インタビュー

声優・岡本信彦 ロングインタビュー #1

NOBUHIKO OKAMOTO INTERVIEW

つねに厳しい環境に身を置いていたい

声優・岡本信彦

――高校生の頃は、学校に通いながら養成所にも通われて、学費のためにアルバイトもされていたとお聞きしました。

岡本:そうですね。ハンバーガーショップやコンビニの店員、警備員、郵便局と、結構いろいろなアルバイトを経験させていただきました。一番長かったのはハンバーガーショップで、作業やオペレーションに対してかなり厳しかったので、いろいろなことを考えるきっかけになり、成長した感覚がありました。

あるときは、バーガーをつくるのにスチームを使わなければいけないんですが、僕はどうしても左手の皮が薄いのか、やけどみたいになってしまうんですね。それで右手だけで作業をしていたら、「それだとオペレーションが遅くなる。お金をもらうからには、しっかりやらないと」と怒られたんです。そこで初めて、“お金を稼ぐ”ことの厳しさを感じて、それは今でも自分の中には残っていると思います。

――そんなに……!それだけ厳しい環境に身を置くのは、苦ではなかったですか?

岡本:むしろそのほうがいい、という感じでしたね。父親に感化されているだけなんだと思いますが、少し昭和的な感覚で「厳しいほうが自分が成長する」と思い込んでいる節があるのかも。ただ、最近はそうではないやり方が好まれる場合も多いので、あくまで自分に対してだけ、だと思っています。

もし今、高校生に戻れるとしたら、有名な某コーヒーショップで働いてみたいですね。「厳しい」とよく聞くので…!

――めちゃくちゃストイックですね。ハンバーガーショップでのアルバイトは、ほかにどんなことが学びになったと感じていますか?

岡本:いちばん大きかったのは、「自分が出す価値」について考えるきっかけをもらったことですかね。じつは、いろいろなアルバイトを経験する中で、“労働の価値”について考えるようになったんですよ。秒刻みで取り組まなければいけない仕事もあれば、時間が過ぎるのを待っている、というような仕事もある。なのに、時給はそこまで変わらない。それが自分の中で、「おかしいな」という疑問に変わったというか。

そして経験した中で一番厳しく、スタッフの意識が高かったのがハンバーガーショップでした。オペレーションを乱さないように付いていくのは大変だけど、「自分はどんな価値を出せるのか」ということを考えるきっかけになったと思います。

――「自分がどんな価値を出せるか」。それは今の仕事にも繋がりそうですね。

岡本:そうですね。ただ声優の場合は、それが「僕が演じるならこうです」というように、より個人の価値が占める割合が、大きいのかなと思います。それは、僕の価値観や信念、仕事に対する姿勢も含めてのことなので、すごく言語化するのは難しいんですけど、そういうことを考えるようになったのも、ハンバーガーショップでのアルバイトがきっかけとして大きいのかなと思います。

オーディションに落ちた作品を
メモ帳に書き溜めていた

声優・岡本信彦

――それで、高校生の頃から養成所に通われていた岡本さんですが、やっぱり「声優になりたい!」という気持ちは強かったですか?

岡本:そうですね。声優になりたいとはやっぱり強く思っていましたけど、同時に「養成所に行けばなれる」と甘く考えていたとも思います。ただ、養成所でいろいろなことを知るうちに、「これは甘くないぞ」ということがわかってきて、どんな練習をすればいいか、自分で考えるようにはなっていきました。

――養成所とは別に、自主的な練習もしていたんですか?

岡本:はい。養成所で教えてもらえる日が週1回土曜日のみだったんですよね。授業日が少ないなかで、それ以外の日にどう練習するかは結構考えていました。例えば、「マンガの音読を録音する」。今思えば、正解がわからない中での練習なので自己満足だったかもしれませんが、それはひたむきに続けていました。

あと、これは練習とは違いますが養成所で知り合った生徒の方々からも学びが大きかったですね。当時、僕は高校生で周りはみんな社会人の方々なんですよ。大人に混じって練習会とかに参加したり、一緒にご飯を食べたりして、そこで人生の先輩たちの意見や見解を知るのは、自分の進路を考える上でもすごく刺激になったと思います。

――そして養成所を卒業し、大学在学中にはもうプロの声優として活躍していたそうですが、いわゆる“下積み時代”というのはあったんですか?

岡本:ほかの声優さんからすれば「そんなの下積みに入らない!」って思われるかもしれないくらい短い期間なのかもしれないんですが、僕視点で言えば、もうまったくオーディションに引っかからない悩みの時期は、もちろんありました。とくに最初の頃は、一次審査のテープオーディションすら通過できずに最終までたどりつけない。

その時は、落ちた作品は全部メモ帳に書き溜めていました(笑)。

――すごい!悔しさの具現化。

岡本:自分を精神的に追い詰めるわけじゃないですけど、「これは忘れてはいけない」という気持ちからやってましたね。

僕は自分のことをすごく怠惰な人間だと思っていて、新人なのに「今日は練習する気分じゃないな」という日があったりするんですよ。そういう時に、オーディションに落ちた作品のリストを見直すと、「これじゃいけない」っていうスイッチが入って、ちゃんと練習できるようになる。一つ一つの作品名を見て、「この役やりたかったな、受かりたかったな」という気持ちになりますし、悲しさや悔しさが込み上げてくるというか。

もちろん、新人なのでたくさん受かるはずもないですが、当時はそれが自分を奮い立たせるスイッチになっていたとは思います。

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