——はしもさんは、韓国ドラマならではの魅力っていうと、どんなことが思い浮かびますか?
はしも:
僕、昔からベタが好きなんですよ。韓国ドラマの展開って、ベタの宝庫じゃないですか。ぶつかって運命の出会いをしてみたり、交通事故に遭って記憶喪失になったり、アクシデントに巻き込まれて約束の時間に現れなかったり。 そういう展開がたまらなく好きで、観ているとどんどんハマってっちゃうんですよね。
——ベタの宝庫って、いいですね。日本にも、ドラマに限らずベタな作品はあると思うんですけど、それでも韓国ドラマにハマったのは?
はしも:
日本だと『ひとつ屋根の下』などはすごく好きだったんですが、そこから時代を経て日本のドラマって、だんだんと展開がおしゃれになっていった気がしていて…。 個人的には「ドラマはベタでいいのに!」って思っちゃうタイプで。そういう意味で、結末はなんとなく見えてる。見えてるけど、なぜか気になって見ちゃうのが韓国ドラマの魔力ですよね。 信号機とか道路の映像が出てきたら、体感的に8割、事故りますし。
——(笑)。あと、喧嘩して、勢いよく外に飛び出したりとか。
はしも:
それも危ないですね。でもその裏切らなさがいいですよね。新喜劇的な。僕は芸歴13年目ですが、やっぱり今でも「ベタ」の強さはめちゃくちゃ感じてますし、僕みたいに「おしゃれじゃなくて、ベタが好き!」 という人は、意外と多いんじゃないでしょうか。今の韓国ドラマブームも、そこに理由があると思っています。
——ちなみに、好きなジャンルとかもあるんですか?
はしも:
もう、断然ラブコメですね。少女漫画的な展開だったり、演出も好きなんですよ。例えば、イケメンが初めて登場するときに、キラキラするエフェクトがかかってたり、 振り向くシーンがスローモーションだったり、振り向くシーンを何アングルも見せたり。
——なかなか日本のドラマでは見られない演出かもしれませんね。
はしも:
そうなんですよね。全然、イケメンが光ってていいのに。というか、そういう演出が多いと観ていてテンションが上がるというか、「これだよこれ!」みたいな感覚がします。
©KAMIO Yoko / Shueisha Inc.©Creative Leaders Group Eight
STORY:
一般庶民の平凡な女子高生ジャンディ(ク・ヘソン)はひょんなことから超金持ち学校「神話学園」に奨学生として編入することに。 だが、正義感の強いジャンディは学園を掌握する財閥子息4人組「F4」の横暴な行動に憤慨し宣戦布告。F4の標的となるが、 そんな中でジャンディをピンチのたびに救い出したのがジフ(キム・ヒョンジュン)だった。F4なのに他の3人とは違った雰囲気を持つジフにジャンディは恋心を抱く。 一方、F4のリーダー、ジュンピョ(イ・ミンホ)は果敢に立ち向かってくるジャンディに惹かれ、猛アタックを開始。彼の一途な愛にジャンディも心が動くが、2人の前にはジュンピョの母親の反対、 ジフとの三角関係など様々な障害が待ち受けていた。
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はしも:
とにかく原作、日本版、韓国版を問わず、すべて面白い超人気タイトルでもはや僕が紹介する必要がないレベルですよ。これから見る方でも十分楽しめる作品です。
韓国版に特化した魅力をお伝えするとすれば、やっぱりF4を演じる豪華俳優の布陣ですよね。少女漫画のイケメンキャラは配役が難しいと思いますが、 180cm以上の高身長、顔立ち、8等身、肉体美とすべてを持ち合わせた俳優さんばかりなので、原作のイメージを忠実に実写で楽しめるのは、韓国版ならではの魅力です。
道明寺司役のイ・ミンホをはじめ、キム・ヒョンジュン、キム・ボム、キム・ジュンと当時の旬の俳優たちが勢揃い。 この4人が一緒に出てるなんて、まあ豪華ですよね。でもじつは、この時のF4はほぼ新人からのキャスティングだったそうです。 4人の俳優陣の、初々しい演技も楽しみの一つですね。
また、じつは韓国版は制作陣が美しい映像作りにこだわったがゆえ、マカオやニューカレドニアをロケ地にした撮影も行なわれました。この辺のスケールの大きさも、韓国ドラマ制作陣の「やるときはとことんやる!」という気概が感じられます!
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はしも:
映像的に楽しみが多い『花より男子』の中でも、とくに魅力的なのが道明寺役のイ・ミンホですよね。 オーラ、スター性、カリスマみたいな、言語化できない何かを感じさせる俳優さんだと思っています。 それが道明寺司の役にハマりすぎなほどハマってて、役から出ている言葉のはずなのに「もしかして、道明寺と同じ性格なんじゃない!?」とも思えてしまうほど。
イ・ミンホは『花より男子』で抜擢されたことで、一躍韓国ドラマ界のスターになった俳優なので、そういう意味でもイ・ミンホの魅力が存分に楽しめるのが、 約束された作品なのではないかと思います。
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はしも:
「ベタ」な展開が魅力の韓国ドラマ。その中でも『花より男子』は韓国らしい演出が盛り盛りの作品で、僕からしたら観ていて楽しいですね。 もちろん日本版や原作と、話の展開は同じですが、設定や演出は結構違うんですよ。 例えばF4の登場シーンとか、ハンパじゃない光で4人を照らしながらスローモーションで入ってきたり。 この辺の演出も、韓国ドラマの制作陣の「やるときはとことんやる!」と精神が感じられるような気がします。
あとは、アイスを落としたらたまたまそこに道明寺の靴があるとか、モヤモヤしたらとりあえずプール行くとか。 なんかあんまり今では見かけないような演出で、思わずツッコみたくなるシーンが多いんですが、僕が韓国ドラマに求めているものは 、めちゃくちゃ詰め込まれていて、大好きですね。
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はしも:
『花より男子』という名作を、韓国文化の中で再現しているというのも、韓国好きにとっては嬉しいですよね。 ストーリーは原作に忠実なんですが、登場人物の設定などに、韓国ならではの要素が盛り込まれているんですよ。 例えば、牧野つくしの家がクリーニング店をやっていたり、花沢類が前大統領の孫だったり。 F4が財閥系の御曹司で、という設定も韓国社会で考えるとよりリアリティがあって設定が生きてきますよね。
韓国版ならでは、というと言葉遣いもそうですね。 例えばつくしがいじめられるシーンで、卵と小麦粉を投げつけられ、その後いじめ役が放つ「誰か油を持ってこいよ。 あとは焼くだけだ」「野菜チヂミか?」というセリフ。いじめは絶対ダメですけど、このやりとりはいいですよね。 コリアンジョークが効いてます。
はしも:
韓国版、日本版、原作。もしまだどれも観たことがない人がいたら、ぜひ順番にこだわってみてください。 僕がおすすめする順番は、韓国版→原作→日本版、そしてラストに韓国版です。 まず韓国版で、すべて持ち合わせたパーフェクトなF4の姿を拝みつつ、純粋にストーリーを楽しむ。 続いて原作は、ドラマのシーンを思い浮かべながら読んで、次に日本版を観ながら韓国版、原作との違いを楽しむ。 そして、「何か演出が物足りない」と感じたら最後に韓国版できっちりと締めてください。これで、パーフェクトです。
(取材・文/郡司しう)
NSC(吉本総合芸能学院)東京校16期卒業。2011年、俵山 峻と「スクールゾーン」を結成。独自の感性が光る唯一無二のコントで人気を博す。 また、幼少期より慣れ親しんだ韓国ドラマやK-POPの知識、特技である韓国語を生かした「韓国あるある」をSNSで発信し、大きな話題を呼んでいる。
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