パリ2024パラリンピック競泳の放送日程
写真:松尾/アフロスポーツ
- クラス、泳法、距離が複数あり、計141種目でメダルが争われる
- さまざまな泳ぎのフォームや、視覚障がいの選手とタッパーとの連携も見もの
- 日本勢では前回の東京大会金メダルの木村敬一、山口尚秀らに期待
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1960年の第1回ローマ大会から実施されている競泳は、一般の水泳と同じ競技用プールを使用し、基本的なルールや自由形、背泳ぎなど泳法の種類も同じ。選手は運動機能、視覚、知的の3つの障がいに大別され、障がいの程度などにより細かくクラス分けされる。さらに泳法と距離によって種目が分かれるため、種目数は男女計141に及ぶ。
片腕や片足が欠損している選手は、浮力や推進力が左右で異なるため、バランスよく前に進むために自分に最適なフォームを見出し、磨き上げている。個性的でダイナミックなフォームは一見の価値ありだ。多種多様なスタート方法も見もの。通常では、自由形・平泳ぎ・バタフライは飛び込み台からスタートするが、障がいにより飛び込みが難しい場合は、水中からスタートすることが可能。また、背泳ぎでスターティンググリップを握ることが難しい選手は、ベルトなどの補助具の使用や、ひもやタオルを口にくわえてスタート体勢を取ることも認められている。
競泳選手は通常、プールの底のラインを視認して真っすぐ進むが、視覚に障がいがある選手はそれが難しく、特に全盲クラス(S11/SB11/SM11)は全員の条件を合わせるために光を通さないゴーグルを着用するため、視認能力はゼロ。にも関わらず選手は迷わず直進する。これは身体に覚え込ませた真っすぐに保つ感覚と、コースロープを利用することで可能になる。選手はスタート後、左右どちらかのロープに寄り、手でロープの位置を確認しながら泳ぐ。近づきすぎると腕で大きくロープを叩いたり、身体がぶつかったりしてタイムロスにつながるため、手が水面に出た瞬間に、かするような絶妙な距離間を保つことがカギになる。コーチまたは専門の「タッパー」との連携も重要だ。ターンとゴールの際、選手の頭や額を長い棒で叩いて壁が近づいたことを知らせる役目を担い、選手はそのタッピングを合図にターンまたはゴールタッチを行う。タイムロスが少ないターンをするためにタッピングが果たす役割は大きく、日頃から選手とタッパーはコミュニケーションを深め、最適なタイミングと強さのタッピングを追求しておく必要がある。
競泳は日本がメダルを量産してきた競技であり、今大会もメダル候補がそろう。注目は全盲クラスの木村敬一。2008年北京大会から2016年リオデジャネイロ大会までの100m自由形S11などで銀、銅各3個のメダルを獲得し、前回の東京大会100mバタフライS11で、ついに悲願の金メダルに輝いた。今大会も連続金メダルを目指して力泳する。ほかにも、木村のライバルであり、東京大会男子100mバタフライS11などで3個のメダルをつかんだ富田宇宙、東京大会男子100m平泳ぎS14(知的障がい)で金メダルを獲得した山口尚秀らにも注目。複数のメダルに期待したい。