インタビュー

声優・本渡楓 ロングインタビュー #1

KAEDE HONDO INTERVIEW

「素直なお芝居とは」を考え続けている

声優・本渡楓

――本渡さんにとって、声優としての転機となった作品について伺えますか?

本渡:転機というか、私にとって始まりともいえる作品が、事務所に入って初めて受かった『かみさまみならい ヒミツのここたま』という、夕方に放送されていたアニメでした。

最終的には、2年半ほどのテレビ放映と、劇場版にも携わらせていただいたのですが、最初は事務所に入って2ヶ月くらいのタイミングで、まだ仕事の仕方もわかっていない頃の出会いでした。

「マイク前に立ってどうすればいいの……本のページってどうやってめくるの〜!?」というような状態で、もう初心者中の初心者(笑)。

――なりたてホヤホヤという感じですね(笑)。

本渡:本当にそんな状態でのスタートだったんですが、周りをすごくしっかりした大先輩の方々が固めてくださっていたんですよね。

私にとっては、声優の現場での仕事をすべてそのときに教わったような気がします。それこそ、あいさつの仕方から、現場での常識、アフレコの技術、そして「お芝居は、頭じゃなくて心でするものだ」という根本的な心構えまで。

周りにはご迷惑をおかけしていたかもしれないですが、私にとっては本当に「声優人生の始まり」とも呼べるような大切な作品になったと思います。

――養成所で学んだこと、というのは現場とは違いましたか?

本渡:養成所で私が通っていたのが、じつはアニメの実習がないクラスだったんですよね。

映像を見ながらアフレコをする作業を、やってこなかったので、いざ収録が始まってマイク前に立った瞬間に、頭が真っ白になってしまって。

それまで演劇で培ってきたものを出すほどの心の余裕すらない……という状態でした。

それでも、毎週の収録があると少しずつ慣れてくるもので、1ヶ月くらい経ってきた頃に、ようやく緊張に負けないくらいの感じで収録にのぞめるようになった。台本のページも、ちゃんとめくれるように……いうて、それじゃまだまだなんですけどね(笑)。

ゆっくりと時間をかけて少しずつ慣れていって、徐々に収録が楽しめるようになっていったと思います。

――その現場で、特に印象に残っている言葉などはありますか?

本渡:当時の音響監督、私たちが親しみを込めて「親方さん」と呼んでいた中嶋聡彦さんという方が、じつは2017年にご病気で亡くなられてしまったんですが、お見舞いにうかがったときにかけていただいた言葉がいまでもずっと残っているんです。

「本渡は、もっと素直にお芝居したらいいのにね」って。

私自身、当時から「素直なお芝居」をしているつもりだったんですけど、あくまで“つもり”であって、親方さんから見たらそうじゃなかった。それが、親方さんと最後にお会いしたときにいただいた言葉で、それ以降も「素直なお芝居って、なんだろう」というのがずーっと心にあって、いまも考え続けている。

声優としての本渡楓にとって、大きなテーマの一つになっていると思います。

ナチュラルな個性と天然っぽさ|『防振り』メイプル

痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。

――『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』(以下『防振り』)では、もはや彼女自身がモンスターなんじゃないかと思うような、最強の主人公・メイプルを演じています。まずは、作品との出会いについて教えていただけますか?

本渡:最初の出会いは、オーディションでした。そこで本条 楓(メイプル)という役名を見て、「ほぼ私と同じ名前じゃないですか!」というところから始まったんです。

これは後日談なんですけど、じつは『防振り』の制作やいろいろなメディアへの展開に携わる中で、原作の夕蜜柑先生にお会いする機会があって、すごく勇気を振り絞って聞いてみたんですよ。「この役の名前って、偶然なんですか?」って。

そしたら、「すみません、じつは本渡さんのことは存じ上げなくて、検索してみて引っかからない名前にしたんです」と。

それはめっちゃ恥ずかしかったです(笑)。

――いや、でも誰もが聞いてみたかったことを、よくぞ本人が勇気を出して聞いてくれました(笑)。メイプルを演じるときは、どんなことを意識しているんでしょうか?

本渡:オーディションの頃から心がけていたのは、彼女は一緒にいるサリー(理沙)とは違って、日頃からオンラインゲームをやっているわけではないし、性格もわりとおっとりしているところ。

彼女は、ゲームが好きでめっちゃ強いとかじゃなくて、自分でもよくわからないまま「めちゃくちゃ強くなっちゃった」という子なので、そのさじ加減を表現できたらいいなと思っています。

例えば、技名を言うときに、つい最強だから「パラライズシャウト!」とか強く言っちゃいそうになるんですけど、メイプルの場合は多分、日常生活のときとテンションがあんまり変わらなくて、最初のうちは「パラライズシャウトー」とか「ヒドラー」みたいな感じで、わりとロウ気味の平坦な感じで演じていました。

――天然が入ってるっぽいですもんね。

本渡:そうなんです。ただ、アニメーションの絵力はとても強かったので、あえて見過ぎないようにして。絵はめちゃめちゃ激しめだけど「つられちゃダメだ!」って。

「私は天然でマイペース」って自分に言い聞かせながら演じていました(笑)。

でも、話が進むにつれてギルド【楓の木】の仲間が増えて、彼女に守るものができてくると、それも段々と変わってくるのかなって。

なので後半、とくにスキル【身捧ぐ慈愛】を手に入れてからは、彼女自身の覚悟が決まってきたりしたので、わりと本域で、彼女の心の強さも声にのせたいなと思いながら、収録していました。

――キャラクターの成長と共に、演技アプローチも変化させていったんですね。

本渡:そうなんです。ただ一方で、さっきも話に出たように、メイプルってどこか天然なので環境に左右されないのもまた、彼女の良さだと思っています。

だから「すごく大きな変化があった」ように見えてしまうのも、違うんですよね。

例えば、その後に左手が触手になる話があると思うんですけど、周りはドン引きなのに彼女は「すごいでしょ!見て!」みたいな感じじゃないですか(笑)。

あれがすごく“メイプルらしさ”だと思っていて、いろいろな成長をしているけど、ああいうナチュラルな個性の部分は、逆に変わらなさを表現し続けたいなと思っている部分ですね。

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