2024/11/2(土)放送 パラスポチアーズ!
〜パラアスリート全力応援〜

パラリンピックの射撃で日本初のメダリストになった水田選手。メダルが確定した時に流れた頬をつたう一筋の涙のワケとは?

水田光夏

水田光夏

パラ射撃

ピンクの髪にピンクが差し色のウェア。銃を構えるテーブルもピンク。パラ射撃界のピンクレディーと呼ばれる水田選手。中学生の時に手足の神経が麻痺し筋力が低下していく進行性の難病が発覚。そんな水田選手の新たな居場所となったのがパラ射撃!銃を構える彼女のそばにいつもあったのは母の姿…

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パラアスリートたちの素顔や激しいトレーニングに密着し、見るだけでなく、やってみたくなるパラスポーツの魅力に迫るとともに、応援団長の中山秀征、チアーズファミリーの廣瀬俊朗、村上佳菜子らが、パラアスリートの熱い思いを聞く。
2024年11月2日放送回は、パリ2024パラリンピック射撃・混合10mエアライフル伏射(SH2)銅メダリストの水田光夏選手を迎え、パリ大会を振り返る。

歓声で揺れていると感じる会場で集中力を保ち、銅メダルを獲得

ピンクの髪、ピンクが差し色のウェアに、銃を構えるテーブルもピンク。パラ射撃界の“ピンクレディー”と呼ばれる水田選手は1997年生まれ。中学2年生のときに手足の神経がまひし、筋力が低下していく進行性の難病が発覚し、車いすでの生活に。大学生のときにパラ射撃と出会い、それから3年で東京2020パラリンピックに出場したが、32位で決勝には進めず。その悔しさを胸に臨んだパリ大会では決勝に進み、見事にパラリンピックの射撃で日本人として初めて表彰台に上がった。そんな水田選手を応援団長・中山秀征がピンクの花束を渡して祝福する。パリ大会に出発する前に中山のインタビューに対して「決勝進出が目標」と答えていた水田選手は「それ以上の結果が出せて自分でもびっくり」と語りつつ、「嬉しい気持ちが強い」と喜びをあふれさせる。

水田選手がメダルを獲得したのは、10m先にある500円硬貨ほどの的を狙い撃つ種目。得点は中心に命中すれば最高の10.9点になり、中心から0.25mm外れるごとに0.1点ずつ減点される。的の中心を狙い続けるためには、高い集中力が要求される。射撃の国内試合に観客はあまり集まらず、静かな中で競技をすることが多い、しかしパリ大会は多数の観客が会場に詰めかけ、特に地元フランスの選手にはひと際大きな声援が集まった。水田選手は「観客の声が大きいので(会場が)揺れているように感じた」と振り返る。さらに決勝は点数の低い選手から脱落していく勝ち残り方式。敗退が決まった選手を横目に射撃を続けなければならず、「次の一発で決まってしまうという気持ちで撃っていた」という。しかし大きなプレッシャーがかかる中、水田選手は高い精度を保って射撃を続けた。それは「会場が揺れている中で撃っても10点には入る」と、練習を重ねてきた自分自身を信じることができたから。上位4名による決勝で、合計19発を打ち終えた時点の水田選手の順位は4位。3位との差は0.1点だった。先に3位の選手が20発目を撃ち、中心からの誤差0.5mm以内の10.7点をマークすると、水田選手は10.8点で同点に並び、サドンデス方式のシュートオフへ。相手選手が9.8点、水田選手が10.7点をマークし、決着がついた。その瞬間、水田選手の頬にひと筋の涙がつたった。「どういう心理でした?」と中山が問うと、水田選手は「うれしかったのかほっとしたのか」と明言はできない様子だったが、パリ大会は「先輩だったり、ほかのスタッフの方だったりに助けてもらってこの結果が出せたと思う。支えられていると感じた大会でした」という。

母の支えで見つけた居場所で輝きながら、競技の魅力を伝えていく

水田選手にとっては家族も支えになっていた。「いつもサポートしてもらっている母も観客として現地まで来てくれて、結果が見せられて良かった」。水田選手を一番近くで支え続けたのは母・光美さん。病により今までできていたことができなくなっていく娘を見て、光美さんは「彼女の新たな居場所を作るのが私の使命」と思ったという。その居場所がパラ射撃であり、「銅メダルはもちろんうれしいですけど、ほっとしたという気持ちの方が大きかった」と語る。

 母とともに見つけた居場所で輝いた水田選手は、「競技を続けていくことはもちろんですけど、パラ射撃を多くの方に知っていただきたい。この競技に出会えたことは私にとって大きなことだったし、パラ射撃は面白い」と、自らの人生を変えてくれたパラ射撃の魅力を多くの人に伝えていこうと考えている。競技者としての道の先にはロサンゼルス2028パラリンピックがあるが、「正直なところまだあまり考えていなくて、まず日本で開催される2026年のアジアパラ競技大会に出場したい」とのこと。パラリンピック2大会連続メダルも期待したいが、まずは自国開催の晴れ舞台で輝く姿を見届けたいものだ。

文/佐藤新

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