インタビュー

声優・佐倉綾音 ロングインタビュー #1

SAKURA AYANE INTERVIEW

オンエアを観て泣いた|『僕のヒーローアカデミア』
麗日お茶子

声優・佐倉綾音

――2016年の第1期の放送からおよそ10年を経て、多くのファンが応援する作品になっていったことと思います。思い出に残っているファンからの声はありますか?

佐倉:「佐倉さんが声をあてていると、キャラクターが生きているみたいだよね」と言っていただいたこと、かな。私はそれを目指してお芝居をしているので、とても嬉しかったです。

やっぱりお茶子のシーンで言うと、「体育祭の爆豪戦」「未成年の主張」「トガヒミコ戦」の3つがとくに反響が大きくて。

観ていただいた方から「この辺(みぞおち辺りを触りながら)から声が出てるのがわかった。あんな局面になったら、ああいう声が出ちゃうよね」「あのシーンの後、のど大丈夫でしたか?」と言っていただく機会もありました。

僕のヒーローアカデミア

――その3つの印象的なシーンについて、もう少しおうかがいしていいですか?

佐倉:いいんですけど……爆豪戦のアフレコはほぼほぼ記憶がないし、未成年の主張はほぼほぼ一発OKだったので手応えがなかった、というくらいしか(笑)。ただ、トガヒミコ戦は、現場で何度も試行錯誤して……という感じで、それぞれシーンごとに全然向き合い方が違ったんじゃないかなと思いますね。

――爆豪戦の記憶がない、というのは酸欠に近い感じ?

佐倉:そうですね。極度に集中していたのもあると思います。本当に叫んだし、耐えたし、とんでもない感情の高ぶりと、喉を酷使しながらの戦いだったので、本当に何一つ覚えていない(笑)。ノブ(岡本信彦)さんともよくそんな話をしています。

――むしろ覚えていないということが、いかに収録が激しかったかが伝わってきますね……! 爆豪戦のあとの、お父さんとの電話も印象的なシーンでしたよね。

佐倉:そう、じつはあのシーン、自分で演じたくせにオンエアを観て泣いてしまった回なんですよね。自分がやったお芝居なのに、自分じゃなくて完全にお茶子の声になってると感じられて、あのシーンを見ながら自然と自分の親のことが頭に浮かんできたんです。

普通は、オンエアをチェックしているときは「もっとこうできたのに」と思うことのほうが多くて。「まだ自分には伸びしろがある」「頑張れる」「できなくて悔しい」という気持ちが次に繋がっていくものだと思うので、ネガティブな感情ばかりではないのですが。

だけど、たまに自分が完全に消えてキャラが喋り出すことがあって、あのシーンに関しても「お茶子が喋ってるんだから、私がうまくできたとか、できなかったとか、そういう話じゃないな」と思いました。だから、あの回はいちファンとしてオンエアを観てしまった回なんです。

――すごく素敵なエピソードです。続いて、トガヒミコ戦の試行錯誤についてもお話を聴いていいですか?

僕のヒーローアカデミア

佐倉:トガヒミコ戦に関しては、トガちゃん役の福圓さんと一緒に悩んで、「まだこのお芝居の先があるんじゃないか」という思いが私たち二人にもスタッフさんの中にもあって、それを現場でどんどん突き詰めていきました。

彼女たちにとっては命を懸けた対話のシーン。それを演じるからには、普通に喋っているだけでは感情を表現しきれない。私はもう、テストの段階からずっと泣いてしまっていて、その状態で本番、さらにリテイクを何度も何度も重ねて。「まだいける、まだいける」って。

極限を超えた先でいいものが生まれると信じて、自分を追い込んで……追い込んだあとにようやく出たもの、という感じでした。

僕のヒーローアカデミア

――最後は、どんなところにたどり着けたと思いますか?

佐倉:いや、それが私もわからないんですよ。最後は意識がもうろうとしていたし、たくさん録った中でどのテイクが使われたのかもちゃんとはわからない。ただ必死に手を伸ばし続けて、そこに手が届いたのかどうかわからないまま、という感じでした。まぁでも人生ってずっとそんなものですよね。

ただ、周りのキャストの方々が「大丈夫?」「すごかったね」と声をかけてくれたことがとても心強かったのは覚えています。

――ありがとうございます……! 最後に、佐倉さんにとって麗日お茶子はどんな存在ですか?

僕のヒーローアカデミア

佐倉:10年近く一緒にやってきたし、“パートナー”と呼ぶのが一番しっくりくるかなと思います。

“パートナー”って、いろいろな意味合いがあると思うんです。私にとっては、彼女がいたからいろいろな景色を見ることができた……それは現実世界でもそうだし、彼女の目を通して見た『ヒロアカ』の中の凄惨な世界、救いのある世界もそうです。そうやって見てきた景色があるから、いまの自分がいるわけだし、自分を形づくる一部として、かけがえない存在になっていると思います。

彼女の人生や、場面ごとの感情と相談しながら、彼女の気持ちや伝えたいこと、表現したいことを声としてお手伝いさせてもらえて本当に光栄です。彼女にとっても、私が“いいパートナー”になれていたら嬉しいな、と思います。

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取材・文/郡司 しう 撮影/小川 伸晃

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