君の名は。
千年ぶりの彗星の来訪を一か月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、ある日自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。
一方、東京で暮らす男子高校生の瀧も奇妙な夢を見た。
しだいに、ふたりはお互いが入れ替わっていることに気づくのだが・・・。
- 監督
- 新海誠
- 声の出演
- 神木隆之介、上白石萌音、成田凌、悠木碧、島﨑信長、
石川界人、谷花音、長澤まさみ、市原悦子
1映像
ロケハンを重ねて細部まで描かれた東京の街は、見慣れた都会らしさを残しながら美しささえも感じさせる。もうひとつの舞台である飛騨地方の架空の町・糸守町は、“誰もが郷愁を覚える典型的な田舎にしたい”という新海誠監督のイメージの風景が煌びやかに広がり、見る人の心を揺さぶる。また、物語に没入させる「背景美」だけではなく、物語の重要な伏線やヒントが随所に埋め込まれており、本作を読み解く重要な役割を担っている。美しさだけではなく、「背景」に込められたギミックにも注目して欲しい。
2物語
スマートフォンでのやり取りを通した、いかにも現代らしい光景から始まる物語は、入れ替わりの日常を楽しみ始める瀧と三葉の運命が“その時”に近づくにつれ、ハッとする事実が判明していく。出会うことのない2人が、古い習わしの口噛み酒により“時間軸”が重なった「黄昏(カタワレ)時」で初めて対面するシーンには、思わず感動を覚える。他にも“主人公の男子と女子”、“都会と田舎”、“若者と老人”など、どこか違和感を覚えながらもすんなり受け入れられる対比が作中には散りばめられていて、何度も見て解明したくなるストーリーに華をそえる。
3音楽
主題歌をはじめ、作中の楽曲すべてを担当したのはティーンに絶大な人気を誇るRADWIMPS。唯一無二の世界観を持つ彼らの楽曲を好む新海監督が名前を挙げたことからコラボレーションが実現し、「前前前世」などの名曲が生まれた。本作の音楽はもうひとつのテーマ、モチーフ、ストーリーとも言え、楽曲に合わせた編集や演出が行われたシーンも多く存在。まさに新海監督が得意とする、音楽と映画の融合が完成した。特にクライマックスで曲の歌詞と歌声が、主人公の心情と重なっていくシーンは必見!
雲のむこう、約束の場所
秒速5センチメートル
星を追う子ども
言の葉の庭
彼女と彼女の猫
-Everything Flows- 完全版