下肢または腰に障がいがある選手が参加。パラリンピック専用のベンチプレス台に仰向けに横たわった状態でバーベルを持ち上げる。足を台に乗せた状態のまま行われるため、下半身で踏ん張ることができないので頼りになるのは己の上半身のみ。腕や肩、胸などの筋肉が武器となる。
エジプトのシェリフ・オスマンは、初出場の2008年北京大会で56kg級にエントリーし、金メダルを獲得。前回のリオ大会でも59kg級で頂点に立った彼は、世界新記録となる211kgを4回目の特別試技で成功させた。この記録はまだ破られておらず、今大会で自らの記録更新を期待したい。
女子では、メキシコのアマリア・ペレスに注目。パラリンピック3連覇中の彼女は競技歴20年以上のベテランで、55kg級に出場したリオ大会では130kgを挙げ、世界記録を更新した。40代で迎える東京大会で、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。
日本は1996年のアトランタ大会から出場をしているが、なかなかメダルに手が届いておらず、強化合宿や海外からトップコーチを招いての練習会を行うなど、選手の育成に力を入れている。東京大会では強敵相手にどこまで戦えるのか。世界で通用するスター選手の誕生に期待したい。
■パワーリフティング 出場日本人選手
▽男子
宇城 元(男子/72Kg級/兵庫県/アテネ・ロンドン)
光瀬 智洋(男子/59Kg級/兵庫県/初出場)
三浦 浩(男子/49Kg級/東京都/ロンドン・リオ)
▽女子
坂元 智香(女子/79Kg級/鹿児島県/初出場)