文字通り、猫みたいな存在
――ドラマCDから猫猫を演じ続けてきて、悠木さんは猫猫という人物をどんな目で眺めていますか?
悠木:かわいいかわいい猫のような存在……ですかね(笑)。
もちろん彼女のことは、創造主である日向夏先生が一番わかっていらっしゃると思いますが、たぶんその次くらいに、あの猫の気持ちを汲んであげられるのが私なんじゃないかな。
どこか「うちの猫」というような気持ちで彼女を眺めている気がします。
――猫猫の猫らしさ、どんなところに感じますか?
悠木:どこか無性別的なところがあって、女性からも男性からも興味を持たれて。後宮の中を自由に歩き回れる自由さみたいなのもあって、みんなついうっかり、後宮の中で彼女に愚痴をこぼしてしまったり、重要な情報を口を滑らせてしまうんですよね。
本人のサバサバとした気質も、どこか猫っぽいし(笑)。
極め付けは壬氏さまとの関係。猫猫の気持ちが一向に壬氏さまに向いてこないじゃないですか。それは、演じている身としても「どうやって表現しようかなぁ」と考えるポイントではあるんですけど、ふと「飼い主と猫の関係だ!」というのが、私の中ではしっくりきたんですよね。
壬氏さまは猫猫からするとエサをくれる飼い主で、へこんでるときだけは、撫でさせてあげたり。そんな関係性が微笑ましくも、飼い主と猫っぽいなと感じています。
©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
――壬氏さまへの対応に心苦しくなったりはしませんか?
悠木:心苦しいのとは違うのかもしれないですけど、ある収録で、猫猫が壬氏さまにツッコミを入れる場面があったときに、どうやら私がちょっと優しい声を出してしまったらしく。
そうしたらディレクションで「もっと冷たく!呆れてください!」って言われて、ちょっとだけ情が湧いちゃったのを反省したことがありました。
だから、あくまで壬氏さまはチュールをくれる人。チュールをくれないときは別に……という姿勢でいないと(笑)。
――表現がめちゃくちゃ的確ですね(笑)。第2期の開始にあたって、第1期のどんな部分を見返しておいてもらいたいですか?
悠木:え〜、どこだろう……!
第19話の『偶然か必然か』で猫猫がぶん殴られるお話、かなぁ。その後、壬氏が猫猫を抱き抱えていったり、祭事の中になぜ壬氏がいたのかだったり。「壬氏って一体何者なの?!」という気持ちを大きくしていっていただければなぁと思います。ぜひみなさんにも第2期を観る前、観ながらでも復習的に見返していただけたらなと思います。
©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
――『薬屋のひとりごと』第2期に向けて、読んでいただいている方にメッセージをいただけますか?
悠木:『薬屋のひとりごと』は、後宮内でのさまざまな人間模様、そこで起こるミステリーを解き明かしていく推理、その二つが物語の中心になったすごく面白い作品です。
第1期もさまざまな出来事があったと思いますが、第2期では到底、猫猫一人では解決できないような大きな出来事がどんどん起きていきます。
そんな中でも、猫猫はいつもと相変わらずで、地に足をつけて冷静さを失わない。そこが彼女の魅力でもあり、いろんな人に応援してもらえる愛らしさかなと思います。あと第2期は壬氏も超頑張りますので、猫猫と壬氏の二人をはじめ、後宮で働くいろいろな人物も一緒に応援していただけたら、嬉しいなと思います。
取材・文/郡司 しう 撮影/小川 伸晃
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