パリ2024パラリンピックカヌーの放送日程
写真:YUTAKA/アフロスポーツ
- カヤック、ヴァーそれぞれで直線コースをスプリント勝負
- パドリング技術とパワーが求められ、艇をどう改造するかも重要
- 日本人選手は、2大会連続で入賞している瀬立モニカに注目。
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2016年リオデジャネイロ大会から正式競技になったカヌーは、障害物のない200mの直線コースで着順を競うスプリントのみが行われ、種目はカヤックと、前回の東京大会から採用されたヴァーに大別される。カヤックはブレードが両側についているパドル1本で艇の左右を交互に漕ぎながら、着順を競う。一方、ヴァーは艇の左右どちらか片方にバランスをとるためのアウトリガー(浮き具)がついているカヌーを使用。片側だけにブレードがついているパドルを使って左右どちらかを漕いで進む。
出場対象となるのは下半身や体幹に障がいのある選手で、障がいの程度や運動機能によって3つのクラスに分けられる。クラスは程度が重い方から順に、L1クラス(胴体を動かすことが困難なため、肩と腕の機能だけで漕ぐ選手)、L2クラス(下肢で踏ん張ることが困難だが、胴体と腕を使って漕ぐことができる選手)、L3クラス(脚、胴体、腕を使って踏ん張ることや、腰を使う動作によって艇を操作できる選手)になる。カヤックはKL1~KL3、ヴァーはVL1~VL3と表記され、東京大会では男女シングルKL1、KL2、KL3、VL2と、男子シングルVL3が実施された。今大会は女子VL3が加わり、計10種目でメダルが争われる。
競技用のカヤックやヴァーと呼ばれる舟に乗って、200mのスプリントタイムを競う。カヤックは先端がシャープで艇の幅が細く、スピードが出る反面、バランスをとるのが難しい。ヴァーは浮き具がついているため安定性に優れる分、直進性能が低く、選手には艇の方向をコントロールするパドリング技術が求められる。もちろんパワーも必要だ。選手は艇の特性を引き出し、自分自身の力を存分に発揮するため、ルールの範囲内でカヌーの座席部分やコックピット内部を改造することが認められている。上半身の力を無駄なくパドルに伝えられるようにするための改造は、順位を大きく左右するファクターであり、体幹バランスをとることが困難な選手にとっては特に重要。座席の素材や形状などを自身の障がいや体型に合わせて変えたり、ベルトを取り付けたりして、いかに姿勢を維持して艇と一体化して漕げるようするかを各自が追求する。
過去2大会で目立った成績を残したのはイギリスの女子。リオ大会3種目をすべて制し、東京大会は4種目で金メダル3個を含む5個のメダルを獲得した。今大会でもメダル争いをリードしそう。男子はオーストラリア勢、ブラジル勢などの争いか。日本人選手で注目されているのは、女子KL1の瀬立モニカ。リオ大会に唯一の日本代表として出場して8位、生まれ育った江東区で競技が行われた東京大会ではひとつ順位を上げて7位と、2大会連続入賞を果たした。3大会連続出場となる今大会ではメダルに手が届くか。