特集アメリカ大統領選2016

大統領選挙の流れ 
1年にわたるタフな選挙戦を制するのは?

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米大統領選で、民主党候補として受諾演説を行うクリントン氏
(2016年7月)(写真:ロイター/アフロ)

1年にわたるハードな選挙戦

米国の大統領選挙は4年に1度行われる最大の政治イベントです。選挙期間は約1年と長く、候補者自身や選挙を運営する社会全体の負担は非常に大きいといってよいでしょう。しかし米国人の多くは、過酷な環境に耐えられる人でなければ大統領としてはふさわしくないと考えており、ハードな選挙戦はむしろ肯定的に捉えられているようです。

大統領選挙における最大の特徴は、国民が大統領を直接選ぶのではなく、州ごとに選挙人を選び、選ばれた選挙人が最終的に投票を行って大統領を決めるという間接選挙になっていることです。選挙人は誰に投票するのか、あらかじめ宣言していますから、あくまで形式的なものですが、わざわざこのような形式になっているのは、米国という国の成り立ちと大きく関係しています。

米国はその国名(United States of America:アメリカ合衆国)から分かる通り、50の独立した州(State)からなる連邦国家です。各州の存在があってはじめて連邦国家が成立するという考え方ですから、各州から選挙人を送り出して大統領を選ぶという形式になっているわけです。

大きな流れが決まるスーパーチューズデー

大統領選挙の年になるとおおよそ1月から6月にかけて各党の予備選(もしくは党員集会)が各州で行われます。米国は民主・共和の二大政党制ですから、それぞれの党が、投票(予備選)や話し合い(党員集会)によって州ごとに誰を候補者にするのか決めていきます。

2月もしくは3月初旬の火曜日には、多くの州で予備選・党員集会が行われ、全体の流れが決まるケースが多いことから、この日は「スーパーチューズデー」と呼ばれています。今年のスーパーチューズデーでは、民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補がそれぞれ優位に立ちましたが、両者はやはり最終的な候補者として勝ち残る結果となりました。夏(今回は7月)には両党で全国大会が行われ、正式に各党の大統領候補が選出されます。

最大のヤマ場は秋のテレビ討論会

ここからは大統領選挙の本選が始まりますが、最大のヤマ場は何と言っても9月から10月にかけて行われるテレビ討論会でしょう。今年の大統領選挙では、9月26日、10月9日、10月19日という日程になっており、9月26日に実施された初回の討論会は何と8400万人もの米国人がテレビを視聴しました。米国の人口は約3億2000万人ですから、4人に1人が討論会を見た計算になります。人口の数字には乳幼児も含まれるので、実質的にはほとんどの有権者がテレビに釘付けになっていたと考えてよいでしょう。

そしていよいよ一般有権者による投票へ

3度のテレビ討論会を経て、いよいよ11月8日、一般有権者による投票日を迎えます。本選挙は勝者総取り方式が採用されており、各州で勝った候補者はその州の選挙人全員を獲得することができます。全米での得票率が低くても、選挙人の数で勝てば大統領に就任することが可能ですから、候補者にとっては各州で勝利することが何よりも重要となるわけです。

本選挙に勝利した候補者は、来年1月に予定されている就任式に臨み、第45代アメリカ合衆国大統領となります。

(The Capital Tribune Japan)

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