イントロダクション
几帳面で論理的なアストリッドと、思いついたら猪突猛進のちょっとガサツだけど大らかなラファエル
正反対の二人がお互いの足りない部分を補い合い協力し合うことで事件を解決していくフランス発・大人気ミステリー!
警官だった父の影響で、幼い頃から刑事事件の調査や謎解き、パズルに人一倍興味を持っていた自閉症のアストリッドは、静かに犯罪資料局で働きながら、人と触れ合わない生活を送っていた。
ある日、医師の自殺を調べていた警視のラファエルは事件に疑問を抱き、犯罪資料局を訪れる。そこで的確な資料を出してきたアストリッドの才能を見抜き、一緒に事件を調べてほしいとスカウトをする。
人とのコミュニケーションが苦手だが、論理的で几帳面、犯罪捜査のデータベースのようなアストリッド。一方、大雑把だがフレンドリーで猪突猛進型、物怖じせず前に進んでいくラファエル。
だがアストリッドは自閉症を人から理解されない、ラファエルは愛息の親権を失うという悲しみを抱えている。そんな二人が、事件を解決したいという情熱を共有し、お互いの苦悩と自分にはない性格を理解し合うことで、最強のバディになっていくーー。
完璧な人間はいない、だが自分だけではできないことを誰かと助け合うことで、成し遂げることができる、そして自分の世界が外へと広がっていくーーミステリーではありながら、上質のヒューマンドラマでもあるのだ.
2019年に本国フランスで放送が始まるや否や、たちまち大きな話題を呼び、現在では世界140ヵ国で放送される国際的ヒット作となった『アストリッドとラファエル』。犯罪捜査を主軸にしながらも、価値観も性格もまったく異なるアストリッドとラファエルが、互いの違いを受け入れ、理解を深め、かけがえのない友情を築いていく姿が、世界中の視聴者を魅了している。
エピソードガイド
- シリーズ1
- シリーズ2
- シリーズ3
- シリーズ4
- シリーズ5
- シリーズ6
相関図
見どころ
バディものミステリーが好きなら
見て損ナシ!
正反対なのに、なぜか目が離せない二人――警察組織のなかでも自由奔放で、直観と行動力を武器に突き進むラファエル。対してアストリッドは社会との距離を保ちながら膨大な犯罪資料を正確無比に読み解く、内向的な天才。『シャーロック・ホームズ』のホームズ&ワトソン、『相棒』の杉下右京&亀山薫のように、ミステリーにおいてバディものは定番中の定番だ。
バディものの醍醐味は、性格や能力の違いが事件解決にどう作用するか、そしてその関係性がどう変化していくかにある。本作が一線を画すのは、その“違い”を単なるキャラクターの記号として扱わない点だ。ラファエルの直感的な判断はときに危うく、アストリッドの論理は現場では浮いてしまうこともある。だが、そのズレこそが新たな視点を生み、事件の核心へと近づくきっかけになる。
また、上下関係ではなく対等なパートナーとして描かれる点も印象的。経験や立場に関係なく、お互いの得意分野を認め合い、必要とする。だからこそ、二人の関係は回を追うごとに深化し、単なる「名コンビ」にとどまらない説得力を持って立ち上がってくる。王道のバディものが好きな人ほど、この新鮮さに引き込まれるはずだ。
二人の心理的距離を、
繊細に描写するヒューマンドラマ
このドラマが多くの視聴者の心をつかむ理由のひとつが、二人の「心の距離」の描き方にある。感情表現が豊かで、人との関係性に臆さないラファエルに対し、アストリッドは他者との関わりに慎重で、明確なルールと秩序を必要とする存在だ。二人の間には、最初から見えない壁があり、それは簡単には壊れない。
しかし本作は、その壁が壊れる瞬間をドラマチックに描くのではなく、日常の中の小さな変化として丁寧に積み重ねていく。相手の言葉を待つこと、踏み込みすぎないこと、理解できなくても尊重すること。その一つひとつが、信頼という形で静かに積み上がっていく。恋愛とも友情とも言い切れない、けれど確かに特別な関係性。その距離感の変化は、事件以上に目が離せない見どころとなっている。派手さよりも誠実さで描かれる関係性が、観る者の心に深く残る。
その様子をよく表現しているのが、シーズン1とシーズン2にわたり、二人が誕生日プレゼントを贈る描写だ。シーズン1の終盤、アストリッドはラファエルに、裁縫で針から指を守るために使う「指ぬき」を贈った。「ラファエルは私(アストリッド)を守ってくれる人」という意味を込めたのだ。ラファエルにとってアストリッドは守るべき対象であり、アストリッドもそれを理解し、その贈り物を渡したのだろう。
だが、シーズン2の終盤でラファエルはアストリッドに誕生日プレゼントとして方位磁石(コンパス)を彼女に贈る。「道に迷ったときに、導いてほしい」――。そんな思いが込められたプレゼントは、ラファエルにとってアストリッドが「守る相手」ではなく「パートナー」になった証だ。シーズンをまたいで、二人の関係性を非常に知的で繊細に描いた表現ではないだろうか。
“フランスらしさ”あふれる
世界観と空気感
本作には、アメリカや日本のミステリードラマとは異なる、独特の“フランスらしさ”が息づいている。例えばアメリカのミステリーであれば、派手なガンアクションやスピーディーな展開、どんでん返しなど、わかりやすさが重視される。日本では緻密なトリックや人間関係のもつれ、「なぜその罪を犯したのか」という背景を重んじる傾向があるのではないだろうか。
対して本作はパリの街並みや歴史ある建築物、日常と仕事が地続きに描かれる人間関係。合理性だけでは割り切れない感情や価値観が、事件や人物描写の随所に織り込まれている。さらにトリックも、催眠術やオカルトなど一見すると地味ともとれる描写がありつつも、謎解きとして非常に難解でスッキリとした結末を迎えるものが多く、見ていて気持ちがよい。
また、女性キャラクターの描かれ方も印象的だ。完璧でも理想化された存在でもなく、それぞれが欠点や葛藤を抱えながら、自分のやり方で仕事と人生に向き合っている。捜査の手法や解決の仕方にも、フランス社会ならではの視点や文化的背景が反映され、単なる謎解きにとどまらない奥行きを生み出している。シリアスな事件のなかにも、軽やかなユーモアと会話のテンポがあり、重くなり過ぎない絶妙なバランス感覚も魅力のひとつ。物語だけでなく、その空気ごと楽しんでほしい。
キャラクター紹介
アストリッド・ニールセンパリの犯罪資料局の文書係
自閉症当事者であることから他人とのコミュニケーションが苦手。天才警察官だった父に連れられ、犯罪資料局の文書係という居場所を見つけ長く務める。資料を読み込んで蓄えられた犯罪学の知識は非常に高い。優れた洞察力でラファエルの支えになっていく。
ラファエル・コストパリ警視庁の警視
仕事熱心でおおらかな女性警視。少々ふるまいががさつで、時間やルールにもルーズだが、周囲を巻き込んでいくコミュニケーション能力に長ける。アストリッドやその友人ら自閉症当事者たちとも偏見を持たず交流している。幽霊や呪われた家のようなオカルトが苦手。
テツオ・タナカ日本食料品店店主の甥・日本から留学中
アストリッドが長く通う日本食料品店の店主の甥で日本人。現在は数学の勉強をするためにフランスへ留学中で、おじの店を水曜日に手伝っている。アストリッドに好意を寄せており、次第に二人は距離を縮めていく。
ニコラ・ペランパリ警視庁の警部
ラファエルの同僚で、芸術や文学に精通する。アストリッドが登場するまでは長くラファエルの相棒役をしており、自ら「アイツの相棒は俺」と公言するほど。その背景からアストリッドの登場をやや疎ましくも思っていた。ラファエルへは淡い恋心を抱いている。
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