特集アメリカ大統領選2016

候補者分析 
クリントン氏に大統領の資格はあるか

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米大統領選・民主党候補 クリントン氏が激戦州遊説
(写真:ロイター/アフロ)

米国大統領選挙は最後のテレビ討論会が終了し、トランプ候補の差別発言などからクリントン候補有利の状況で終盤を迎えています。ただ、当初の予想とは異なり、トランプ氏の支持率が回復するなど、最後の最後まで予想がつかない展開となっています。

ロイターが10月21日に発表した支持率調査では、クリントン氏が44%、トランプ氏が40%と、トランプ氏が思いのほか善戦しました。前回の調査ではクリントン氏が8ポイントの差をつけていたことを考えると、トランプ氏が急激に追い上げていることが分かります。

消去法としてトランプ氏に優っているだけ?

クリントン氏が討論会で勝利したにもかかわらず、トランプ氏に絶対的な差をつけられないのは、クリントン氏もいろいろと問題を抱えているからです。大統領選挙は、事実上、両者の一騎打ちですから、どちらの候補がよいのかという選択肢になります。しかしクリントン氏は民主党の支持者からも思いのほか人気がなく、消去法としてトランプ氏に優っているだけというのが現実です。

クリントン氏の最大の弱点は、やはり新鮮さに欠けるという点でしょう。説明するまでもありませんがクリントン氏は、第42代大統領だったビル・クリントン氏のファースト・レディ(大統領夫人)です。大統領の引退後、クリントン氏は上院議員や国務長官などを歴任し、政治の世界では十分すぎるほどのキャリアを積みました。能力的には申し分ないのですが、ワシントンの世界にどっぷりと浸かりきってしまった人物という印象は否めません。夫のクリントン氏や現職のオバマ氏が大統領選に立候補した時は、既得権益とは関係ない人物ということで、何か新しいことをしてくれるのではないかとの期待が高まりました。残念ながらクリントン氏に対してこうした期待の声はほとんどありません。

ネガティブイメージはワシントンのしがらみ

クリントン氏は、国務長官在任中の私的メール問題や、健康不安説などが取り沙汰されていますが、こうしたネガティブなイメージも、結局のところは、ワシントンのしがらみが多いという部分が大きく影響している可能性が高いのです。

トランプ氏は、従来の支持層の取り込みを強化する戦略に出ており、ある意味では捨て身の選挙戦です。順当に行けばクリントン氏が有利ですが、こうした選挙戦では何が起こるか分かりません。クリントン氏としては、実績を着実にアピールしていく以外に方法はないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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