2018/03/21
武則天から50年後の唐を舞台に宮廷内の嫉妬や陰謀に巻き込まれながらも、一途に愛し合った2人の物語を描いた中国歴史ドラマ「麗王別姫~花散る永遠の愛~」。本作で2017年の国劇盛典(中国のエミー賞)で、人気女優賞を受賞し、国際的に活躍するジン・ティエンにインタビュー。
脚本を読んで唐代の才女である沈珍珠(ちんしんじゅ)は教養にあふれ礼儀正しく、徳も才能も兼ね備えた人物だと思いました。また、彼女の人生は数奇な運命と物語性に満ちており、その伝説的なエピソードが人を惹きつけるのだと思いました。一介の女性ながら国のことを考え民の苦しみを憂えたというこの役にはとても期待が持てましたし、彼女のそんな部分にも大いに魅力を感じたからです。
このドラマの撮影では新しく多くの方々と知り合うことができました。しかもプロフェッショナルなスタッフと優秀な俳優方、先輩方に学ぶ機会を持てたことは、私にとってとてもうれしく光栄なことで、そんな方々と一緒に撮影できたことが楽しかったです。沈珍珠は深みのあるキャラクターなので、その感情を表現するのにはいつも以上の役作りが必要でした。これは大変だったというより、自分にとっていい勉強になりました。
どちらも頑固だと思いますね。一度決めたことは簡単にあきらめたりしません。
やっぱり沈珍珠を演じたいですね(笑)。この役には思い入れがありますから。
確かにこのドラマでは涙のシーンがとても多かったですね。しかも、それぞれのシーンによって表現しなければならない感情も様々でしたから、時間をかけて役柄の気持ちを理解し、準備をしました。山場の涙のシーンではあらかじめそのシーンに自分を入りこませることで、すんなりと演技ができたと思います。
一番印象が深く心揺さぶられたのは、沈珍珠がずっと探していた子供の頃の命の恩人が李俶だと気づき、驚きとうれしさ、自責の念とともに大きな幸せを感じるシーンです。愛する人が目の前にいて、葛藤から解放されていく感覚に感動を覚えました。
チームは非常にプロフェッショナルでしたから、危険なハプニングはありませんでした。でも、夏に冬のシーンを撮影していたので、それについては感慨深いものがあります。40度の暑さの中で衣装を4着以上重ね着しなければならなかったので、1テイク撮るたびに吸汗インナーがびっしょりになりました。あのときは沈珍珠ではなくて“沈汗珠”になった気分でしたね(笑)。幸い現場にはたくさんの扇風機や持ち運べる冷風機が用意されていたので助かりました。
リウ・グオナン監督はとてもプロフェッショナルで、撮影中は常に私にアドバイスをくださり、自らお手本も見せてくださいました。監督と一緒に仕事ができてとても幸せでした。
チーム全員がとてもプロフェッショナルでしたから、どんなシーンを撮るときでもその過程を楽しめましたし、自分自身もその中に溶けこむことができました。
もちろん、李适(※沈珍珠の息子)です(笑)。
これからも引き続き頑張って作品に取り組んでいきたいです。それが俳優としてまずやるべきことだと思います。
実は最近、悪役を演じることにかなり興味を持っています(笑)。ただ、ジャンルにはこだわらず、良い役と良い脚本さえあれば、どんな作品にもトライしたいと思っています。
自分では大した変化はないと思いますが、オフの時間はさらに減りました。今はお休みがほしいですね。
「麗王別姫~」は唐の繁栄した時代を描いていて、甘くて苦いラブストーリーです。史実に基づいたリアルな歴史物語や美しく華麗な衣装が楽しめます。
きっとみなさんに気に入ってもらえると思います。私が演じる沈珍珠のことも好きになってもらえたらうれしいです。
1988年7月21日生まれ。06年にデビュー。数々の映画出演を経て、14年に第18回ハリウッド映画祭で国際賞を受賞。映画「グレートウォール」(16)や「キングコング:髑髏島の巨神」(17)など、ハリウッドの話題作に出演。