2024/5/4(土)放送 パラスポチアーズ!
〜パラアスリート全力応援〜

日本記録保持者!パラ・パワーリフティング期待の新星・田中秩加香選手と、東京パラでも活躍したパラ卓球の竹守彪選手をご紹介。

田中 秩加香(ちかこ)

田中 秩加香(ちかこ)

パラ・パワーリフティング

競技をはじめたきっかけは「ダイエット」!?パラ・パワーリフティング界に彗星の如く現れ、日本新記録を塗り替えた期待の新星。練習でも自身の限界を超え、新記録に挑み続ける!

竹守 彪(たけし)

竹守 彪(たけし)

パラ卓球

リオ・東京と2大会連続でパラリンピックに出場。「パラの借りはパラでしか返せない」と、パリ2024パラリンピック出場を目指す。より高いレベルを目指し、健常者とともに1日12時間の練習に励んでいる

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応援団長の中山秀征がパラスポーツを体験しながら、ルールやテクニックなどを解説し、その魅力に迫るとともに、パラアスリートの熱い思いを聞く。
第5回は、パラ・パワーリフィティング女子の田中秩加香選手と、パラ卓球男子の竹守彪選手にフォーカス。

ダイエットのために競技を始め、2年ほどで日本新記録を樹立

通常のパワーリフティング競技は3種目の合計挙上重量を競うものだが、パラリンピックではベンチ台の上に仰向けに横たわり、バーベルを胸につけて挙上するベンチプレスのみが行われ、下肢または腰に障がいがある選手が出場する。この競技の世界にすい星のように現れ、日本記録を塗り替えたのが田中選手だ。
 1983年生まれの田中選手は、先天性の二分脊椎症のため両脚が不自由で、車いすで生活している。また、後天性の視神経萎縮もあり、左目にわずかな視力が残る程度。そのため、バーベルを握る位置も体に覚え込ませ、感覚を頼りに競技に打ち込んでいる。そんな田中選手が一躍脚光を浴びることになったのが、2023年に行われた全日本選手権。女子79kg級に出場し、それまでの記録を16kg更新する95kgの日本新記録を樹立して優勝したのだ。田中選手が競技を始めたきっかけはダイエットのため。ジムでベンチプレスを途中から取り入れ、少しずつ挙がるようになったので、「吉田進コーチに会わせてもらい、競技を始めました」と語る。それから2年ほどで、95kgを差し上げた。経歴的にも、記録的にも驚異的なことだった。

限界を超えていく圧巻の光景に、中山団長も驚くばかり

応援団長・中山秀征が取材のため東京都パラスポーツトレーニングセンターを訪れた日、田中選手は自身の限界まで徐々に重りを追加していくトレーニングに取り組んでいた。その光景に中山は圧倒され、「すごい」「ヤバい」としか言葉が出ない。さらに田中選手は、一定時間しっかりと重量を支えるトレーニング「ホールド」で110kgに挑戦する。中山が「やったことは」と問いかけると、田中選手はあっさりと「ありません」。しかし初挑戦で10秒間支え切った。限界に挑み、超えていく瞬間を目の当たりにした中山の驚きと感動は深まるばかりだ。田中選手は競技の魅力、醍醐味を「自分が徐々にできるようなっていく感覚におもしろさがある。チャレンジして、重量が上がっていくのが楽しいです」と語る。視野に入れていたパリ2024パラリンピックへの出場は叶わなかったが、吉田コーチが「底知れない可能性を秘めている」と評する田中選手からは、今後も目が離せない。なお取材中、中山との意外な縁が明らかになる。どんな縁なのかも必見。

強豪卓球クラブで己を磨き、世界に挑む負けず嫌い

1993年生まれの竹守選手は、千葉県松戸市にある卓球クラブ・TOMAXでトレーニングに励んでいる。パラ卓球は、肢体不自由の車いすと立位、そして知的障がいに大別され、竹守選手は知的障がいのクラスに属する。卓球を始めたのは中学1年生のとき。試合に勝つ楽しさを知って夢中になり、TOMAXを訪れる。「幼稚園の頃からお世話になっていた人がTOMAXに通っていたので訪ねて、『もっと強くなりたい』とお願いして。それから健常者に混ざって練習するようになりました」という。TOMAXには全国レベルの選手が所属しており、最初の頃は周囲の選手に歯が立たなかった。「負けず嫌いだから、ずっと練習するしかなかった」。努力を重ねた竹守選手は、2013年からFIDジャパン・チャンピオンシップを4連覇し、2014年アジアパラ競技大会男子シングルスで金メダルを獲得。リオデジャネイロ2016パラリンピックの代表に選ばれた。しかし当時は難病を患っており、体調不良のまま大会に臨み、予選敗退。5年後の東京大会は体調も回復し、期待を背負って出場したが、5位とメダルに届かなかった。「勝機があったにも関わらず負けてしまったので、悔しい思いしかなかったです」。竹守選手は無念さを噛み締めて練習漬けの日々を送り、パリ大会にも出場。しかし準々決勝で世界ランキング1位と対戦し、善戦したものの敗退。東京大会と同じ5位と、悔しさが残る結果に終わった。パリ大会前、「パラリンピックの借りはパラリンピックでしか返せない」と語った竹守選手。ロサンゼルス2028パラリンピックでのリベンジに期待したい。

文/佐藤新

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