特集アメリカ大統領選2016

アメリカ大統領の役割と権限
 実は議会が強い?

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厳格な三権分立制度を採用する米国(写真:アフロ)

アメリカ大統領選挙は終盤戦を迎え、2016年11月8日に一般有権者による投票が行われます。民主党候補のヒラリー・クリントン氏と共和党候補のドナルド・トランプ氏が激しい選挙戦を展開中。そこで大統領選挙を理解するための、大統領の役割と権限や決定までのプロセス、それぞれの候補に大統領の資格はあるのかという候補者分析などについて、コンパクト解説を7回にわたってお届けします。

絶大な権力を握るアメリカ大統領

米国は日本と異なり共和制の国です。共和制とは君主制と対になる言葉で、君主ではない人物が国家元首となる制度のことを指します。米国は共和制でかつ民主主義の国ですから、国家元首は民主的な手続きによって選ばれることになります。こうして選ばれたリーダーが合衆国大統領です(ちなみに日本や英国は君主制で、かつ民主主義の国ですから、国家元首である君主に実質的な権限はなく、選挙で選ばれた首相が権力を行使する形になります)。

大統領を国家元首とする国の中には、大統領は国を代表するだけで、行政府の長としての実質的な権力は持たせない国と、名実ともに行政府の長としてすべての権限を大統領に与える国に分かれます。大統領が名誉職的な存在となっている国としてはドイツが有名ですが、米国の場合、行政権のほぼすべてが大統領に集中しています。したがって、米国の大統領はまさに絶大な権力を握っていることになります。

宣戦布告を行う権利はアメリカ議会に

では米国の大統領は、あらゆる権力を行使できる万能のリーダーなのかというとそうではありません。米国は、厳格な三権分立制度を採用しており、行政、立法、司法の権限が完全に分離しています。行政府の長である大統領は選挙によって国民から選ばれますから、議会に対して責任を負うことなく大統領としての職務を遂行できます。しかし、立法に関する権限は一切持っておらず、大統領は議会が作った法律に従って行政権を行使するしかありません(拒否権を発動することは可能)。

これに対して日本や英国は議院内閣制を採用しており、首相は国会議員の中から選ばれ、内閣は国会に対して責任を負っています。

日本の場合には毎年の予算について、行政府が予算案を提出し,議会はそれを審議するという立場ですが、米国の場合、行政府に予算の提出権はありません。大統領は予算教書という形で要望を議会に告げるだけで、実際の予算に関する権限は議会が握っています。

また、戦争を遂行する権利も実は大統領は保有していません。米国の大統領は軍隊の最高指揮官ですが、宣戦布告を行う権利は議会に付与されており、大統領が戦争を遂行するには、議会からの「授権」が必要です。

こうした面倒な手続きを課しているのは、行政府にすべての権限を与えてしまうと、権力に対するチェックが出来なくなると米国人は考えているからです。建国以来、民主主義を追求し続け、独裁を嫌ってきた米国ならではのシステムといってよいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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