パラスポチアーズ!~パラアスリート全力応援!~

2024/5/11(土)放送 パラスポチアーズ!
〜パラアスリート全力応援〜

パリ2024パラリンピック日本代表に内定!メダル期待大のパラ卓球・八木克勝選手と、東京パラで4位入賞の実力者パラサイクリング・川本翔大選手をご紹介。

八木 克勝

八木 克勝

パラ卓球

2023年のアジアパラ競技大会で東京パラリンピック金メダリストを破ったメダル最有力選手。「できないことより、できることを磨く」その前向きなメンタルで常に進化を続けている。ラケットの表と裏を使い分け、狙うは金メダル!

川本 翔大

川本 翔大

パラサイクリング

東京2020パラリンピック4位入賞。「世界をビビらせて、パリでは金メダルを獲れるように気合いを入れていきたい」鍛え抜かれた右足一本でメダルを狙う!

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応援団長の中山秀征がパラスポーツを体験しながら、ルールやテクニックなどを解説し、その魅力に迫るとともに、パラアスリートの熱い思いを聞く。
第6回は、パラ卓球男子の八木克勝選手と、パラサイクリング男子の川本翔大選手にスポットを当てる。

“変えられるものを変えていく”パラスポーツの魅力を体現

先天性両橈骨欠損症により腕から先が短い八木選手は、クラス7に属する。パラ卓球には車いす、立位、知的障がいの3カテゴリー計11のクラスがあり、クラス7は5つある立位クラスの中で2番目に障がいが重いクラスだ。1990年生まれの八木選手は、中学の部活動で卓球を始め、2015年からパラ卓球の国際大会に出場。限られたリーチを豊富な運動量と体の動きで補うことで世界と戦ってきた。取材に訪れた応援団長・中山秀征が「手が届かない分、足で踏み込まなければならない?」と質問すると、八木選手は「体幹の力も使いながら打ちます」と補足。体を捻って肩幅の分リーチを伸ばす動きを実演して、中山を「なるほど」と唸らせる。八木選手は左右に振られるボールに追いつくため、徹底して体幹を鍛え、ぶれないフットワークを身に着けた。“自分自身の特性を把握し、長所をいかすこと”そこにパラスポーツの魅力が詰まっていると八木選手は語る。「変えられないものは変えられない。変えられるものを変えていく、得意なことを伸ばすのがパラスポーツです」。できないことよりできることを。八木選手の言葉は実に示唆に富んでいる。

工夫を凝らし、新しいスタイルを模索して進化を続ける

前向きなメンタルで常に進化を続けている八木選手は、パリ2024パラリンピックに向け、新たな武器を手に入れた。それはラケット。フォアハンドで打つ面に貼られているのは、ボールが弾みやすい裏ラバーという材質だが、バックハンドには、ボールの回転を消しやすく、弾みにくいアンチラバーを貼っている。これによってスピードが変わり、相手のタイミングをずらすことができるという。東京2020パラリンピックで9位に終わった後、世界で勝つために新たな武器を模索し、導入したものだ。アンチラバーを使っているのは、健常者のアスリートにも、パラアスリートにもほとんどいないという。相手の回転を消す性質がある分、コントロールが難しいが、八木選手は半年かけて使いこなせるようにした。さらにこのラケットで進化させた技がある。ラリー中に瞬時にラケットを反転させてフォアとバックでラバーを入れ替えて返球し、意表をつかれた相手が甘く返したボールをスマッシュするスタイルを確立させたのだ。「いろいろな種類のラバーがあって、攻撃で勝つ選手も守備で勝つ選手もいる。卓球は人生の縮図だと思っています」。そう語る八木選手の言葉は、さまざまなことを考えさせてくれる。メダルを狙ったパリ2024パラリンピックはシングルス5位、舟山真弘選手(クラス10)と組んだダブルスは9位と、表彰台はならなかったが、できることを考え、進化を止めない八木選手の挑戦は続いていく。

幼い頃からスポーツに親しみ、右足一本で高みを目指す

川本選手は右足一本で世界に挑むパラサイクリスト。四肢に障がいがある選手が通常の二輪自転車で競うCクラスの1〜3に属する。5クラスのうち1〜3番目に障がいが重いクラスだ。1996年生まれの川本選手は、生後間もない頃に左足にがんが見つかり、切断。しかし幼少期から障がい者野球のほか、バスケットボールやテニスもプレーしていた。それも義足をつけずに。高校を卒業するまでは松葉杖をつき、右足だけで生活していたのだという。そして2015年、パラサイクリング体験会で日本代表監督と出会い、素質を見出されて競技に取り組み始めた。「最初からペダリングがきれいと言われました。片足で生活していたので、多少は体幹が強かったんだと思います。運動が好きだし、練習すればするほど速くなったので楽しかった」。すぐに頭角を現した川本選手は、競技を初めて1年後のリオ2016パラリンピックの日本代表に選出。トラック、ロード計5種目に出場し、2種目で8位に入賞した。東京大会、パリ大会はともに4種目に出場し、最高順位は4位と、メダルまであと一歩に迫った。3大会に出場してもまだ20代。今後が楽しみな選手だ。

文/佐藤新

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