコメントに自信と愛を感じました。 写真撮影時にマスコミの方々と一緒に舞台に上がらせていただきました。 舞台からは観客の顔がはっきり見え、煌びやかさに俳優の喜びを疑似体験しました。 右手から続々と登場するスター達は眩し過ぎて現実とは思えず、目の前で繰り広げられる笑顔いっぱいの撮影姿をただ見つめるだけでした。 夢のような時間をいただき本当にありがとうございました。

人生の様々な愛と感情を丁寧に描いた人間ドラマです。全編を流れる透明感と、勝負の厳しさが共存し、感動が静かに心に浸み込みます。 全てのキャラクターが原作のコミカルさを保ちながら現実的に生き生きと描かれています。 神木隆之介さんの零は脆さと強さをストレートに見せ、「将棋しかねぇんだよ〜！」の叫びはスクリーンから心に突き刺さりました。 子役達の熱演が零の人生の過去と現在を繋げ、川本家の可愛らしさは現実レベルで再現されています。零が卵焼きを食べる場面は心が暖かくなりました。

豪華俳優陣の中でとりわけ素晴らしいと思ったのが、二海堂と島田。染谷将太さんの二海堂は原作超え。 主役を食う程の強烈なキャラと目力の怪演に脱帽。一度見たら絶対に忘れない影の主役です。 佐々木蔵之介さんは島田開そのもの、これぞ役者！時にうつろ、時に燃え上がる眼差し、静かな勝負師の姿、手の表情、 穏やかな声、原作ほど台詞が多くないことが逆に島田の人生を語っていると思いました。

後藤との熱戦、原作には無い「おやつタイムの激闘」、宗谷との死闘、胃が痛くなる程の迫力です。 観終わって直ぐに後編が観たくなりました。将棋の知識、原作予習の有無に係わらず、多くの観客の心の琴線に触れる珠玉作です。