2025年1月22日(水)更新
千葉ロッテマリーンズからポスティングシステムを利用してメジャーリーグ移籍を目指していた佐々木朗希投手のロサンゼルス・ドジャース入りが決まりました。2001年11月3日生まれの佐々木投手は現在、23歳。25歳未満またはプロ6年未満の海外選手に適用される「25歳ルール」により、マイナー契約でのスタートとなります。
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佐々木投手の獲得を巡っては、当初MLB約20球団が乗り気でしたが、最終的には西海岸のドジャース、サンディエゴ・パドレス、カナダに本拠を置くトロント・ブルージェイズの3球団に絞られた、と多くのメディアが報じていました。
この中から、佐々木投手が選んだのは昨シーズンのワールドチャンピオン・ドジャースでした。最終交渉では共同オーナーの邸宅にて大谷翔平選手が同僚のフレディ・フリーマン選手、ムーキー・ベッツ選手、トミー・エドマン選手、ウィル・スミス捕手らを誘い、すしをご馳走しながらもてなしたと言われています。
海外のメディアは、早くもドジャースの今シーズンのローテーションに言及しています。ローテーションの柱を担うのは、昨シーズン9勝(6敗)のタイラー・グラスノー投手、7勝(2敗)の山本由伸投手、サンフランシスコ・ジャイアンツから移籍してきたサイ・ヤング賞2度受賞のブレーク・スネル投手。これに故障明けのトニー・ゴンソリン投手やダスティン・メイ投手、さらにはサイ・ヤング賞3度受賞のクレイトン・カーショー投手(昨季オフFA)が加わりそうです。オープン戦の結果次第では、佐々木投手もその一角に食い込んできそうです。注目の大谷選手の“二刀流”復活は5月以降になりそうです。
さてMLBでの佐々木投手は、どれくらい活躍するのでしょう。テレビ番組で元メジャーリーガーの五十嵐亮太さんは「(1年目に)15勝」と予想していましたが、故障さえなければ、そのくらい勝っても不思議ではありません。少々、打たれても、強力打線がすぐに挽回してくれるはずです。
日米のマウンドを比較した場合、総じて米国のマウンドの方が硬く、傾斜も急です。そのためリリースポイントの位置が高く、しっかり腕を振って投げ切るピッチャーの方が有利と言われています。慣れるまでに多少の時間はかかるかもしれませんが、佐々木投手のフォームにMLBのマウンドは適しているように思われます。
佐々木投手はロッテ時代、実働4シーズン(21~24年)で29勝(15敗)をあげています。最も勝ったのは24年の10勝(5敗)。規定投球回数に達したことは一度もありません。逆に言えば、それだけ大事に育てられたということです。
特筆すべき点があるとすれば、高い奪三振率(11.52)です。ドジャースなどで活躍し、MLBで“ドクターK”の異名を取った野茂英雄さんのNPB(近鉄バファローズ)時代の奪三振率(10.31)をも上回っています。
佐々木投手の球種は主にストレート、フォークボール、スライダーの3種類です。どのボールでも三振を取れるのが彼の強みです。
フォークボールに関しては、23年春のキャンプの際に野茂さんから直々にアドバイスを受けました。野茂さんのフォークボールは、はさむ指先に力を込めることでスピードを殺すのが特徴です。それにより仮に落ちがよくなくてもチェンジアップの役割を果たしたと言います。MLBでは、こうした知見が生きてくるのではないでしょうか。
桜にたとえて言えば、日本での佐々木投手は三分咲きか四分咲き程度でした。米国で満開の花を咲かせる日を楽しみに待ちましょう。
二宮清純
1960年、愛媛県生まれ。
スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック・パラリンピック、サッカーW杯、ラグビーW杯、メジャーリーグ、ボクシングなど国内外で幅広い取材活動を展開。明治大学大学院博士前期課程修了。広島大学特別招聘教授。大正大学地域構想研究所客員教授。「スポーツ名勝負物語」「勝者の思考法」など著書多数。