特集アメリカ大統領選2016

本選挙みどころ 
クリントン氏優勢も最終局面で大逆転の可能性も

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メール問題にからみ、
信頼回復の意欲示す険しい表情のクリントン氏
(写真:ロイター/アフロ)

米国大統領選挙も投票日までわずかとなってきました。世論調査は相変わらずクリントン候補が優勢ですが、ここにきて、大きなニュースが飛び込んできました。それはクリントン氏の私用メール問題をめぐり米連邦捜査局(FBI)が捜査を再開したというものです。

FBIの活動が選挙結果を左右するのか

FBIは10月28日、クリントン氏が国務長官在任中に私用メールを使った問題で、新たに政府の機密情報を含む可能性があるメールが見つかったことから捜査を開始したと発表しました。これに対してクリントン氏は、自身は潔白であり、「FBIはただちに捜査内容を公表すべきである」とコメントしています。一方、トランプ候補は「これは最大のスキャンダルだ」としてクリントン氏を激しく批判しました。

大統領選挙は、米国の民主主義にとってもっとも重要なイベントのひとつと認識されており、政府機関の活動によって選挙結果が左右されることはあってはならないというコンセンサスが出来上がっています。このため、FBIなどの捜査機関は選挙結果に影響を与える可能性のある活動は選挙まで控えるのが慣例となっており、今回の動きは、こうした前例を覆すものです。司法省は捜査再開の議会報告に反対したと伝えられており、政府機関内部でもいろいろと意見の対立があるようです。

最新の世論調査ではトランプ氏が追い上げ

FBIの捜査再開が最終的な選挙結果にどのような影響を与えるのかはわかりませんが、選挙結果を左右する無党派層の動きに影響するとみる専門家は少なくありません。ロイターが発表した最新の世論調査ではクリントン氏が6%ポイント差でリードしていますが、前の週の世論調査ではトランプ氏が追い上げを見せるなど健闘しています。しかし、有権者の中には、まだどちらに投票するのか決めていないという人も多く、これらの票がどちらに入るのかで選挙結果は大きく変わってくるでしょう。

どちらかというとクリントン氏支持に傾いていた無党派層の一部は、私用メール疑惑が再び浮上したことでトランプ氏への投票に切り替える可能性が指摘されており、今回の捜査再開のニュースはトランプ氏に有利に働くことになりそうです。とりあえずはクリントン氏優勢で投票日を迎えることになりそうですが、最終局面の大逆転という可能性もゼロではありません。

(The Capital Tribune Japan)

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