2020/05/20
連続殺人犯が残したダイアリーから始まる、笑いと恐怖が絶妙にマッチしたコミックサスペンス!
お人好しで気弱だが、記憶を失い自分をサイコパスだと思い込む主人公ユク・ドンシクと、ダイアリーを失くした張本人であり正真正銘のサイコパス、ソ・イヌ。本物と偽物のサイコパスが出会い、それぞれの運命が変わっていく…!?恐ろしいのになぜか笑える、コミック感とサスペンス要素が混ざり合ったストーリー展開から目が離せない!
ドンシク、イヌをそれぞれ演じるユン・シユンとパク・ソンフンのロングインタビュー。
シユン:まず台本がとても面白かったんです。普段から役を決める時、僕の中にいる様々な僕をたくさん発見するのですが、今回、社内の方々から「まさにお前がピッタリだ」とこの作品のシノプシス(映画や演劇のあらすじ)をいただいた際、どれほどかっこいいキャラクターなんだろうと軽い気持ちで読んでみたところ、とんでもない役だと分かりました。多くの方々からユク・ドンシクというキャラクターと僕自身が似ていると言われたので、一度挑戦してみたかったんです。
ソンフン:僕も、出演を決めた理由はシユンさんがおっしゃったように台本がとても面白かったからです。僕はこの作品よりちょっと前に悪役を演じたのですが、その時の彼とはまた違う新しい悪役が演じられるのではないかとも思いました。基本的にドンシクの錯覚によってドラマが全体的に進んでいきますが、イヌとドンシクの関係からも面白い化学反応が起こりそうでこの作品への出演を決めました。
シユン:僕は、ドンシクと似た趣味やマインドを持つことをすごく重視しました。なぜなら、劇中では思い込みの強い人として勘違いをしなければならないからです。ドンシクが真剣であればあるほど笑えるコメディが成立しなければならない。多くの有名なスリラー作品を観て人物像を真似しようとしたり…そういった役作りを大切にしました。
ソンフン:僕は劇中で左手で字を左右反転させて書くんですね。筆跡を小道具チームが準備したり代役を使うこともできたでしょうが、2~3ヶ月間一生懸命練習してドラマ内では自分自身で文字を書いていたんです。それに加えて、外見ではヘアスタイルを含めなるべく完璧ですっきりした姿を見せるために努力しました。
シユン:うーん...良かったと嘘をつかなきゃいけないですよね。
ソンフン:そうだったことにしよう。終わったからにはいい風にしておかないと…(笑)
シユン:僕たち、いつも現場の雰囲気が良いと言うじゃないですか。実際にみんな愉快です。そしていたずら好きが多くて、みんな本番でアドリブを入れてきて元々の尺が3分なのに約10分になってしまうこともありました。また、そのアドリブがすごく上手なんですよ。ですから僕たちも巻き込まれて一緒に笑ってしまってペースを失ってしまうと、そのせいでシーンが壊れてしまうことも多いんです。雰囲気は良くとても楽しかったですが、その分、ちょっと手加減が難しい現場だったとも思います。
ソンフン:雰囲気がすごく楽で愉快だったのは事実だと思います。でも、それは監督が相性がよく合う俳優たちをキャスティングしてくださったからではないかと思います。僕は正直、序盤の撮影では少しプレッシャーと心配がありました。ドンシクが主人公ですが、リードしなければならない人物はイヌだったので、僕が崩れたら全体が揺らぐような気がしてちょっと心配だったんです。それで最初は余裕がなかったのですが、シユンさんが様々な作品で主人公をした経験があったからか、周りの同僚やスタッフたちに気を遣ってくれたんです。完成した第1話を一緒に見る時には、それを見る場所や飲食もすべてシユンさんが用意してくれて感動しました。主人公のシユンさんがよくリードしてくれたからチーム全体の雰囲気が良かったんじゃないかな、と思いますね。
シユン:お兄さん(ソンフンさん)もそうだと思いますが、現場の仲間って考えてみると3~4ヶ月という時間を共に過ごす家族であり、兄弟なんですよ。気の合う人たちとそうやって同じ時間を一緒に過ごせるということは幸せなことですし、逆に本当に合わない人たちと共に過ごすことってものすごく苦労するんですよ。この縁がとても大切かつありがたいということを知っているので、 その時間を目一杯楽しまなければなりません。いくら親しくても、撮影が終わるとみんな忙しいから会えない。だからこの時間こそ本当に同じ目標を持って一緒に楽しむことができるじゃないですか。
ユン・シユン…ユク・ドンシク役
シユン:ドンシクが勘違し続けているシーンですね。ドラマ内でドンシクが初めて左右逆の字ということに気づいた際、ダ・ヴィンチ・コードでこのキーワードを知っていたため上機嫌でいざ鏡で見てみたところ、異常なことが書かれていることを知ったシーンです。この場面がとても面白かったです。このドラマとドンシクのアイデンティティが非常によく表れた場面だと思います。
ソンフン:僕は個人的に4話エンディングの、ドンシクが自身をサイコパスだと勘違いし、イヌもドンシクがそういう奴だと勘違いをしている状況で、ダイアリーを落とす場面で終わったシーンが印象に残っています。台本を読んだ時もそのシーンに一番期待していましたし、その次の内容がすごく楽しみでした。実際の放送でもすごく反応が良くて、視聴率も高かったそうです。
パク・ソンフン…ソ・イヌ役
ソンフン:僕は個人的にこの「サイコパス ダイアリー」というドラマはドンシクの勘違いドラマだと思うんです。ドンシクの目線で感情移入をしながらご覧になると、まるでジェットコースターに乗ったように楽しめると思いますし、あとはドンシクとイヌの関係を少し注意深く見ていただければさらに面白いのではないかと思います。
シユン:このドラマは非常にとんでもない設定が絡み合っているんですが、それが説得力を持って徹底的に因果関係とともに蓋然性(多分こうなるだろうと予測されるシナリオ)を完璧に作っていきながらドラマが進んでいきます。果たしてドンシクがどうして逮捕され、なぜサイコパスだと一人で勘違いをしながら不気味な微笑を浮かべたのか、そこまでに向かう行程があまりによくできたシナリオがあることを念頭に置きつつ見るのも面白いのではないでしょうか。
ソンフン:ドラマの序盤に比べてドンシクの髪がどれほど伸びていくのかそれもご覧いただければ(笑)
シユン:ドラマの中でだんだんインソンさんの髪の長さくらいまで進行中です。ビートルズのようでしょう(笑)
ソンフン:ヨン様じゃないですか?(笑)
シユン:はい、ヨン様スタイル(笑)
シユン:今日投資をして何%か儲かったとか。
ソンフン:それもいいね(笑)
シユン:そうなったら視聴者の方々にだけ少しお分けします。
ソンフン:僕はこの前アカデミー賞を受賞されたポン・ジュノ監督の手帳を見てみたいです。天才ではないかと思うほど素晴らしいのでいつか必ずご一緒してみたい監督ですが、どんな観点と視覚で世の中や映画を見ているのか、また俳優たちにどう接するのか、どうディレクションを出すのか気になります。それで、ポン・ジュノ監督の頭の中を覗いてみたい気持ちがあります。
シユン:僕も個人的にはポン・ジュノ監督が次の秋夕(チュソク/訳注:韓国の大型連休)の時、どこへ行かれるのか調べてそこについて行って、息子さんを木馬にも乗せてあげたりしたいですね...
ソンフン:息子さん、成人だよ(笑)
シユン:お~…重そうだね。
ソンフン:多分シユンさんならできると思うよ。君はたくさん運動していたから。あ、もしかしてそれで運動してたんですか?(笑)
シユン:もちろんです(笑)
ソンフン:全部、計画があるんだ。
シユン:保育園にもお送りして。
ソンフン:はい。東京に何回か行ったことがありますし、福岡、大阪も行きましたね。
シユン:僕はいつも日本の方々の優しさが印象的です。 何と言いますか…相手を先に配慮する姿勢。最初は僕が何か気まずくしているのかな?という気持ちになっていましたが、長い時間をかけて彼らと親交を深めていくにつれて、これが相手に対する尊重でありエチケットなのだな、と思うようになりました。
ソンフン:きれいな国だ、そして美食の国だ、というイメージがあります。僕は美味しいものを食べるのが好きなので、それを目的に少し前に日本に旅行に行きました。 まだ食べたことがない食べものが多いので、また訪問すると思います。
シユン:あと日本のいいところは子供たちが半ズボンが好きなところ(笑)
ソンフン:長靴下に半ズボンね。
シユン:個人的に僕は半ズボンが大好きです。 長ズボンはとても不便です。それで日本の半ズボンの文化が大好きです。何言ってんだろう(笑)でも僕は本当に日本の子供達が半ズボンを好むところがとても良いと思います。きれいな半ズボンが多くて、日本の方々は半ズボンをとても愛してるようです。
ソンフン:本当に予想外な答えだ(笑)
シユン:写真を撮るのがとても好きなので、休みの時はあちこち通いながらたくさん撮ります。でも日本に行った時に思い出を写真で残せなかった気がしているので、また時間があればもう一度しっかりと撮りたいです。特に観光地よりも、思い出の場所や意味のある場所を写真で残したいと思います。
ソンフン:僕は何もしません。それがいけないとは思っているのですが、家でテレビを見たり、せいぜい映画や公演を見に行ったり、じっとしているほうです。台本があればちょっと読んで、美味しいものを食べてまたちょっと横になったり…。シユンさんともそんな話をしたことがあるのですが、何か趣味を持ちたいです。長い間特別な趣味なしに過ごしてみると、空虚な感じがしたり、たまに少し憂鬱になったりするので、趣味を近いうちに見つけたいと思います。
ソンフン:僕は今作と前作(作品名:ジャスティス)で相次いで悪役を演じることになったんです。その前に「たった一人の私の味方」というドラマで良い人を演じました。その時、「次は悪役を必ずやりたい」と思ったのですが、偶然にもその後の2つの作品で続けて悪役を演じてみたら、またすぐ「次は絶対、優しいキャラクターをしなければ」という気になったんです。そのため、次の作品では善良な役を演じたいです。
シユン:僕は毎回話しているのですが、ドラマの役作りで頼まれたことは全てします。ただ、本当にささやかな願いがあるとすれば、今のヘアスタイルから抜け出してしまいたい。次はどんな役柄を演じるのか分からないので、今はまだ髪を切れていません。早く髪を短く切ってもいい役を演じたいです。
ソンフン:「太陽の末裔」のような軍人の役とか。
シユン:それもいいですね。今は髪を乾かすのがとても大変なので、早く髪を短く切りたいです。
シユン:僕たちも日本のファンの方々に会える日を指折り数えて待っています。その機会があったらすぐ、僕もお兄さん(ソンフンさん)も積極的に皆さんにたくさん会いに行くと思います。僕たちを待ってくださる方々がいるからこそ僕たちの活動があるのだと思うので、一番大切なのは、ファンの皆さんへ挨拶することなのではないかと思っています。日本で活動する際は真っ先に皆さんとの時間を持とうと思っています。
ソンフン:ちょっと前に聞いたのですが、僕も出演している「たった一人の私の味方」や「ジャスティス」が日本で放送されていますよね。それで日本で他の活動もできればいいんじゃないか、と個人的に期待しています。
証券会社に勤めるユク・ドンシク(ユン・シユン)はある日殺人の犯行の瞬間を目撃してしまう。驚いたドンシクは現場から逃げ出すが、警察官のシム・ボギョン(チョン・インソン)が運転する車にはねられ記憶喪失になってしまう。記憶を取り戻す手掛かりとなるのは手にしていた1冊の赤いダイアリー。そこには残虐な連続殺人の過程が記録されていて、ドンシクは自分がサイコパスであると思いこむのだった。
ユン・シユン、チョン・インソン、パク・ソンフン ほか