夜を歩く士(ソンビ) イ・スヒョク インタビュー © KNTV
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2015/12/01

まずは、日本のファンの皆さんに挨拶をお願いします。

日本の皆さんこんにちは。ドラマ『夜を歩く士(ソンビ)』でクィ役を演じたイ・スヒョクです。お会いできてうれしいです。

日本では12月からKNTVで放送がスタートしますが、いかがですか?

日本は個人的にとても好きな国で、ファンミーティングもしましたし、日本に行ったときのいい思い出がたくさんあります。だから、この作品によって新しい僕の姿をたくさん見ていただけたらうれしいですし、僕以外にもとても人気のある俳優がたくさん出ているので、楽しくご覧いただけると思います。

ドラマ『夜を歩く士』への出演を決めた理由は?

ヴァンパイアのキャラクターは、以前からやってみたいと思っていました。当然、僕が想像していたのは現代劇でのヴァンパイア役だったんですが、まさか韓服を着てこうしてヴァンパイア役を演じることになるとは思っていなかったので少し驚きましたが、キャラクターもとても魅力があり、原作もとても楽しく読んでいたので、すごく感謝の気持ちを持ちながら撮影に臨みました。

イ・ジュンギさん、チャンミンさん、イ・ユビさんとの共演の感想を聞かせてください。

出演俳優同士の息もとてもぴったりでした。僕たちだけでのSNSのグループルームも作りましたし。プライベートの話もたくさんしました。現場では、ジュンギ兄さんが僕たちより年上で先輩にも関わらず僕たち後輩の面倒をとてもよく見てくれて、楽しく撮影することができました。

イ・ジュンギさんのインタビューも行いましたが、ご本人は現場では“柔らかくも厳格だった”とご自身について話していましたが……。

ジュンギ兄さんは、すごくよくしてくださいました。僕たちより経験も多いし、ずっと先輩で、主人公が少し重かったりすると他の俳優たちも緊張したりするんですが、ジュンギ兄さんはすごく面倒を見てくださってうれしかったです。

まずは、ドラマの紹介をお願いします。

このドラマは、朝鮮時代を背景にヴァンパイアたちの闘いを描いたストーリーです。少し新鮮な、韓服を着たヴァンパイアたちが朝鮮時代を歩き回る姿をご覧いただけると思います。日本でも有名なジュンギ兄さん、チャンミン、そして僕も登場するので、楽しんでいただけると思います。

ドラマで演じられたキャラクターは?

クィという人物を演じました。とても長い間朝鮮時代を生きながら経験した痛みや傷によって、人間の上に君臨しようとする人物です。ストーリーが展開しながら、人間に対する感情や人々が感じる感情に対して動揺が生まれる、そんな人物です。

クィは本当にセクシーなヴァンパイアですが、最も気を使った部分は?

これまでのヴァンパイア作品を見て、女性の方の多くがヴァンパイアを好きで、(ヴァンパイアに対する)ファンタジーを持っている方もいるじゃないですか。どこか神秘的で、美しくて、自分も一度噛まれてみたいという興味を抱くような存在…そういう部分をもっと表現できたのではないかと思い残念に思っているんです。それでも、原作とは少し違いますが、このドラマの中でのクィという人物は貴族的だったり性格的な部分が多く表現された気がして、満足しています。

クィは人間の上に君臨するため、師匠まで躊躇せずに殺そうとするなど、骨の髄まで悪いヴァンパイアでした。それほどの悪業をためらいもなく犯した理由は?

キム・ソンヨル(イ・ジュンギ)と正反対の人物でなければいけなかったんだと思います。ストーリーの目的自体が僕を殺すことなので、ストーリーに緊張感を持たせるためにも、より多くの悪業が表現されてほしいと思いました。 そして、キャラクター的な性格についてお話すると、悪業というものの基準がない人物だと思います。吸血鬼で、生きていくために人間を捕まえなくてはならず、人間の血を飲まなければ生きていけず、そんな部分がソンヨルと対比する部分だと思いますし。むしろ、ドラマの序盤から中盤までにもう少し悪業が表現されていたらもっとよかったんじゃないかな、とも思います。

劇中にとても多くのファンタジー的要素があり、パワフルな姿も多く登場しましたが、撮影は大変ではありませんでしたか?

大変だったというより、照れ臭かったです。演技の準備をして、リハーサルもして、僕はどこからか突然現れてジャンプするのが最初は変な感じがしたんですが、幸いにも以前そういう演技をしたことがありました。ドラマ『根の深い木-世宗大王の誓い―』で空中を舞う技術を使う役柄を演じたことがあったので、少し適応が速かった気がします。

演じるときは気恥ずかしくても、映像を見たらまた印象が違ったと思います。いかがでしたか?

映画と違って、現場でモニタリングをたくさんすることもできないので、僕がどう撮られているのかもあまりわからない状態でした。最初は演じながらも心配をしていたんですが、放送を見てからは心配もなくなり、大丈夫でした。

ドラマの中盤で、腹筋も自然に披露されていました。セクシーなヴァンパイアを演じるために、肉体管理も努力されたのでは?

いつも同じなんですが当然、休日や作品に入る前には準備をたくさんします。いい姿をお見せしなければいけませんし、ファンの方々も喜んでくださるのでしっかり鍛えますが、ドラマの撮影中は不可能です。スケジュールに合わせて演技をしなければいけないし、台本を見るだけで時間が過ぎていくので運動する時間もないので、筋肉がだいぶ落ちてしまいます。でも、作家が勘違いしたんだと思います。一度筋肉がついたら落ちにくく、身体が鍛えられた状態だと思っていたようで(笑)。クィも途中で何度か露出シーンがあったんですが、申し訳ないですが撮影を避けたこともありました(笑)。

120年という歳月が流れ、ヴァンパイアになったソンヨルをずっと探し続けます。その理由は?

僕がポイントにしていたのはクィにとってソンヨルという人物が興味深かったのではないかということです。みんなクィのもとに来てよく見られようとして、クィの力を利用しようと必死ですが、ソンヨルは僕のもとにきて「君がいくら吸血鬼でも、それではダメだ」と問題点を提示する人物です。ミョンヒ(キム・ソウン)との関係においても、僕が見てきた人間とは違う……人間として愛する人のために犠牲にもなれるし、守るためにはどんなことだってできる。ソンヨルのそういう部分が興味深かったんだと思います。

ソンヨルを殺せそうなのに、殺しませんでした。それは、愛憎関係だったんでしょうか?

愛憎だったんでしょう。面白くもありましたし、ソンヨルという人物について興味を持っていた部分もありましたし、正直すごく新鮮だと思いませんか?クィは約500年以上を生きてきた人物なのに地下宮に閉じ込められて昼に出歩くこともできず、みんなは彼によく見られようとばかりしていたのに、新しいことを提示してくれる人物が現れたら、当然興味深いと思います。「こんな人が自分の味方になったらどうだろう?」と思ったと思いますし。殺せる場面で殺さずに放してあげたこともたくさんありますし、自分の味方になってほしいと願う、中盤まではそんな状況だったんだと思います。

もし500年間生きられるとしたら、クィのような人生を選びますか?それとも、別の人生を選びますか?

僕は、違う人生を生きると思います。わざわざ暗い地下でずっと…(笑) クィはすごく孤独な人生だと思います。クィがなぜこうやって孤独にいなければならなかったのかについてもう少し表現されていたらよかったと思いますが、僕だったらクィよりはもう少し幸せな方向を追求するんじゃないかなと思います。

かつてソンヨルの婚約者だったミョンヒと瓜ふたつのへリョンを利用しますが、クィとへリョンの関係は? 2人の間にもロマンスが花開くのでしょうか?

花開くと思います。でも、演じながら少し難しかった部分が、(原作の)ウェブ漫画が完結していない状態なので、僕も演じながら「今後へリョンとどうなるんだろう?」と気になりました。結末に対する蓋然性のために「へリョンをもっと女性として見つめた方がいいのかな?」「ただ悪く、なんでもないように接した方がいいのかな?」という悩みがあったんですが、幸いにも僕の推測した通りにストーリーが展開して、最後のシーンもうまく撮れた気がします。

クィがいる地下宮を見ると洞窟のようですが、とても変わっています。セット場ですか?寒く、孤独な場所という印象でした。

セットでした。ロウソクがすごくたくさんありました。(実際には)地下ではないのに“地下”という設定だったので、本当に地下にいるような気分だったし、ロウソクのせいで酸素が足りないような感じもして……。ロウソク代だけで数千万ウォンかかったという話を聞きました(笑)。スタッフの人数も多いので酸素不足で、撮影スケジュール上、地下宮に一度入ったら1〜2話分のシーンをすべて撮影して出てこなければならなかったので、少しぐったりして出てきていました。だから、僕は途中からは演技的にどうにか気分を上げて撮影をしようと努力したんですが、他の方々も後半部で地下宮に集まったら似たようなことを言っていました。開けた空間で撮影をするときよりも、演技的にぐったりしていました(笑)。

時代的では王役を演じたがる方が多いですが、今回王役を演じられた感想を聞かせてください。

正直、考えてもみませんでした。時代劇は今回で2度目なんですが、髪を結い上げたこともなかったですし、関係者の方々や監督も髪を結い上げさせようという考えがありませんでした。僕の顔が特徴がある方なので武士役やヴァンパイア役以外だったら時代劇に似合わないと思っていたのかもしれません。でも、今回は幸いにもたくさんの姿をお見せすることができて、うれしかったです。僕でさえ王の衣装はあまり似合わなそうだと思っていたんですが、着てみたらとても楽しかったです。

今後のドラマの見どころは?

これまでのヴァンパイア作品を見て感じた感情があると思いますが、僕たちは新しく、朝鮮時代を生きる吸血鬼を表現しているので、韓国的な美しさや、これまでの現代劇ではあまりなかった非常に静的なせりふのトーンなど、これまでのヴァンパイア作品とはまた違った印象だと思います。ジュンギ兄さんやチャンミンがすごく人気があるので、おかげで僕も日本で注目していただけるんじゃないなと思っています(笑)。たくさん応援してください。

モデルとしてデビューされ、その後演技を始められたきっかけは?

いつからだったのかよく覚えていませんが、ドラマや映画を見るのがすごく好きで、「ああいう場所に僕も出てみたい」と漠然とした夢を小さい頃から持っていました。モデルから俳優に転身したのはタイミングが合ったからなんですが、僕の夢の先頭にあったのが常に俳優でした。今では以前より、モデルより俳優として見てくださる方々も多いですが、でもまだモデルとしての印象が残っている気がします。新しい目標があるとしたら、少しでも早く“俳優イ・スヒョク”の姿でいい姿をお見せできればと思っています。

ロートーンの声がとても魅力的ですが周りの反応は?

僕にとっては小さい頃から聞いていた声なんですが・・・長所と短所がすごく分かれる気がします。今までの僕を知らず、僕の写真やイメージだけを見ていた方々にとっては、僕の声が意外な印象を与える気がしますし、声のせいで役柄の制約も多いですが、僕のイメージと違う役柄もたくさんできた気がします。だから、もっと僕が努力して、僕の武器にできたらいいなと思っています。

今後、挑戦してみたい役柄は?

多様な姿をたくさんお見せしたいです。やっぱり、これまでやってきた役柄は限定的で、今回は少し変わった姿をお見せできたので、これからはいろいろな人物を演じることができるということをお見せしたいです。ドラマ『夜を歩く士(ソンビ)』の前は少しくだけた、ラフな役柄をやっていたので、かっこいい人物を演じたいと思っていたんですが、時代劇の演技をやったので、次はまたくだけた役柄を演じたいとも思っています。次の作品では可愛らしく明るい姿をお見せできると思います。がんばります。

時代劇と現代劇では、どちらがより楽しいですか?

僕は現代劇です。今回、すごく難しかったです(笑)。衣装はむしろ楽でした。今まで演じてきた役柄のこともありますし、モデルとしていろいろ経験してきているので、衣装に対してはいつも期待されています。だから、正直少しストレスを受けるときもあるんですが、今回は時代劇だったので、そういう心配はなく撮影できて、とても楽でした。口調や体の動きがとても制限されるのが時代劇なので、僕の未熟さを序盤でとても感じました。

日本のイベントに出演された際、歌のプレゼントまでされたと聞きましたが、歌も得意なのでしょうか?

恥ずかしすぎます。その映像が広まっちゃって(笑)。僕は歌がすごく下手で、自信もないですし、うまくできる部分ではないですが、僕のために多くの方々が来てくださったので、努力する姿をお見せしたいと思って歌ったんですが、恥ずかしいです。他の特技を早く見つけなきゃ・・・と思っています(笑)。

共演されたイ・ジュンギさん、チャンミンさんは、日本でも確固たるファン層を確立されていますが、イ・スヒョクさんも日本での本格的な活動計画はありますか?

まずは、作品を通じてさらに成長した姿をお見せするのが計画です。日本側ともたくさん話し合っています。ファッションやモデルとして、俳優として、さまざまな姿を日本だけのスタイルでお見せすることができそうで、たくさんのことを計画中なので、見守っていただければと思います。

最後に放送を楽しみにしている日本のファンに挨拶をお願いします。

日本の皆さん!イ・スヒョクです。今回、いい作品でご挨拶することができて光栄です。これからもたくさん見守ってくださったらうれしいです。ありがとうございます。

記事提供:KNTV

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