2025/3/8(土)放送
パラスポチアーズ!
〜パラアスリート全力応援〜
パリ2024パラリンピックで念願の金メダルを獲得した車いすラグビー日本代表。その原動力となった新エース・橋本勝也選手を紹介。
前回の東京大会では銅メダルを獲得。しかし当時19歳の橋本選手はチーム内で最も出場時間が短く不本意な結果で終わる大会に…そんな橋本選手に投げかけられた長年チームを牽引してきた池崎選手からの言葉とは!?
「東京大会からパリ大会に繋がっている」と話す橋本選手。ベテランエースとの裏話や、新キャプテンとしての意気込みを存分に語る!
日本最高峰の「ジャパンパラ陸上競技大会」でスプリント2種目と走り幅跳びで2年連続3冠を達成した若き日本王者。事故で足を失い失意の中、立ち上がる力をくれたのは、ひとりのパラアスリートだった。
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2025年3月8日初回放送回は、パリ2024パラリンピックで初めて金メダルに輝いた車いすラグビー日本代表の新エース・橋本勝也選手の挫折と再起の物語に、応援団長・中山秀征が迫る。またパラ陸上男子の近藤元選手を紹介。
車いすラグビー日本代表の新エースが、自らが歩んできた道を語る
アテネ2004大会でパラリンピックに初出場した、車いすラグビー日本代表は、リオデジャネイロ2016パラリンピック、東京2020パラリンピックで連続銅メダルを獲得するなど、着実に力をつけてきた。そしてパリ大会でついに金メダルを獲得。悲願達成の原動力になったのが橋本選手だ。
2002年生まれの橋本選手は生まれつき両足が欠損し、左右の手にも障がいがある。幼少期から車いすに乗って生活してきたが、車いすラグビーに出会ったのは中学2年生のとき。競技開始から2年で日本代表に選出され、パリ大会はエースとしてチームを牽引した。
中山は橋本選手の大きな転換点になった、東京大会での悔しい思いに踏み込む。橋本選手は「チームで一番プレータイムが短くて、何ひとつ満足いく結果が出せなかった。悔しかったですね」と振り返る。そんな橋本選手を誰よりも気にかけていたのが、長年エースとしてチームを引っ張ってきた池崎大輔選手だった。「試合が終わった後、僕が自分自身に納得できないでいると、池崎選手に『次はお前の番だぞ』『期待しているから、這い上がってこい』と声をかけられました。凄くうれしかったのと同時に、自分は今まで何をやっていたんだろうと思い、初めてちゃんとスイッチが入った」という。
奮起を誓った橋本選手は当時、フルタイムで働いていたが、転職して練習に専念できるように環境を変えた。それにより練習時間は飛躍的に増えた。数倍の練習量で培った技術と肉体、チームを引っ張る強い意思を持って臨んだパリ大会では、チーム最多のトライを決め、金メダル獲得に大きく貢献。東京大会の悔しさを晴らした。決勝後に、「池崎選手から『東京のときに交わした約束を果たしてくれてうれしい、ありがとう』と声をかけていただいた」という。名実とも新エースになった瞬間だった。
2025年2月、日本、パリ大会銅メダルのオーストラリアなど4カ国が参加して行われた大会で、橋本選手は新キャプテンに就任した。「チームがどんな状況であれ、ひとつの方向を向くような声がけや行動をしていくことが僕の中でのキャプテンの理想像。期待されることがうれしいですし、それ以上の結果を残していきたい」。橋本選手の言葉はどれも力強い。中山がロサンゼルス2028パラリンピックについて尋ねると「2連覇は達成したい。後悔しない日々を送り、金メダルを獲るための道を歩んでいきたい」と答えた橋本選手。エースとしてキャプテンとして、これからも道を切り開いていく。
レジェンドの言葉と雄姿に励まされ、成長を続けるパラ陸上の新星
近藤選手は、2023、2024年ジャパンパラ陸上で男子T63クラス(義足/下肢切断)の100m、200m、走り幅跳びの2年連続3冠を達成した、パラ陸上期待の新星だ。2000年生まれの近藤選手は中学生で陸上を始め、大学生になっても打ち込み続けた。しかし2020年末、交通事故に遭い、右脚を切断することに。当初は深く落ち込んだが、「脚を失っても陸上を続けたい」という思いが近藤選手を支えた。そんな近藤選手の心強い味方となったのが、パラリンピック男子走り幅跳び(T63)などで3つのメダルを獲得し、2024年に引退したレジェンド・山本篤さんだ。入院中、大学の陸上部の監督が山本さんの連絡先を教えてくれたので連絡し、歩き方などを教えてもらったという。また入院中、東京大会が開催され、そこで躍動する山本さんの姿は、リハビリの励みになった。近藤選手はリハビリの末、陸上競技に復帰。そして2023年の日本パラ陸上競技選手権で、山本さんも出場した100mで優勝し、注目を浴びた。今も成長を続ける近藤選手の目標は、ロス大会に出場すること、さらに世界記録を出すこと。誰よりも速く走ること、遠くに跳ぶことを目標に成長を続ける、近藤選手の今後に注目していきたい。
文/佐藤新